「消毒液はマラスキノ・チェリー」
自由を語るのであれば、其処に人は想いを寄せる、
真に自由を謳歌するなら、
狂人との烙印にて忌み嫌うよう群れ群れにて囁き合う、
シンガポールスリングを、立て続けに10杯程度、
マラスキノ・チェリーの赤い、消毒液が鼻をつく、
暇潰しに視線を置いてる窓の外の曇り空、
ガス灯直下の螺旋階段、吐瀉物まみれの酷い身なりの若い男は11杯目を飲み干す前に絶えていた、
既に冷めた血の其れは、15歳でも85でも語るほどの違いはない、
マラスキノ・チェリーの赤い、消毒液を欲しがったのは彼も同じだったのだろう、
君にとって今日と云う日が昨日より、
穏やかなる笑みにて過ごせる日なら、
昨日を忘れる薬になればいい、
吸い殻、生ゴミ、腐乱死体、
砂漠にミドリを生ませる雨を、見てきたことを忘れてしまった、
水に還れば静かなる、孤独の生と其の終焉、
水葬へと運ばれているのは僕であったのかもしれない、
永遠の眠りについた名も無き最早若くもない、
彼にマラスキノ・チェリーの赤い、消毒液を奢ろうかとやはり思った、
君にとって今日と云う日が昨日より、
穏やかなる笑みにて過ごせる日なら、
昨日を忘れる薬になればいい、
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