前回までの箱
う~ん、まだまだ、完成までの道のりは
遠そうです。。。
前回に引き続きまして、
今回も製品の形状修正をしたいと思います。
今回は、製品にRをつけちゃいます。
3。製品の成立性の確認
3-1.勾配が欲しい。(←前回済み)
3-2.Rが欲しい。(←今回はここ)
ちなみにRを付けるとは、
こういう角を
こんな風に、丸めることを言います。
PCのモニター、
キーボードのキー
携帯電話、など。
身近にある樹脂製品を見てみてください。
角部に丸みがあると思います。
一見ついていないようでも
よ~く見ると、小さなRが付いていたりします。
基本的に製品の角部はRです。
何故、角を丸める必要があるのか?
製品にも、金型にも
Rが欲しい理由があります。
まずは、製品上の理由を2点ほど、
● 製品の耐久性
製品をぶつけてしまった時に
角にRが付いている場合と付いていない場合では
その耐久性が違ってきます。
Rが付いていないということは、
製品が尖っているわけです。
それだけ製品が欠けやすくなってしまいます。
● 使いやすさ、安全性
例えば、何かを持ち上げた時
角が尖っている場合と丸みが付いている場合では、
持ちやすさは全然違います。
モニターの角にRが付いてなかったら、
持ち上げて運ぶ際に
きっと手が痛くなるでしょう。。。
製品によっては、角であったが為に
使用者が怪我をしてしまうケースもあるので、
たかが丸みをつけるとは言え、
馬鹿にはできません。
続いて、金型上の理由を
こちらも2点ほど、
● 金型の耐久性
これは製品の耐久性と同じ事です。
金型だって、角で作るよりは
丸みをつけた方が
当然、壊れにくいです。
金型が壊れてしまった場合、
そこから取り出す全ての製品に
影響しますから、もう、大惨事。
恐ろしいことです。
● 加工のしやすさ
下のような凹形状の加工をするとき
これをキレイに仕上げるためには、
別の加工方法をとらなければなりません。
別の加工方法をとるということは、
それだけ時間もコストも掛ります。
このご時世、無駄なお金をかけている余裕はありません。
出来る限り少ないの加工方法、工数で済ませたいものです。
ですから、この凹形状にRをつけて。。。
刃物で容易に加工できるような形状に修正します。
ここでポイントとなるのがRの大きさです。
ただ、Rをつければ良いというわけではありません。
Rの大きさは刃物より大きくする必要があります。
なぜなら、もしRが刃物より小さいと、
結局刃物は隅に届かず。
Rを付けないのと同じ状態になってしまうからです。
ですから、対象となる製品に制限が無いのであれば
Rの大きさを、刃物より大きくすることが
加工上、いい設計と言えます。
ということで、Rをつけた製品がこちら
さて、これでようやく金型設計に
取り掛かることができますよ~~
と、思ったのですが、
リアルにさっき気がつきました(汗)
まだ決めていなかったことがありまして。。。
ということで、
次回もまだ金型設計の前段階を
しつこくお送りします。
見捨てないでね。
<つづく>
【関連】
↓ブログ記事↓
金型設計 箱シリーズ
その00 ~前振り~
その01 ~設計前の確認事項 ~
(収縮率、成形機)
その02 ~製品形状の修正。1~
(抜き勾配)
その03 ~製品形状の修正。2~
(R付け)
その04 ~取数とゲート位置~
(取数、ゲート位置)
その05 ~ここまでのまとめと今回の仕様~
(01~04のまとめ)
その06 ~金型にしてみた~
(とりあえず金型化)
その07 ~分割する~
(製品の分割)
その08 ~入り口の設定~
(ゲートの設定)
その09 ~突き出しの設定1~
(突出しの設定)
その10 ~突き出しの設定2~
(突出しの設定)
その11 ~金型を冷やす1~
(冷却の設定)
その12 ~金型を冷やす2~
(冷却の設定)
その13 ~GPとRP~
(GPとRPの設定)
その14 ~金型の動き~
(成形時の型の動き/最終回)
R付けについて、以前の記事。
丸みを付ける
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