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それは 今の俺には 全く 分からなかった。
他のフランケンシュタインのような 怪物たちとは 意思の疎通も不可能だし 話すことも 出来ないのだから・・・。
他の フランケンシュタインのような 怪物たちの 気持ちや 感情は 俺には 全く 計り知れなかった。
しかし 少なくとも 俺には 意識がある。
意志もある。
俺としての アイデンティティ－ も ある。
この状況を 何とかして 打破したいと 真剣に 思っている。
俺は 心の中では 必死で もがき続けた。
一刻でも早く この 魔界から 脱出したかったのだ。
しかし フランケンシュタインのような 怪物となった肉体は 全く 俺の言うことを聞かない。
もちろん どうすれば この魔界から 脱出 出来るかなんて 全く分からなかった。
それでも 心の中では ひたすら もがき続けたのだ。
そんな中で 俺の脳裏に 再び レイコのことが よぎったのだ。
レイコなら 何か 知っているかもしれない。
レイコなら 俺を 救ってくれるかもしれない・・・。
全く根拠は なかったが 俺は 何となく そう 思ったのだ。
なんとかして 今は せめて 少しでも自由に 自分の意志通りに 身体を 動かしたかった。
少し 離れた所で さっきの 若者が 他のフランケンシュタインのような 怪物に 捕まっているのが 見えた。
可哀相だった。
そして・・・、あっ という間に その若者が 肉体を バラバラにされるのを 黙って見つめていた。
（ つづく ）
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