【金型設計】 箱 その13 ~GPとRP~ | 2代目設計屋・仕事っぷり

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金型設計屋の2代目の日々、思うこと・気になること

樹脂金型設計 箱の13回目になります。
結局、年を越してしまったこのシリーズ。
もうすぐ、最終回ですので
懲りずにお付き合いいただければと思います。

前回 はここまで。
2代目設計屋・仕事っぷり-箱 12-06
金型を均一に冷やすための冷却を設定しました。


今回設定するのは
金型としては基本の部品となる。
(って、最終回間近に基本部品の説明するのもどうかと思いますが。。。)
ガイドピン(以下GP)とリターンピン(以下RP)です。


GPとは、文字通り金型の開きをガイドするピンです。
このピンが固定側と可動側の位置関係を保つ役割を果たします。
このピンがないと、固定側と可動側の位置が
ずれてしまい、成形不良または成形不可能となってしまいます。

2代目設計屋・仕事っぷり-箱 13-01
上の絵の黄色い部分がGPになります。

2代目設計屋・仕事っぷり-箱 13-02
型が開いても、GPの先端が固定側に入っていますから、
固定側と可動側の位置ズレを防ぐ事ができます。


続いてRPです。
RPとは、突出された突出板を戻すためのピンです。
2代目設計屋・仕事っぷり-箱 13-03
上の絵の黄色い部分がRPです。
RPは、突出板に設定されています。

2代目設計屋・仕事っぷり-箱 13-04
ので、突出板と一緒に突出されます。
この突出し動作は成形機によって行われます。

2代目設計屋・仕事っぷり-箱 13-05
そして、なんかものすごく見にくい絵ですが。。。
型が閉じる時にはRPが固定側のPLに押されて
突出板も元の位置に戻ります。

この際、確実に戻るようにするために
スプリングを設定したりしますが、
今回は省略します。

って、ここ一番、解りにくいな。。。(汗)

ちなみに、どちらのピンも4本ずつ設定するのが一般的。
また、標準のモールドベースには
これらのピンはあらかじめ設定されていますので、
標準品を使う場合は自分で設定する事はありません。

とにかく、これで
金型には欠かせない部品である
GPRPの設定ができました。


さてさて、
次回、いよいよ最終回。
金型の動きを通して見てみたいと思います。

あと1回、懲りずにお付き合いいただけると幸いです。



■ 関連

↓ブログ記事↓
金型設計 箱シリーズ
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金型設計 箱シリーズ
その00 ~前振り~
その01 ~設計前の確認事項 ~ (収縮率、成形機)
その02 ~製品形状の修正。1~ (抜き勾配)
その03 ~製品形状の修正。2~ (R付け)
その04 ~取数とゲート位置~ (取数、ゲート位置)
その05 ~ここまでのまとめと今回の仕様~ (01~04のまとめ)
その06 ~金型にしてみた~ (とりあえず金型化)
その07 ~分割する~ (製品の分割)
その08 ~入り口の設定~ (ゲートの設定)
その09 ~突き出しの設定1~ (突出しの設定)
その10 ~突き出しの設定2~ (突出しの設定)
その11 ~金型を冷やす1~ (冷却の設定)
その12 ~金型を冷やす2~ (冷却の設定)
その13 ~GPとRP~ (GPとRPの設定)
その14 ~金型の動き~ (成形時の型の動き/最終回)


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