象亮 第二十七話「SHORYO×ALEX」(前編) | ミドさんのばった寿司

象亮 第二十七話「SHORYO×ALEX」(前編)

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ここは映画館の前。


オールライダー対大ショッカーを観終わった亮と綾が満足げに出てくる。


亮「いやー、映画は楽しかったし粗品ももらったし至れり尽くせりだね^^」


亮は映画グッズのほかに粗品と書かれたRHソフビがめっちゃ入った段ボールをカートで引いていた。


なぜこれを持っているかはこちら を参照。


亮「哲夫さんのとこ行く前にいったん家戻ってこれ片付けないとなあ…」


綾「あ、それなら…バッタ君の超能力使えば?」


象飛蝗「俺の超能力はどこでもドアじゃねえ!」


亮と一心同体の象飛蝗は、日に日に亮の影響でアニメに長けてきている^^;


亮「参ったなあ…これバイクに載らないだろうし」


綾「それ以前に明らかに積載オーバーだよねーー;」


亮「うーむ…タクシーで帰るか?」


プップー!


亮「ん?」


横づけした赤いステップワゴンが、明らかに亮・綾に向かってクラクションを鳴らしている。


ウィーン


「亮くんに綾ちゃんね」


窓から顔を出したのは、明らかに人妻と思われるアップ髪の女性。


後ろには小学生くらいの男児と女児が乗っているのが確認できる。


綾「あなたは?」


「高村玲子(たかむら・れいこ)、二児の母、主人からあなたたちの話は聞いてるよ」


亮「主人?…高村…?…もしかして哲夫さんの奥方ですか?」


玲子「そうだよw」


玲子は、前回哲夫がちらちらと存在をにおわせていた哲夫の妻である。


綾「えー、てことは哲夫さんと同じくらいですよね…わっかー!w」


玲子「ありがとwちなみに主人とは高校の同級生だったんだよ^^」


哲夫は今年不惑を迎えるが、それにしてはメタボの兆候の見られない若々しい体を維持している。


それは夫人である玲子も同様で、哲夫同様年齢的にはかなりスマート。


亮「哲夫さんもただものじゃなかったけど玲子さんもただものじゃないですねえ…^^;」


玲子「旦那があれじゃ老けこんでられないからね^^;」


綾「あたしもこうありたいなあ…」


玲子「大丈夫、人前でお腹出せるうちは若いから^^あたしはもう子供二人もいるからちょっとねーー;」


亮「僕もお袋がそういう露出高い格好してるのはちょっと嫌ですからね…さすがに^^;」


綾「あ、ところであたしたちを呼びとめたのはどうしてですか?」


玲子「おーっと、目的を忘れてた^^;なんか荷物大変そうだから乗ってく?と思って声かけたんだけど」


亮「ジーザス!ありがとうございますm(><)m」


玲子「ジーザスて^^;大げさね…^^;」


綾「すいません、こういう子なんですーー;」


玲子「大丈夫、旦那も若いころこんな感じだったから^^;」


ともかく亮と綾は哲夫の妻・玲子の厚意ででかい荷物を抱えて帰る羽目にならずに済んだ^^;



第二十七話「SHORYO×ALEX」



亮は荷物を後ろに置くと助手席に乗り、綾は玲子の子供たちと一緒に後部座席に乗った。


亮「家族連れってことはもしかしてライダー見てました?」


玲子「ええ、ほんとは主人も行きたがってたけど自分は準備があるから子供たちと行って来いって」


亮「楽しみは子供に優先させて親父はぐっとこらえて我慢か…僕は親になったときそうあれるのかな?」


玲子「いや、たぶん入場特典目当てであたしと子供たちを行かせたんだと思う^^;基本はでかいガキだからね(笑)」


綾「りょーくんがそのまま大きくなったみたいですねw」


玲子「そうなの?w」


亮、否定することができず頭をかく(笑)


ここでふと、綾の横に座ってた男児が綾に問いかける。


「おねいさん」


綾「なーに?」


「玉ねぎ食べれる?」


ズコッ!


綾「ひ、久しぶりに聞いたよその質問^^;」


玲子「茂(しげる)、普通は大きくなれば食べられるの、あんまりお姉さんを困らせるようなこと言わない^^;」


茂と呼ばれた男児は玲子に突っ込まれるもめげない。


茂「おお、だからおねいさんはおっぱいでかいのかw」


玲子「玉ねぎとそれは別!」


亮(大物の予感がするなあ…このボウズ^^;)


亮、このやりとりを傍目から見て笑いをこらえている。


綾「生玉ねぎは食べれないよ;;」


茂「おお、聞いたかひとみ、別に玉ねぎ食べれなくてもおっぱいはでかくなるそうだゾw」


茂は妹のひとみに話を振る。


ひとみ「きょーみないよーー;」


ひとみは茂のスケベぶりにあぜんとしていた^^;


ひとみ「あ、おねーさん、それみていい?」


ひとみは綾の首飾りである怪封玉に目を付けた。


綾「いーよw」


綾、ひとみに体を寄せる。


茂「おお、いいながめだゾ」


綾「もう…^^;(りょーくんならひっぱたいてるとこだけどガマンガマン^^;)」


たび重なる茂のセクハラには綾もいつもの亮のようにどつくわけにもいかず苦笑いするばかりである^^;


亮(あれはガキの役得だよなあ…)


パコン!


茂に呆れたひとみから、きつーい突っ込みがお見舞いされる。


ひとみ「おにーちゃん!いーかげんにしなさい!」


亮(どっかでみた光景だなあ^^;)


綾「子供のパワーはすごいね^^;」


玲子「あなたたちも子供じゃない^^;」


綾「あ、そうか^^;」


綾は思わず舌を出した、ついでに亮が一番見たいものも^^;


茂「おねいさん、パンツ見えてるゾ」


子供相手で気が緩んだかミニスカで大股を開いていたため、ライムグリーンの下着が丸見えとなっていた。


綾「わあっ!」


綾、あわてて隠す。


ひとみ「このすけべあにきはーー;」


亮「こりゃ歌のお姉さんや幼稚園の先生になったら格好のいじられ役になるな^^;」


とはいえ綾は典型的な優しいお姉さん(基本的に温厚だが、そのぶん怒らせると怖い)なので幼稚園の先生向きなのは確か。

綾「ひとみちゃん、おねーちゃんがだっこしてあげようかw」


ひとみ「わーいw」


綾は、自らのスカートの防御も兼ねてひとみを膝に乗せる。


亮「その手があったかーー;」


玲子「昔から女の子の方が一枚上手なのよw」


亮「勉強になります^^;」


ともかく、車は亮の家の前に無事到着した。




亮は荷物を下ろして部屋に運んで行くと、綾ともども玲子に礼をする。


「ありがとうございましたm(__)m」


玲子「どういたしましてw主人の店は18時からオープンだからよかったら来てねw」


「はい、喜んでw」


ブォーン


玲子たちが去ると、亮・綾はいつも通り亮の部屋へ向かった。




それからしばらく、その間亮は駅にリョウホッパーを取りに行き戻った後哲夫の店の開店時間まで暇を潰していた。


亮「あの哲夫さんにしてこの玲子さんあり、って感じだったな^^;」


綾「あたしもああいう素敵な奥様になりたいなあ…」


亮「今のままでは厳しいかもねw」


綾「それ言ったらりょーくんだって今のままじゃ哲夫さんみたいにはなれないよw」


亮「それ言うなよーー;」


綾「あ、もう16時だ」


そのときであった。


どぎうぉ~ごーうぇろぉぞらうぉ~がぁ~げぇ~ろぉごのぼぉ~♪


Pi!


亮「もしもし哲夫さん?」


哲夫「やあ亮くん、映画は楽しかったかい?」


亮「ええwそれから奥さんには帰りにお世話になりましたw」


哲夫「そのカミさんのことで大変なんだ」


亮「どうしたんですか?」


哲夫「実はカミさんと子供たちがまだ店に戻ってきてないんだ!」


亮「えーっ!?」


哲夫「悪いが至急来てくれないか!?なんか嫌な予感がするんだ」


亮「わかりました!」


哲夫「念のため綾ちゃんも一緒に…」


亮「もちろんそのつもりです!」


哲夫「そうか、じゃ後は店で話そう」


Pi!


綾「どうしたの?」


亮「哲夫さんからで、玲子さんと子供たちがまだ帰ってきてないんだって!」


綾「えーっ!?」


亮「なんか事件に巻き込まれたのかもしれない、それにおれに電話してきたということは象外鬼絡みかも…」


綾「それは急いでいかないと、だね」


亮「もちろん!綾ちゃんも行くぞ!」


綾「うん!」


亮と綾は、急いでリョウホッパーに乗り込み、哲夫の待つキャピトラへ向かった。




開店準備に追われるステーキハウス・キャピトラ石森店。


ほんの数時間前まで哲夫もてんやわんやだったが、現在はあらかたの準備も終わり落ち着いており、哲夫も入り口で一息ついていた。


が、前述のことがあった通り心中は穏やかじゃなかった。


ちなみにこの日の哲夫はRXの南光太郎のような白ジャケット。


調理もするのであれば足かせじゃないのかという突っ込みは一切お断り。


哲夫(玲ちゃん…茂…ひとみ…どこにいるんだ…)


ブォォォォン!


ダダダダダダ


「哲夫さん!」


亮と綾、到着。


哲夫「やあ、悪いね突然」


亮「いえいえ、こういう事態ならしょうがないですよ」


綾「それで、玲子さんと茂君とひとみちゃんは…」


哲夫「シーッ、声が大きい。なるべく従業員には心配をかけたくないから小声で頼む」


綾「すいません><」


亮「それで、嫌な予感と言うのは…」


哲夫「これだよ」


哲夫は差出人の名前が書いてない封筒から手紙を出した。


哲夫「昨日、こんな手紙が送られてきたんだが…」


亮「なになに」


=本文ここから=


高村哲夫


貴様の店のオープンを今すぐ撤回せよ


さもなくば貴様の家族がどうなるかわかっているだろうな


よい返事を待つ


貴様に恨みをもつ者より


=本文ここまで=


亮「要約すると中坊でも書けるようなやっすい脅迫状ですね」


哲夫「俺もそう思って取り合わなかったんだが、こういう事態となるとそれが悔やまれるよ」


綾「でも、道に迷っただけとか事故とか別な可能性も…」


哲夫「カミさんももともとこっちの人間だからいくら当時と景観違うからってこんな時間まで道に迷うことは考えにくいし、事故ならとっくに何らかの連絡あるはずだよ」


哲夫の家族は普段は本店がある江東区に住んでいるが、この新店オープンを兼ねて早めの帰省をしていたのだ。


亮「確かに、うちの場所を象外神社の隣つっただけなのに全く迷うそぶり見せませんでしたからね…」


亮の家は、前回哲夫が語ってる通り哲夫や玲子が亮や綾くらいの頃は空き地であった。


哲夫「それはさておき、実は俺に恨みがある奴はちょっと当てがあるんだよ…」


亮「どんな奴らですか?まさか象外鬼?」


哲夫「そのまさかだ、象三葉虫、象剣歯虎、象翼竜、象古代魚というクライゴム四天王を名乗る連中だ」


亮「クライゴム…」


哲夫「昔、4人とも倒したには倒したんだが、奴らが「完全に封印されない限り我々は蘇る」と捨て台詞吐いて消えたのが今でも引っかかっててね…」


綾「じゃあ…」


哲夫「もし、そいつらだったとしたら今度こそ封印しなければいけない、そのために亮くんと綾ちゃん、君たちの協力が必要なんだ」


亮「哲夫さん…どうやらそのようです」


気がついたら、亮たちのまわりは象軍隊蟻(前回も登場した、いつもと色が違う(普段は紅白だがこちらは白黒)バージョン)に囲まれていた。


哲夫「おのれ…変ー、身!」


哲夫は今日はRXの変身ポーズでALEXに変身!


哲夫「仮面ライダー、アレェーック(ALEX)!」


亮「今日は一味違うぜ…かーいわれ、まきまき!ねーぎとろ、まきまき!むゎいてむゎいて…てーまきずしー!」


対して亮はなぜかノリダーの変身ポーズで象亮に変身(笑)


亮「どぅえい!」


哲夫「キングストーン、フラーッシュ!」


象飛蝗白金「だからちゃうやろてーー;」


ALEXの右半身から放たれる白金の光で象軍隊蟻は撃沈。


亮「さすが20年選手の技だ…貫録が違う」


象飛蝗「おい、兄貴!てめえ俺の仕事まで取るな!」


象飛蝗白金「アホウ、お前が動き遅いんや」


象飛蝗「ぬわぁ~ぬぅい~!?」


哲夫「二人とも落ち着け!」


哲夫の一括で象飛蝗・象飛蝗白金とも黙る。


そして象亮は象軍隊蟻の一人をつかみ、事情を問いただす。


亮「おい、お前らのボスはどこだ!哲夫さんの家族をどこにやった!」


象軍隊蟻「佐原飛行場…そこでクライゴム四天王が待っている…」


ガクッ!


哲夫「やっぱりクライゴム四天王か…」




キャピトラ店内では、副社長の霞野譲(かすみの・じょう)と料理長の小野寺吾郎(おのでら・ごろう)が最終チェックをしていたが、外が騒々しいのが気になっていた。


譲「なんだ、表が騒がしい…」


吾郎「見てきますか?」


譲「いや、いい。俺が行ってくる」


譲は、入口のドアを開き表に出た。




譲「両手を挙げろぉー!」


譲は、風貌がそっくりな小山力也の声真似をして威勢よく飛び出した。


亮「はい、亮です」


亮は思わず手を挙げた。


ズコッ!


譲「な…あれ、仮面ライダー?」


亮「あ、いけね、ライダーの姿で亮で反応しちまった^^;」


象亮は頭をかく^^;


譲は、ALEXに気づく。


譲「あれ、兄貴!…もとい社長!」


哲夫「譲、いや、副社長か」


どうやら、譲は哲夫=ALEXであることを承知しているようだ。


哲夫「カミさんと茂とひとみは車ごとクライゴム四天王に拉致られたらしい」


譲「な!あいつら復活しやがったんですか!」


亮「あいつら?哲夫さん、こちらの方は?」


哲夫「ああ、紹介が遅れたがこちらは」


譲「CTU連邦捜査官…(ズズッ)ジャッ…じゃなかった、ステーキハウスキャピトラ副社長…(ズズッ)霞野譲だ」


まさかのジャックバウアーの声真似にずっこける亮と綾。


哲夫「こちらはこの前話してた今の仮面ライダー、佐渡亮くんとそのパートナーの島綾ちゃん」


亮「ども、仮面ライダー象亮です^^」


綾「よろしくお願いしますw」


譲「おお、君たちが噂の…昔の兄貴と玲ちゃんにそっくりだ^^」


哲夫「そうか?」


譲「顔は全然似てないけど雰囲気がね」


哲夫「そう言われてみればそうか…さて、譲」


譲「?」


哲夫「俺は亮くんと今からカミさんと茂とひとみを救出に四天王と対峙してくる、本当は黙って行くつもりだったが…」


綾「え!?店はどうするんですか?」


哲夫「もし時間になってもおれが戻ってこなかったらお前が代わりにオープンを仕切ってくれ」


譲「…わかりました!無事を祈っています!」


亮「綾ちゃんもここに残って留守番をしてくれ」


綾「おっけー!」


亮「とにかく僕たちは急いで佐原飛行場へ行きましょう!」


哲夫「そうだな、急ごう!」


象亮、ALEXはそれぞれの専用マシンで佐原飛行場まで急いだ。




<後編へ続く