花散らしの雨 ~5~
今週はコメント欄を閉じてます。
そのかわり毎日更新します。
できれば、↓先に↓こちら↓からおよみください。
・『花散らしの雨 ~1~』
・『花散らしの雨 ~2~』
・『花散らしの雨 ~3~』
・『花散らしの雨 ~4~』
『花散らしの雨 ~5~』
流産後2日入院し、病室の窓からぼんやりと雨にけぶる満開の桜を見た。
これで、桜も散っちゃうのかな。。
あかちゃんを失った悲しみは、時間がたつほどボディヴローのように響いてきた。
退院してから、ゆっくり静養してる暇はなかった。
母は長い入院生活と不自由な後遺症の確定に精神的にかなりまいっていたし、父は目の手術の後遺症で眩暈がするような視野で毎日面会に通い、慣れない独り暮らしをしている。母の転院も控えていた。手伝わないわけにはいかない。
両親には泣き顔はみせられない。日中はなんでもない顔して母に会い、夜帰ってから布団の中で泣いた。
夫婦間での、赤ちゃんに対する気持ちの温度差にも悩んだ。
ダーリンは姪はいるが、赤ちゃんとすごした経験がない。
妊娠出産にともなう予備知識をつけてもらおうと、いくつか冊子を渡して読んでとお願いした。、
だーりんは、妊娠は喜んでくれているが、実感しづらいらしく、協力はするけど、な~んとなく今までより不便で我慢することが増えたなぁ、しかたないか。。というオーラが出てた。
渡した本も、パラパラっとめくっただけで、まだ先の事だし・・と読んでくれず、せかされて面倒くさそうだった。
流産後の哀しみ方には、もっと温度差が出た。
だーりんは、私をいたわって慰めてはくれるけど、赤ちゃんが亡くなったということへの悲しみは、やはり私に比べ、とても浅く見えた。
よく、“女は妊娠した時から母になり、男は生まれてから父になる”‥と聞くし、ダーリンにしたら、流産のリスクを散々聞かされてた上に、妊娠を知らされてからたった1ヶ月、実感が沸かないのも仕方なかったのかもしれない。
けれど、共有できない悲しみに、この先ダーリンと一緒にやっていけるか真剣に悩んだ。
私が、着の身着のままで、「流産しちゃう‥」と思い込んで深夜に外に出てったのもその頃。
精神的にかなりおいつめられていた。
結局、私は、、だーりんが大好きで、だーりんとの子が欲しいと願っているのに、本末転倒だと考え直して、自分に言い聞かせた。
母の人生を変えた大病と時期が重なってなかったら、私も、もう少し、心に余裕があったかもしれない。
以前、結婚12年目の幼馴染みが言ってたことを思い出した。
彼女が、
「新婚のラブラブな愛情はとっくに冷めたわぁ」
と言うので、
「何がきっかけで、いつ頃冷めたの?」
って質問したら、彼女はしばし考えて
「長女がまだ赤ちゃんの時、私が家事をしていて、夫が娘を見てくれてたの。
娘が泣き出してなかなか泣き止まないから急いで見に行ったら、夫はあやしもしないで、号泣する赤ちゃんを横に転がしたまま、平然とネットしてたの。それを見た時、
『‥なんだ‥、こいつ‥』
と思って、気持ちがさーっと冷めたな。。」
って言ってたなぁ。
女は、我が子を大切にしてくれない夫に、人として幻滅することがある。それはちょっとわかる気がした。
私は、子供好きが高じて保育士になったし、姪甥の里帰り出産前後も見てきて、妊娠出産や子供が生まれてからのいろいろについてかなりの耳年増である。(耳だけじゃなく実年齢も‥というのはおいといて。)
流産のリスクもよくわかっていた。普通でも1割、マル高(高齢出産)で、各種アレルギー体質の私のリスクはもっと高いだろうと予想していた。
それでも、知識や覚悟があっても、哀しいものは果てしなく哀しいということが、流産してから身にしみてわかった。
私の手帳には、出産予定日、両親学級の日程、マタニティスイミングの日程、秋までいろいろな出産準備のスケジュールが書かれていて、消す気にはなれず、見る度に哀しくなった。
あの時、ああしていれば、もっとこうしていれば‥、悔やんでも悔やみきれなかった。
ずっと、家族をぬか喜びさせまいと、安定期までひた隠しにした妊娠なのに、
流産をしてから、私は、家族にも親友にも伝えまくって、心配をかけてしまった。
冷静な自分は消えていた。
それ以上に、あの子がお腹に宿っていたことを、無かったことにしたくなかった。
だって、、確かにあの子は居たんだもん。15週と3日、私とずっと一緒に居たんだもん。。
「ママが守ってあげる」なんて、えらそうに思ってたけど、
実は、私の方が、辛い時期をずっと、まだ生まれてもいない子に支えてもらっていたことに気がついた。
お腹に手をあてるだけで、愛しくて嬉しくて誇らしい気持ちになってた。強くなれていた。
泣き虫な母の私を、支えるだけ支えて、お空に行ってしまったあかちゃん。
決めた・・私、この子をまた産む。次こそちゃんと元気に産む。
だから、お願い!また私のお腹にきてね。ママ待ってるょ。
新体操クラブOG 花散らしの雨~番外編~ へ つづく
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・『花散らしの雨 ~3~』
・『花散らしの雨 ~4~』
『花散らしの雨 ~5~』
流産後2日入院し、病室の窓からぼんやりと雨にけぶる満開の桜を見た。
これで、桜も散っちゃうのかな。。
あかちゃんを失った悲しみは、時間がたつほどボディヴローのように響いてきた。
退院してから、ゆっくり静養してる暇はなかった。
母は長い入院生活と不自由な後遺症の確定に精神的にかなりまいっていたし、父は目の手術の後遺症で眩暈がするような視野で毎日面会に通い、慣れない独り暮らしをしている。母の転院も控えていた。手伝わないわけにはいかない。
両親には泣き顔はみせられない。日中はなんでもない顔して母に会い、夜帰ってから布団の中で泣いた。
夫婦間での、赤ちゃんに対する気持ちの温度差にも悩んだ。
ダーリンは姪はいるが、赤ちゃんとすごした経験がない。
妊娠出産にともなう予備知識をつけてもらおうと、いくつか冊子を渡して読んでとお願いした。、
だーりんは、妊娠は喜んでくれているが、実感しづらいらしく、協力はするけど、な~んとなく今までより不便で我慢することが増えたなぁ、しかたないか。。というオーラが出てた。
渡した本も、パラパラっとめくっただけで、まだ先の事だし・・と読んでくれず、せかされて面倒くさそうだった。
流産後の哀しみ方には、もっと温度差が出た。
だーりんは、私をいたわって慰めてはくれるけど、赤ちゃんが亡くなったということへの悲しみは、やはり私に比べ、とても浅く見えた。
よく、“女は妊娠した時から母になり、男は生まれてから父になる”‥と聞くし、ダーリンにしたら、流産のリスクを散々聞かされてた上に、妊娠を知らされてからたった1ヶ月、実感が沸かないのも仕方なかったのかもしれない。
けれど、共有できない悲しみに、この先ダーリンと一緒にやっていけるか真剣に悩んだ。
私が、着の身着のままで、「流産しちゃう‥」と思い込んで深夜に外に出てったのもその頃。
精神的にかなりおいつめられていた。
結局、私は、、だーりんが大好きで、だーりんとの子が欲しいと願っているのに、本末転倒だと考え直して、自分に言い聞かせた。
母の人生を変えた大病と時期が重なってなかったら、私も、もう少し、心に余裕があったかもしれない。
以前、結婚12年目の幼馴染みが言ってたことを思い出した。
彼女が、
「新婚のラブラブな愛情はとっくに冷めたわぁ」
と言うので、
「何がきっかけで、いつ頃冷めたの?」
って質問したら、彼女はしばし考えて
「長女がまだ赤ちゃんの時、私が家事をしていて、夫が娘を見てくれてたの。
娘が泣き出してなかなか泣き止まないから急いで見に行ったら、夫はあやしもしないで、号泣する赤ちゃんを横に転がしたまま、平然とネットしてたの。それを見た時、
『‥なんだ‥、こいつ‥』
と思って、気持ちがさーっと冷めたな。。」
って言ってたなぁ。
女は、我が子を大切にしてくれない夫に、人として幻滅することがある。それはちょっとわかる気がした。
私は、子供好きが高じて保育士になったし、姪甥の里帰り出産前後も見てきて、妊娠出産や子供が生まれてからのいろいろについてかなりの耳年増である。(耳だけじゃなく実年齢も‥というのはおいといて。)
流産のリスクもよくわかっていた。普通でも1割、マル高(高齢出産)で、各種アレルギー体質の私のリスクはもっと高いだろうと予想していた。
それでも、知識や覚悟があっても、哀しいものは果てしなく哀しいということが、流産してから身にしみてわかった。
私の手帳には、出産予定日、両親学級の日程、マタニティスイミングの日程、秋までいろいろな出産準備のスケジュールが書かれていて、消す気にはなれず、見る度に哀しくなった。
あの時、ああしていれば、もっとこうしていれば‥、悔やんでも悔やみきれなかった。
ずっと、家族をぬか喜びさせまいと、安定期までひた隠しにした妊娠なのに、
流産をしてから、私は、家族にも親友にも伝えまくって、心配をかけてしまった。
冷静な自分は消えていた。
それ以上に、あの子がお腹に宿っていたことを、無かったことにしたくなかった。
だって、、確かにあの子は居たんだもん。15週と3日、私とずっと一緒に居たんだもん。。
「ママが守ってあげる」なんて、えらそうに思ってたけど、
実は、私の方が、辛い時期をずっと、まだ生まれてもいない子に支えてもらっていたことに気がついた。
お腹に手をあてるだけで、愛しくて嬉しくて誇らしい気持ちになってた。強くなれていた。
泣き虫な母の私を、支えるだけ支えて、お空に行ってしまったあかちゃん。
決めた・・私、この子をまた産む。次こそちゃんと元気に産む。
だから、お願い!また私のお腹にきてね。ママ待ってるょ。
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