【3205】ダイドーリミテッド(東証１部) －－
現在値 438円／100株 PER49.2 PBR0.79 3月配当優待
アパレル中堅、ブランド『ニューヨーカー』。不動産賃貸が安定収益源。
配当金は3月末一括の10円配当のため、配当利回りは2.28%となります。
ダイドーリミテッドは株主優待制度を導入しておりまして、3月末現在の
単元以上保有の株主に対して、4,500円分の自社製品を進呈しておりま
すので、配当利回りは12.55%となります(※優待金額は17年3月期実績)
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 260億円、経常利益▲0.4億円 EPS ▲53円
■2015年3月期 売上高 244億円、経常利益 1.3億円 EPS 2.6円
■2016年3月期 売上高 238億円、経常利益▲5.4億円 EPS 2.7円
■2017年3月期 売上高 214億円、経常利益▲14.4億円 EPS ▲45円
■2018年3月期 売上高 292億円、経常利益 2.5億円 EPS 8.9円 ce
□2017年9中間 売上高 136億円、経常利益▲6.0億円 EPS▲8.9円 ce
2017年3月期の売上高は前期比10.1%減の214億円、経常損益は赤字幅
が拡大して、14.4億円の大赤字となり、期初計画を大きく割り込みました。
期中に衣料原料製造部門の縮小を決定し、上海の松江工場(従業員235
名規模)を閉鎖したため、衣料部門におけるOEM供給高が減少しました。
また、小田原の商業施設の西館が改装工事で一部休業となったため、
受取賃料が落ち込んだほか、経常外でも各種特損の計上がありました。
進行期の2018年3月期の予算に関しては、売上高が36.4%増の292億円、
経常損益が黒字転換の2.5億円を見込んでいます。衣料事業においては、
昨年11月に伊フィレンツェの生地販売会社「ポンテトルト」社に約25億円を
費やし子会社化しており、同社は年商で60億円・営業利益も数億円程度
のある程度確りとした業績がある会社のため、当社持分である65%が今期
から通期で寄与する見通しです。また、小田原の商業施設の改装も昨年
11月に終了しており、改装後は前年比1割弱の来館者が伸びているため、
(ちゃんと買い物しているかどうかは別として)自律回復の局面にあります。
当社の主力ブランドである「NEW YORKER」は、かつてバーバリーを取り扱
っていた三陽商会の取扱消滅と同ブランドの高級化により、多少は当社側
にも恩恵があるとみられましたが、まるでそんな気配もないため、若い女性
向けの「サリースコット」といった二番手ブランドの育成が鍵となります。
当社は百貨店に遠慮したのか、EC対策も周回遅れ気味であり、去年やっと
「ZOZOTOWN」へ出店したような有様ですが、見守っていきたいと思います。
そんな訳で業績的な見所は何もないのですが、当社は秋葉原に敷地面積
500坪強の自社ビルを有しているほか、小田原の商業施設は当然賃貸用
ながら僅か40億円程の激安簿価でB/S計上しているため、不動産含み益は
少なくとも300億円は下らないとみられ、会社としてはビクともしていません。
実際、今期も上記以外の秦野の社有地を売却して、特別利益を10億円程
計上し、早期退職者のリストラ費用と相殺していくものとみられます。そして
こんな状況であっても、10円の配当予想を維持出来るということですので、
見た目ジリ貧状態であるものの、まだまだ"余裕残し"ということになります。
*参考記事① 2015‐08‐05 515円 －－－
微妙業績も有価証券の切り売りで対処、ダイドーリミテッド(3205)。
*参考記事② 2014‐08‐15 540円 －－－
ダイドーリミテッド(3205)から株主優待のニューヨーカー折畳傘がきました！
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