「鳥使いのノイ」
夜の東を眺め育った、
枝を拾って指揮者のように、星と星を繋ぎ合わせる、
指で笛を鳴らす横顔、神の傍の「鳥の使い座」、
黄金一羽は月の近くで、羽根を広げて飛び立つところ、
伸ばし始めたばかりの髪がもつれて跳ねる、
カールの下の長い睫毛と薄い目の色、
かすれつつある歌声は、
彼にさえも分からない、聞き覚えを繋げた独唱、
インクが滲む万年筆と、四隅の黴びた包み紙の束を抱く、
永遠の眠りについた、青い羽根と引き換えたんだ、
なのに彼は読み書きできない、話すことも伝わらない、
時にさえずり真似てみるだけ、想い人の名前も呼べない、
鳥使いは朝に目覚めて、
鳥使いは黄昏れ刻に丘を離れる、
「さようなら」も「また明日」もない、
夜は再び窓から空を、厚い木綿にくるまって、
南に浮かぶは鳥の使い座、
彼もやはり無言で指笛吹いている様子、
丘陵翔けた鳥の視座を瞼に描く、
月の裏側まで届く、神の鳥は風になる、
深く濃くなる森の闇、漂う雨季の青い青い草の匂い、
雨の空にも鳥の使い座、
指笛吹くから「神様呼んで」と、
草原から黄金一羽、見てきた景色を僕にも見せて、
鳥使いの少年は、誰にも伝わらない言葉、
裂けんばかりの叫びの声で、想い人への想いのたけを、
天にまします鳥使いの神様に、
今夜も鳥の哭き声で、
【備考】
金曜なので……以下略。それではみなさんごきげんよう。
今週は長かったなぁ……僕だけかもしれませんけど。
STAR ENTRYS
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