猫木の思い付きと勢いのみにて罷り通る、そんな「十二/国記」なパロディパラレル妄想駄文
の続きなものにて候。
(・Д・)ノ



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悠々と寝台の上に乗った蓮麒に驚いて声を上げてはみせたが、その蓮麒の余りに堂々と当たり前のようにキョトンとした態度に……
え?え!?も、もしかして、私が間違えた?お部屋間違えたの!?ここ、仁重殿の蓮麒さんのお部屋?もしかして、私、寝ようとしてる蓮麒さんの部屋に間違えて乱入していきなり叫ぶ変な女になってる??え?でも、女御のひとが案内してくれたし護衛官のひとも……
などど、グルグルと思考を巡らしながら後ずさるキョーコ。しかし、悲しいかなキョーコの背後にある扉は彼女が手を離したことにより閉じられ、困惑した彼女の後退を阻む壁となっていた。



「どうしたの?寝ないの?」
扉にべたっと背中を貼り付けたままでいたキョーコ、ふと気付けば目の前には覗き込み翠の瞳と笑みを浮かべる形の良い唇。
何故か、キョーコの背中にぞわりと震えが走る。
「いえ…私、お部屋を間違えたみたいで………」
その近さに驚いたキョーコはそう零すと、とりあえずこの部屋からの逃走を図ろうとするが
「なんで?ここが、キョーコの部屋でしょ?」
何を言ってるんだ?とばかりにさらりとその金色の前髪を揺らし、首を傾ける蓮麒。
「もうあんまり風邪とひかないようになってるけど……湯冷めしちゃうよ?」
などと、優しげに気遣いながらべたっと扉に張り付いていたキョーコの腰を掬い取ると寝台へと随伴してみせる。
「っ?……きょ!?え?…な?……蓮麒さん??」
するりと流れるように誘導するような腕に運ばれながら、わたわたとキョーコが疑問を零す。
だって、そうであろう。さらっと甘く呼び捨てにされたが、先ほどの式典までは蓮麒はキョーコのことを『主上』と呼んでいたし、口調だってもっと畏まったものであったし、何よりもここがキョーコの寝室で間違いないのならば、そもそも何故ここにこの男がさも当然のようにいるのかもわからない。 
そんなキョーコの混乱を他所に
「久遠………蓮国の雄の麒麟、蓮麒は号。俺の字は、久遠。後宮では……ここではそう呼んで?キョーコ」
そう強請る低い声と、ぐっと近く至近距離に詰めて寄る翠の瞳。
何よりも、まるで宝物のように優しく、その名前を呼ぶただそれだけが嬉しいと言わんがばかりに呼ばれた名前に、こんなにも大切に甘く名前を呼ばれたことのなかったキョーコは知らずに頬から耳朶までを赤く染め上げていた。
気が付けば、ぽふんと背中が寝台に沈む感触。
絡め取るように捉えられたキョーコの指さきを唇に寄せて微笑む蓮麒。
見上げたキョーコが見たのは、何処か企むような虎視眈々とした悪い男の笑み。
「ちゃんと誓ったしね?……キョーコのそばを離れず、キョーコだけを愛するって………キョーコも赦してくれたよね?」
なんだかだいぶ都合のいい様に改変された麒麟と王の誓約を宣い、見せ付けるようにカシッと甘くキョーコの指に歯を立てる蓮麒。
その滴るような濃厚に、まるで夜を統べる帝王のような妖しいまでの色香。
ひぃっとキョーコの喉が息を飲み込み、怯えた小動物飲みようにぶるりと震えてじわりと逃走経路を探るように目が泳ぐのだけれど……


「麒麟って慈愛の神獣なんて呼ばれてるけど……俺の重量級の愛も、獣の本性も……全部受け止めてね?」


ニヤリと笑みを深め、そう告げた蓮麒の瞳。キョーコを熱く見つめるそこに浮かぶのは、決して聖なる神獣などとは呼べそうもない、飢えて獰猛な猛獣のようなギラつく危ない色で……
そんなウキウキとキョーコの纏う被衫を剥ごうとしている半神半獣に組み敷かれたキョーコ、彼女がその見事なまでの肺活量を活かした声量でもって
「いやぁぁぁぁ、破廉恥ですぅぅぅぅーーー!!」
なんて上げて悲鳴がこれより先、蓮麒とキョーコの寝室となる正殿に響いたとか。







蓮国の半神半獣が腕に、彼の手を取り共に立つ最愛の至宝あり。




新たなる蓮国女王キョーコと蓮国蓮麒久遠、その統治は長きに渡り花開き
後々に最上治とさえ呼ばれることとなった。








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麒麟さん、草食系かと思いきや……がっつり肉食系大型獣だったみたいな?笑


本編的なものはとりあえずここでお終いとなります。
( ´ ▽ ` )ノ


もしやしたら、やさぐれ松くんとかのオマケ的なのを書いたりするやもしれませんけど……どだろね?需要とかのあんのかな?



猫木の思い付きなパロディパラレルなものにお付き合いありがとうでした☆



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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