樹脂金型設計 箱の13回目になります。
結局、年を越してしまったこのシリーズ。
もうすぐ、最終回ですので
懲りずにお付き合いいただければと思います。
前回
はここまで。
金型を均一に冷やすための冷却を設定しました。
今回設定するのは
金型としては基本の部品となる。
(って、最終回間近に基本部品の説明するのもどうかと思いますが。。。)
ガイドピン(以下GP)とリターンピン(以下RP)です。
GPとは、文字通り金型の開きをガイドするピンです。
このピンが固定側と可動側の位置関係を保つ役割を果たします。
このピンがないと、固定側と可動側の位置が
ずれてしまい、成形不良または成形不可能となってしまいます。
上の絵の黄色い部分がGPになります。
型が開いても、GPの先端が固定側に入っていますから、
固定側と可動側の位置ズレを防ぐ事ができます。
続いてRPです。
RPとは、突出された突出板を戻すためのピンです。
上の絵の黄色い部分がRPです。
RPは、突出板に設定されています。
ので、突出板と一緒に突出されます。
この突出し動作は成形機によって行われます。
そして、なんかものすごく見にくい絵ですが。。。
型が閉じる時にはRPが固定側のPLに押されて
突出板も元の位置に戻ります。
この際、確実に戻るようにするために
スプリングを設定したりしますが、
今回は省略します。
って、ここ一番、解りにくいな。。。(汗)
ちなみに、どちらのピンも4本ずつ設定するのが一般的。
また、標準のモールドベースには
これらのピンはあらかじめ設定されていますので、
標準品を使う場合は自分で設定する事はありません。
とにかく、これで
金型には欠かせない部品である
GPとRPの設定ができました。
さてさて、
次回、いよいよ最終回。
金型の動きを通して見てみたいと思います。
あと1回、懲りずにお付き合いいただけると幸いです。
■ 関連
↓ブログ記事↓
金型設計 箱シリーズ
↓ブログ記事↓
金型設計 箱シリーズ
その00 ~前振り~
その01 ~設計前の確認事項 ~
(収縮率、成形機)
その02 ~製品形状の修正。1~
(抜き勾配)
その03 ~製品形状の修正。2~
(R付け)
その04 ~取数とゲート位置~
(取数、ゲート位置)
その05 ~ここまでのまとめと今回の仕様~
(01~04のまとめ)
その06 ~金型にしてみた~
(とりあえず金型化)
その07 ~分割する~
(製品の分割)
その08 ~入り口の設定~
(ゲートの設定)
その09 ~突き出しの設定1~
(突出しの設定)
その10 ~突き出しの設定2~
(突出しの設定)
その11 ~金型を冷やす1~
(冷却の設定)
その12 ~金型を冷やす2~
(冷却の設定)
その13 ~GPとRP~
(GPとRPの設定)
その14 ~金型の動き~
(成形時の型の動き/最終回)
よろしければ、ポチッとお願いします。