「獣の真下、ヒトの上」
くだらないお喋りに、いつだって彼女は夢中、
論じるなんて何よりキライ、
できれば獣になりたいのって、夜のたびに囁いた、
純粋さの在り方くらい、論じるまでもないって舌を、
舌を出したら牙剥くコヨーテ、その眼の色に似たピアス、
ネオンのブルーは似合わない、
プレスリーは生きてるよって、鏡のなかのそばかす数え、
道端で煙を浴びる、花を一輪むしり取る、
躊躇もなく食べてしまった、
少し野性に近くなったと、掠れた高い声で笑った、
真昼に揺れる、星を編んだカーテンみたいだ、
コンクリートで固められてる、煤に汚れた世界を這う、
鳥のいない空を焼く、夕陽がほんとに炎なら、
いっそやたら気分がいい、拾い上げたダイスを蹴った、
出た目になんて振りも返らず、
彼女は誰かのベッドルームに忍び込むふりをする、
ポルノ映画に見つけたばかり、阿片窟と無人の島を、
誰かのベッドの壁の地図、うつろうように指を差す、
眠る間はくだらないお喋りしない、
無言でぽつんの夜に仰いだ、凍りついたベランダから見た星のこと、
憶えているから忘れてしまったふりをする、
昨夜拾ったオスが鼾の、ベッドルームに仕掛ける火薬が欲しくなる、
STAR ENTRYS
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