【マンガ感想】
『怪異いかさま博覧亭 5巻 (小竹田貴弘)』
怪異いかさま博覧亭 5巻 (IDコミックス REXコミックス)
小竹田 貴弘 一迅社 2010-08-09 by G-Tools |
【あらすじ】
両国広小路にある一軒の見世物小屋。閑古鳥はなくものの、いつまでも温かくにぎにぎしく。怪異いかさま博覧亭、これにて終幕!
江戸時代を舞台とした妖怪コメディマンガ。
妖怪を捕まえて、妖怪の『見世物小屋』を運営している『博覧亭』が舞台の作品です。
ただ、残念ながら、肝心の妖怪を捕まえる事が出来ていないので、閑古鳥が鳴いている状態。
傘張りや春画を書いて日々の金銭を稼いでおり、いつか『見世物小屋』を流行らせるために
妖怪探しを色々と繰り返しているドタバタコメディマンガです。
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ここからは、5巻の感想。
5巻では、『二口女』に関するイベントが描かれたり、『八手』による猫エピソードが描かれたり、
閑古鳥が活躍する話が描かれたり、江戸中を舞台とした鬼ごっこが描かれたりと、今巻も
多くのエピソードが描かれております。
そんな5巻で面白かったのは、『柊さん』のエピソードかな。
『柊さん』とは、主人公・『榊』の友人・『杉忠』が経営する“四ツ目屋(アダルトグッズショップらしい)”の
美人で巨乳な従業員です(乳の大きさは江戸中で1番大きいらしい)。 破天荒な『杉忠』とは違い、
かなり落ち着いた雰囲気の女性でして、登場回数や活躍は少ないものの、その圧倒的な容姿のためか、
なかなかの存在感を持っているキャラクターであると思います。
そんな『柊さん』にスポットが当たった話が描かれたのが今巻です。
この話は、『柊さん』が仕事のしすぎで目が悪くなり、文字などの細かいものが見えなくなったことに
悩んでいるところから始まります。 女性に対して鋭い嗅覚を持っている『杉忠』はすぐにそのことに
気付きまして、早速、『柊さん専用』の眼鏡を手に入れて、プレゼントすることとなりました。
(↑普段は無表情の『柊さん』だが、眼鏡を貰ったときだけは笑顔となった)
個人的にこのイベントで好きなところは、『杉忠』が『柊さん』にプレゼントを渡したときの言葉ですね。
その言葉自体は結構普通なのですが、『杉忠』らしからぬストレートな言い回しでプレゼントを渡した
ことが印象的でした(『杉忠』なのだけど、恋愛感情を含まないところが非常に気に入りました)。
もし、続巻があるのであれば、この2人の関連イベントを期待したいですね。
何故、『柊さん』が“四ツ目屋”なんかに勤めているのかなど、まだ描かれていなかったと思うので、
個人的にそこら辺に期待したいですね。 とはいえ、続巻は・・・・あるのかな~?
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【総評】
一応、最終巻です。
作者の様々な発言から読み取るに、単行本が売れず打ち切りとなったようです。
面白い作品だとは思いますが、絵柄的に地味だし、話自体に安定感がありすぎたのが原因かな?
まあ、この作品自体、『電撃コミックジャパン』というところに移籍して連載再開するようです。
捨てる神あれば拾う神あり? 単行本化するならば、ぜひとも買いたいですね。
点数的には
88点
です。
では、ここまで。