【8771】イー・ギャランティ(東証1部) ---
現在値 2,637円/100株 PER19.1 PBR3.91 3月配当優待
伊藤忠系。商・金融取引の信用リスク受託。運用商品を組成して販売。
配当は3月一括の年間40円配で、配当利回は1.52%となります。
イー・ギャランティは株主優待制度を導入しており、3月末に単元株以上
を保有する株主に対して1,500円分のクオカードを進呈しておりますので、
配当優待利回りは約1.70%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 37.3億円、経常利益 13.1億円 EPS 69.2円
■2015年3月期 売上高 40.6億円、経常利益 15.6億円 EPS 88.1円
■2016年3月期 売上高 44.2億円、経常利益 18.5億円 EPS 107円
■2017年3月期 売上高 45.7億円、経常利益 21.5億円 EPS 129円
■2018年3月期 売上高 52.0億円、経常利益 23.0億円 EPS 137円 ce
□2017年9月中 売上高 24.5億円、経常利益 10.8億円 EPS 63.6円 ce
2017年3月期の売上高は前期比3.5%増の45.7億円、経常利益は同15.9%増
の21.5億円となり、4期連続で売上高が期初予想割れとなったものの、利益
は予算通りとなりました。保証残高は2,615→2,987億円と372億円増加した
ものの、企業倒産の減少により保証料率が低下し、売上高が伸び悩みまし
たが、逆に利益面では貸倒れの減少と、引き続き低リスクゾーン商品の引
き受けを増加したことよる信用コスト低下により、利益率が改善しました。
進行期の2018年3月期の売上高は13.6%増の52.0億円、経常利益は6.8%
増の23.0億円と、ここ数期連続で2桁増益ガイダンスを出してきていましが、
一転して保守的な予算となっています。企業の良好なファンダメンタルズを
背景とした保証率低下により苦しい状況が続いていますが、今期は営業
人員の増強や、これまで抑制してきた中リスク商品の引き受け増加により
トップライン(保証残高)の成長を優先させる模様です。また、この予想開示
により、中期的に目標としてきた2018年3月期の経常利益50億円の目標値
については、いったん"白旗"を上げた形となります。
会社側アナウンスによれば、この中リスク商品の引き受けと、過去営業先
への再営業、営業事務効率化、営業社員の早期戦力化でトップライン成長
を実現し、データベース活用による倒産確率の精緻化により信用コストを
低下させ、原価率低下を図る方針としています。おそらくこの頭打ち感の
ひとつの原因は新規に提携する金融機関等の数が一巡してしまったこと
が理由であり、かかる状況では会社側の「まだまだ国内で営業先がある」
という"風呂敷"は、やや割り引いて捉えた方が良いかもしれません。
株主還元に関しては、配当性向30%基準が維持される見通しであり、今期
も期初時点では前の期並の40円配当を予想しています。当社はこれとい
った資金需要がない状況で、事実上の無借金経営を継続しつつ高成長と
控えめな株主還元が継続しているため、財務がどんどん良化しています。
ただ既述のとおり、足許では成長に陰りが見えてきたことは事実ですので
そろそろ株主還元を強化すべき頃合と思われ、引き続き倒産件数が少ない
目下の状況においては、資本政策の変化に期待したいところです。
*参考記事① 2016-08-08 2,805円 --
順調増も成長モメンタムにやや陰り、イー・ギャランティ(8771)。
*参考記事② 2015-07-27 2,563円 --
保証残高急増で成長が再加速、イー・ギャランティ(8771)の短評。
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