「ピアノと森と空」
咲き誇らずも枯れるもない、ミドリに紛れて眠ってる、
彼女は褪せて鳴りもせず、沈黙だけを続けてた、
歌った日々は古い昔か、触れた爪を憶えてる、
美しい時代を過ぎて、鳴き声零れるときを待つ、
ピアノは孤独な森のなか、追われて生きる動物たちの、
悲鳴に耳を澄ましてる、焼けて倒れた樹々の最期や、
咲けずに落ちる花びらの、鳴らない声を忘れずに、
雨が降れば彼女は背骨を高くして、
子供たちをせめて静かに眠らせる、
萌ゆる森がいつか呼吸を取り戻す、その日になるまで声はなく、
目を閉じ魔法に満ちたころ思う、
吹きつける風に耐え、柔らかミドリが生き返る、
過去も未来も声にして、ピアノは静かに眠ったふりで、
彼女はピアノ、凍てる森にて春を待つ、
【関連(?)記事】
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⇒これも結構好き(……自画自賛ですけども)
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