花散らしの雨 ~4~
今週はコメント欄を閉じてます。
そのかわり毎日更新します。
あの‥胎教に良くないかもしれないので妊婦さんは読まないでください。すみません。
できれば、↓先に↓こちら↓からおよみください。
・『花散らしの雨 ~1~』
・『花散らしの雨 ~2~』
・『花散らしの雨 ~3~』
『花散らしの雨 ~4~』
看護師さんに流産しそうだと訴える私の横で、男の人達が言い争っていた。
ひとりの男性が
「奥さんは死産がショックで 云々」「死産だから 云々」と言っている。
‥死産?赤ちゃんは、もうだめなのだろうか?
「もう、赤ちゃん、ダメですか?もう絶対だめですか?」
看護師さんにすがりついた。
ずっと、のらりくらりとした調子で同じ事を言う男性に、もうひとりの男性がくってかかった。
それは、だーりんだと気づく。
「あなた、医者でしょう!?どうにか処置してくださいよ!」
いつも穏やかなダーリンが声を荒げている。
びっくりして、手をつかんで止めた。
「だーりん、やめて!ごめんなさい。私が悪いの。ごめんなさい。怒らないで‥」
私は点滴を受ける事になった。
ぽたっ ぽたっ と落ちる点滴を眺めていたら、急に脳裏に浮かぶ景色。
前に、同じような事があった。
白い天井、点滴、ベッドサイドにだーりん。
あの時、破水して、あわててナースコールして‥
そのあと、生きることのできない命を産み、
生きることのできない小さなちいさな赤ちゃんを見せてもらった。
15週になっていて、破水(羊膜が破けて赤ちゃんを包んでいる羊水がもれでてしまうこと。私は一気に全部羊水がでてしまった)したら、その後は、普通の出産と同じように分娩をする。
破水した時点で、付き添うと言ってくれただーりんを「明日仕事だし‥」と帰ってもらっていた。
独りで、生きていけることのできない命を産むことになった。
その事をだーりんは理解してなかった。私も実感できてなかった。
翌日見舞いに来ただーりんとふたりで、もう一度赤ちゃんの亡骸を見たんだっけ‥。
‥そうだ・・、
私、もう何日も前に流産したんだ。
この病院で、死産したんだ。
もうお腹に赤ちゃんはいないんだ‥。
全てを思い出し、とんでもないことをしてしまった事に気づく。
そばについてくれていた看護師さんに
「私、間違えてて。。すみません。すみません」
「いいんですょ、いいんですょ、涙、ふいてください。」
看護師さんはやさしく、涙をふいてくれた。
「ごめんね だーりん 私 まちがえちゃって・・ごめんね、ごめん・・」
「いいょ。帰ろう。。」だーりんが手をにきってくれた。
しばらくして、担当医だった副委員長が起きてきてくれた。
深夜になっていた。
担当医は、流産は避けられないものだったこと。決して私のせいではないこと。自分を責めてはいけないことを、ゆっくり丁寧に、説明してくれた。
起き上がった時、ぱらぱらとベッドと床に小さな赤い木の葉くずが落ちた。髪にも服にもついていた。
夜道で転んでそのまま倒れてついたらしい。服もかなり濡れていることに気づいた。
流産から5日目の夜の事だった。
花散らしの雨~5~へ
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あの‥胎教に良くないかもしれないので妊婦さんは読まないでください。すみません。
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・『花散らしの雨 ~3~』
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看護師さんに流産しそうだと訴える私の横で、男の人達が言い争っていた。
ひとりの男性が
「奥さんは死産がショックで 云々」「死産だから 云々」と言っている。
‥死産?赤ちゃんは、もうだめなのだろうか?
「もう、赤ちゃん、ダメですか?もう絶対だめですか?」
看護師さんにすがりついた。
ずっと、のらりくらりとした調子で同じ事を言う男性に、もうひとりの男性がくってかかった。
それは、だーりんだと気づく。
「あなた、医者でしょう!?どうにか処置してくださいよ!」
いつも穏やかなダーリンが声を荒げている。
びっくりして、手をつかんで止めた。
「だーりん、やめて!ごめんなさい。私が悪いの。ごめんなさい。怒らないで‥」
私は点滴を受ける事になった。
ぽたっ ぽたっ と落ちる点滴を眺めていたら、急に脳裏に浮かぶ景色。
前に、同じような事があった。
白い天井、点滴、ベッドサイドにだーりん。
あの時、破水して、あわててナースコールして‥
そのあと、生きることのできない命を産み、
生きることのできない小さなちいさな赤ちゃんを見せてもらった。
15週になっていて、破水(羊膜が破けて赤ちゃんを包んでいる羊水がもれでてしまうこと。私は一気に全部羊水がでてしまった)したら、その後は、普通の出産と同じように分娩をする。
破水した時点で、付き添うと言ってくれただーりんを「明日仕事だし‥」と帰ってもらっていた。
独りで、生きていけることのできない命を産むことになった。
その事をだーりんは理解してなかった。私も実感できてなかった。
翌日見舞いに来ただーりんとふたりで、もう一度赤ちゃんの亡骸を見たんだっけ‥。
‥そうだ・・、
私、もう何日も前に流産したんだ。
この病院で、死産したんだ。
もうお腹に赤ちゃんはいないんだ‥。
全てを思い出し、とんでもないことをしてしまった事に気づく。
そばについてくれていた看護師さんに
「私、間違えてて。。すみません。すみません」
「いいんですょ、いいんですょ、涙、ふいてください。」
看護師さんはやさしく、涙をふいてくれた。
「ごめんね だーりん 私 まちがえちゃって・・ごめんね、ごめん・・」
「いいょ。帰ろう。。」だーりんが手をにきってくれた。
しばらくして、担当医だった副委員長が起きてきてくれた。
深夜になっていた。
担当医は、流産は避けられないものだったこと。決して私のせいではないこと。自分を責めてはいけないことを、ゆっくり丁寧に、説明してくれた。
起き上がった時、ぱらぱらとベッドと床に小さな赤い木の葉くずが落ちた。髪にも服にもついていた。
夜道で転んでそのまま倒れてついたらしい。服もかなり濡れていることに気づいた。
流産から5日目の夜の事だった。
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