
【8771】イー・ギャランティ(東証1部) --
現在値 2,809円/100株 PER22.8 PBR3.62 3月配当優待
伊藤忠系。商・金融取引の信用リスク受託。運用商品を組成して販売。
配当は3月一括の年間34円配で、配当利回は1.20%となります。
イー・ギャランティは株主優待制度を導入しており、3月末の単元以上
保有の株主に対して1,500円分のクオカードを進呈しておりますので、
配当優待利回りは約1.74%程度となります。
業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 36.1億円、経常利益 10.4億円 EPS 57.2円
■2014年3月期 売上高 37.3億円、経常利益 13.1億円 EPS 69.2円
■2015年3月期 売上高 40.6億円、経常利益 15.6億円 EPS 88.1円
■2016年3月期 売上高 44.2億円、経常利益 18.5億円 EPS 107円
■2017年3月期 売上高 50.0億円、経常利益 21.5億円 EPS 123円 ce
□2016年6月1Q 売上高 11.1億円、経常利益 4.7億円 EPS 25.3円
□2016年9月中 売上高 23.0億円、経常利益 10.2億円 EPS 58.9円 ce
2016年3月期の売上高は前期比8.8%増の44.2億円、経常利益は同18.9
%増の18.5億円となり、3期連続で売上高が期初予想割れとなったも
のの、利益は計画線を確保しました。保証残高は2,296→2,615億円
と300億円近く増加したものの、主に低リスクゾーン商品の引受が多
かったことで、トップラインの計画達成率は94%に留まりました。
なお2017年3月期の売上高は13.1%増の50.0億円、経常利益は15.8%増
の21.5億円と引続き2桁の増収増益を計画しています。足元では企業
業績の悪化が観測されているため、倒産数の増加が期待されますが
既に公表されている1Qは当社にしては低調な数字となっているため、
今期はせいぜい会社計画線を守れるかどうか・・・という感じです。
少なくとも2018年3月期の経常50億円目標は絶望的かと思います。
ということで、年率2桁の高い成長が継続するものの、モメンタムに
やや陰りも見られるため、そろそろ株主還元の充実に舵を切る頃合
ですが、配当性向はここ3年くらい31%を挟んだ水準のままですので
今期の業績がパッとしなければ、この基準を弄る可能性もあります。
(※順当にいくと「予想EPS123.71」×「配当性向31.6%」≒「配当39円」)
以下おまけですが、6月に当社の株主総会に出席しましたので、参考
までに質疑応答を掲載しておきます。
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Q.自己保有リスクは残高の増加に比例して増えるのか?
A.20%位は自己保有している(※うち貸倒は約3億円、1%未満の引当)
1年契約なので、サブプライムのようなことが起きても対応可能。
今後も引続き20%位はリスク保有する。それでも余裕残しである。
Q.平均勤続年数が4.5年だが、人材育成はどうなっている?
A.JQ上場の頃から1年位は延びた。新卒も10-20人採用している。
4月には21名とった。年間の離職率は5%程度である。
Q.海外の状況はどうか?特に韓国・中国。
A.中国は中国交通銀行、韓国は政府系のSGIにヘッジしている。ただ
日本で保証が浸透しておらず、他業界と違って成長余地がまだまだ
あるので、優先させたくない。中国は審査が弱く、例えば韓国向け
だけに債権を保有している会社を探して営業するのは非効率だ。
Q.株主総会でのスライドや議事録公開など検討してほしい。
A.現状HPでは動画の公開などはしていない。まだ公開することによる
メリット・デメリットの検証も出来ていないので、検討する。
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これといった質問もなかったので、総会の感想は中立ですが、江藤
社長の「当面は国内市場だけでイケる」というアナウンスはホールド
する上では心強い発言かと思います。今後は景気が下降局面となり、
倒産自体は増えるの思いますので、課題は人材育成かと思います。
*参考記事① 2015-07-27 2,563円 --
保証残高急増で成長が再加速、イー・ギャランティ(8771)の短評。
*参考記事② 2014-07-08 2,063円 --
伊藤忠系のクオカード優待銘柄、イー・ギャランティ(8771)の分析。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。




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