象亮 劇場版2おまけ「亮くんのオールライダー対大ショッカー?」 | ミドさんのばった寿司

象亮 劇場版2おまけ「亮くんのオールライダー対大ショッカー?」

<クライマックスはこちら




八月一日。亮は綾とともにオールライダーVS大ショッカーを見に来ていた。


映画館前はめちゃくちゃ並んでいるが、亮・綾は先頭をがっちりキープ。


「オールライダー対大ショッカー、ただいまから入場開始です」


係員は中に入るよう誘導する。


亮「でも上映開始より一時間も早いんだよな…なぜこのタイミングで?」


綾「井上君とか村井君、カンナちゃんや戸谷君が来てるわけでもないのにね…」


亮「てつをさんかな?」


綾「え、哲夫さんは今店の開店準備中でしょ?」


ちなみに哲夫の店は夕方オープンである。


亮「哲夫さんじゃない!おれが言ってるのはてつをさん!」


綾「ややこしや~、ややこしや~」


ともかく初日で込み合う中亮・綾は先頭で中へと入っていった。



劇場版おまけ「亮くんのオールライダー対大ショッカー」




中に入って見ると、まだ銀幕の扉は開いていなかった。


亮「あれ?…やっぱまだ準備できてねえんじゃん」


カランカランカラン!


亮「???」


突然の鐘の音にびっくりする亮。


戦闘員A「イーッ!」


戦闘員B「イーッ!」


戦闘員C「イーッ!」


亮「な、なんだー!?」


綾「まさか大ショッカー?」


劇場の中からご存じショッカー戦闘員を模した黒タイツ(ドンキやハンズでよく売ってるアレ)姿の集団が登場。


亮を取り囲む。


亮「どぅえたな(出たな)ショッカー!」


亮は全然似てない藤岡弘、の真似で応戦しようとするが、一気にショッカー風集団に抑えられる。


亮「わわわ!」


戦闘員A「イーッ!」


戦闘員B「イーッ!」


戦闘員C「イーッ!」


何かと思えば、亮はショッカー風集団に胴上げされた。


亮「こ…これは一体?」


そこで大杉蓮にそっくりな支配人風の男が現れた。


「当館支配人の寺石泰史(てらいしやすふみ)と申します、オールライダー対大ショッカー入場者一番乗り、おめでとうございます」


亮「ど、どうもありがとうございます^^;」


支配人登場と言うまさかの不意打ちにうろたえる亮。


そして同時に戦闘員風の集団は従業員であることまで判明。


戦闘員風の従業員が粗品と書いた箱を持ってくる。


支配人「こちらは一番乗りの粗品になります」


支配人は箱を開け、中から皮ジャンと斧を出す。


亮「お、これはもしや…これこうやって着てこれ持って…」


亮は支配人や従業員に誘導されるままに皮ジャンを後ろ前に着て左手に斧を持つ。


亮「ドゥンドゥッドゥッドゥッドゥンドゥッドゥッドゥッドゥンドゥッドゥッドゥッドゥンドゥッドゥッドゥッ」


このギャグの元ネタがわかる方は20代以上の可能性大、じゃなんで亮は知ってるねんという突っ込みは却下。


亮「って何をやらせんですか!」


亮は間抜けな姿のまま支配人に突っ込みを入れた。


支配人「これはほんの冗談です、本当の粗品はこちらに用意しています」


すると、亮が目を永楽通宝にして狂喜乱舞しそうな仮面ライダーグッズ(この映画に出演する全ライダーのソフビ)がズラリ!


亮「おお、すげえ!これ全部ですか!」


外野からは「わー」「いいなー」と羨望のヤジが飛ぶ。


支配人「ただし…あちらにトライしてもらいます」


そこにはなんと、熱湯風呂が!


亮「…もしかして、あれやんないとダメとかですか?」


支配人「仮面ライダーの放送年数にちなんで38秒入れたら総てゲット、ダメならこちらの丸大ディケイドソーセージ一本になります」


亮「その落差は何なんですかorz」


綾「面白そうじゃん、りょーくんやりなよw」


亮「でもなあ…海やプールでもないのに海パンになんのは嫌だなあ」


ボケをかますことに命をかける男・亮でもさすがに人並みの羞恥心はあるようだ^^;


綾「なんならあたしが代わりにやります!」


亮「おいおい、綾ちゃんにやらせるくらいならおれがやるよ」


綾「どうぞどうぞw」


亮「てかそれやりたかっただけだろ?」


綾「ばれた?w」


バレバレである。


支配人「それでは準備をお願いします」


亮「やるしかないな…」


亮は裏に回り、渋々海パン一丁で登場。


亮「支配人…他にないんですか?」


亮に用意されたのは緑色のブーメランパンツだった。


ホソマッチョなのでしっくり来るのが救いだが、亮はブーメランパンツは嫌いらしい。


支配人「そこはご了承ください」


亮「是非に及ばずか…」


織田信長の名言を軽々しく使ったところで亮は熱湯風呂の手前に向かう。


亮「では行きますよ、自分のペースで行くので押さないでくださいよ」


従業員が万一のサポートのため風呂の横に立っている。


亮「どんなもんかな…(チャポ)うぁっち!」


バシャー!


ドガシャーン!


「わー!」


「あっちー!」


「なにすんだー!」


綾「りょーくんのアホー!」


これもお約束であるが亮は熱湯を外野サイドにふっかけた。


亮「悪い悪いwお、綾ちゃん今日はライトグリーンかw」


綾は尻もち状態でこけたため、亮からは随分眺めのいい状態になっているw


綾「この状況でもそれかい!」


綾はあわててスカートを引っ張って抑える。


亮「というわけで」


日課でリラックスしたところで亮は腹をくくった。


亮「押さないでくださいよ」


しかしなかなか動く気配がない。


亮「絶対押さないでくださいよ!」


従業員「時間がないので早く行ってください!!」


ドン、バシャーン!


お約束で亮は熱湯風呂へ。


ピ、ポ、パ、ポ………


38秒が経過。


亮「ぶわっ!」


亮は40秒で這い上がる。


亮「見たか!…あちちち…」


綾「商品かかったときの根性は相変わらずすごいね^^;」




亮は裏で私服に着替えてから戻り、支配人から表彰を受ける。


支配人「おめでとうございます!では商品は帰るときに差し上げます」


亮「ありがとうございますw」


従業員A「ちょっとまったー!」


突然の声に場内が騒然とした。


従業員A「そうじゃないだろ!熱湯というのはだないかに熱いリアクションを取るかだろ!」


いきなり声を上げたのは戦闘員姿の従業員のメタボってる人、従業員A。


亮「…」


さすがの亮もポカーン。


従業員A「俺たちが見本を見せてやる!お前ら協力しろ!」


従業員「はいチーフ」


従業員Aは従業員B・Cに押されて熱湯風呂の手前へ。


従業員A「っておい!俺が入るのかよ!」


従業員B「じゃ俺がやりますよ」


従業員C「いや、俺がやります」


従業員A「じゃ、じゃあ俺がやるよ」


従業員「どうぞどうぞw」


従業員A「どうぞどうぞじゃない!」


従業員B「え、やらないんですか」


従業員A「やらないよ!」


従業員B「じゃ俺がやりますよ」


従業員C「いや、俺がやります」


亮「やっぱ僕がもう一回やります!」


支配人「いや、ここは支配人の私が…」


綾「あたしやりたーい!」


外野も「俺が俺が」とヤジる。


従業員A「じゃ、じゃあ俺がやるよ」


一同「どうぞどうぞw」


従業員A「おい!」


もはや古典となりつつある名コントの展開をなぞった後、従業員Aは熱湯風呂の前へ立つ。


従業員A「いいか、押すなよ!」


従業員Aは熱湯風呂へ入ろうとする。


従業員A「押すなよ!」


しかしさっきの亮同様、なかなか入ろうとしない。


従業員A「絶対押すなよ!」


従業員「早く行ってくださいよ!」


ドン、ザパーン!


従業員A「ぎゃーっちっちっち!」


もがく従業員Aを従業員B・Cが抑える。


そのうち従業員Aがのびる。


従業員B「やべ!チーフ息してない!」


従業員C「大変だ!チーフ大丈夫ですか!」


ザバーッ!


従業員Aは引き上げられ、従業員Cが心臓マッサージを試みる。


従業員C「ビーン、ビーン、ビーン!」


従業員Aは水を吹き出し、復活。


従業員「お、蘇った!」


従業員Aはいきなり起き上がる。


従業員A「ハッピーターン!」


ボカボカッ!


従業員「やかましいわい!」


一連のコント、終了。


支配人「えー、最後見苦しいところはありましたがようやく上映の準備が整いましたので入場開始いたします」


亮「待ってました!」


綾「いっそげー!」


ドアが開くと共にいちもくさんに突撃する亮と綾。


いつの間にか確保したポップコーンとコーラをつまみながら上映が始まるのを楽しみに待つ亮と綾。


亮「あれ、3Dメガネがないな…」


綾「もらってきたよw」


亮「おお…あれ、おかしいな」


綾「どしたの?」


亮「赤いとこで見ても綾ちゃんのスカートが消えない…」


亮、それはタルルートくんの眼鏡だーー;


綾「そういう使い方じゃないでしょ!」


なんやかんやで、上映が始まろうとしている。


上映室のドアが閉じられ、この話もしめくくりとなる。




<FIN>