「天の配剤」
其の先端は鳥の視座、地上が平面ではないと、
天に届く見下ろしの座、人の造りし鉄の尖塔、
其処を玉座に指揮を執る、
風の指揮者が見下ろす眼下に黒い、夥しい粒が生く、
悪戯ながら林檎を落とし、ときに生きたトビウオでさえ、
天に近い、空の踊り場、
幾億以上の刻を経た、南と北を交差する、
吹き荒びは滑落する氷と砂に、
其の肢体を晒されながら、タクトを振って季を奏でる、
神とされた生贄の、赤い鹿の角を削ったタクト、
天の玉座を手に入れた、堕落の使徒が地上に這いつく蟻を嗤う、
乾ききった眼球を、星を模したガラス細工にすり替えた、
神の視座の俯瞰に於いて、
見るにも耐えぬ地上の万象、
ガラスの右眼にも映る、錆びた鉄の臭いの赤は、
背中を貫く枝に分かれた頭骨の先、
天の配剤、善果と罰を、
天上にてヒトを配置などせぬと、
指揮者の頭上の透き通りもしない青、
其の黄金の陽を受ける、
鉛の羽根を散らせて舞う、嗚咽と悲鳴と断末魔、
ヒトの上に嗤うのは、鴉と云う名の天の配剤、
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