【マンガ感想】
『3月のライオン 6巻 (羽海野チカ)』
3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)
羽海野チカ 白泉社 2011-07-22 by G-Tools |
【あらすじ】
学校で友達をかばったために、いじめに合うひな。周りに負けず戦う彼女のために零はできることを必死に捜す。零は元担任の林田先生に「お前にできることを一つずつやりなさい。」と諭され、ひなのために戦うことを誓う。すべての読者の心を感動で震わす「3月のライオン」。戦いの第6巻ここに登場です。
『ハチミツとクローバー』の作者が描く最新作。
17歳にしてプロ将棋棋士(5段)である主人公・桐山零。
しかし、彼は幼い頃に家族を失い、居場所を失った。
そんな彼が唯一、全てを忘れさせてくれるのが将棋だった。
心を閉ざした彼の周りには、暖かい人々で溢れ、徐々に彼の心は開いていく・・・。
という将棋の棋士を主人公としたハートフルストーリー作品。
子供の頃から不幸が続き、孤独のままに育ってきた主人公・『桐山零』。
そんな彼にお節介を焼く『3姉妹(あかり・ひなた・モモ)』、終生のライバル・『二海堂晴信』、
将棋の先輩・『松本一砂』と『スミス』など、彼と彼を取り巻く人々との交流を描いた作品です。
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ここからは、6巻の感想。
6巻では、『ひなちゃん』がクラスメートから孤立してしまうといういじめ問題が描かれつつも、
主人公・『桐山零』による新人戦での活躍が描かれております。
そんな6巻のメインとなるのは、新人戦ですね。
新人戦とは、26歳以下で五段以下の棋士が参加できる大会でして、いわゆる一流棋士への
登竜門と言われている大会です。 主人公・『桐山零』は現在17歳で五段であるため、参加資格を
有しておりまして、6巻の中盤までに準決勝まで勝ち上がることに成功しました。
(↑準決勝の相手は、早指しのイライラ王子・『蜂谷すばる(五段)』)
主人公・『桐山零』自体、当初は、あまり興味のなかった大会であったのですが、『ひなちゃん』を
めぐる問題が発覚したことと、終生のライバル・『二海堂晴信』もまた準決勝まで勝ち上がっている
ことが彼のやる気を出させるきっかけとなりまして、準決勝も危なげなく勝利を収めることとなりました。
しかし、主人公・『桐山零』は、終生のライバル・『二海堂晴信』が、4年間連続で新人戦で優勝している
『山崎順慶』に敗れてしまうという話を聞くこととなります。 『二海堂晴信』が負けたことに対して、
イライラしてしまう主人公・『桐山零』でしたが、『島田開八段』と『柳原棋匠』の『二海堂晴信』の敗戦に
関する会話を偶然聞いてしまいます。
『島田開八段』は、あまり『二海堂晴信』に関して語りたがろうとしなかったわけですが、
主人公・『桐山零』の必死な様子を見て、『二海堂晴信』と出会ったころの話を始めます。
その『島田開八段』の『二海堂晴信』に関する話は、主人公・『桐山零』にとって全てが初耳の
話でありまして、主人公・『桐山零』はこのイベントで初めて『二海堂晴信』が闘病と戦いながら
将棋を指していたことを知ります(とはいえ、さすがにうすうす気づいていましたが・・・・)。
そして、最後に、主人公・『桐山零』は『島田開八段』から『二海堂晴信』が新人戦準決勝で
打った棋譜を受け取り、『二海堂晴信』の将棋にかける想いを感じる取ることとなりました。
(↑4年連続新人戦で優勝しているスキンヘッドの『山崎順慶』)
そして、1週間後、新人戦の決勝が描かれます。 この試合の経過や結果に関しては、
6巻で一番面白いところであるので詳しくは書きませんが、『二海堂晴信』の弔い合戦とはいえ、
主人公・『桐山零』が相手のペースに乗せられることなく冷静に打っていく様子は面白かったですし、
何よりも、試合後に『二海堂晴信』が病院にいるとはいえ元気になっていたことが判明したシーンが
描かれたのが非常に良かったと思いました。
恐らく、次巻以降、新人戦を制したことで主人公・『桐山零』がさらに飛躍していく様子が描かれて
いくのではないかと思われます。 ただまあ、主人公・『桐山零』自体、調子に波があるようなので、
すぐに飛躍していくことは無いかもしれませんけど・・・。
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【総評】
上記の感想ではあえて取り上げませんでしたが、6巻では『ひなちゃん』関連の話も多く描かれ
ました。 恐らく、これからも『ひなちゃん』の長く重い戦いが描かれていくのだと思います。
今後、『ひなちゃん』がどのように成長していくのか、そして、主人公・『桐山零』が『ひなちゃん』に
どのように関わっていくのか、非常に気になりますね。 次巻も期待したいです。
点数的には
100点
です。
では、ここまで。