『ARIA 12巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『ARIA 12巻 (天野こずえ)』

 

4861274826 ARIA(12) (BLADE COMICS)
天野こずえ
マッグガーデン 2008-03-10

by G-Tools

 

 

過去記事はこちら → 8巻  9巻  10巻  11巻

  

 

【あらすじ】

TVアニメ3rdシーズン[ARIA The ORIGINATION]好評放送中!!!水の惑星アクアを舞台に綴られた空と海と風と癒しの物語、遂に完結----!!!

 

 

癒し系の最高峰作品。

『ネオ・ヴェネツィア』を舞台に、ウンディーネ(水先案内人)を目指す女の子達の成長を描く作品。

主人公・水無灯里の性格ゆえか、非常にのんびりとした作風のファンタジーマンガでして、

ストレスを一切感じさせないストーリー展開は、「見事!」の一言(^^ゞ。

このブログで紹介している作品を好んで読んでいる方ならば、絶対に楽しめる作品だと思います。

 

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さて、この作品も、ついに最終巻を迎えてしまいました。

この作品は、極力、物語を・・・時間を進めないようにして描かれてきたと思います。

しかし、前巻で描かれた『アリスの昇格試験』で止まっていた時間の流れを一気に進み、

そのまま時間の流れを止めることなく、最終回となりました。

人気作にありながら、延命措置も無く、とても素晴らしい終わり方でしたが、

個人的には、「もう少しこの作品を読んでいたかったなー」というのが本音です。

 

 

【第57話・薔薇の名前】

真紅の薔薇(クリムゾンローズ)こと『晃・E・フェラーリ』を悩ます問題を描いた作品。

 

真紅の薔薇(クリムゾンローズ)こと『晃・E・フェラーリ』は、後輩の『藍華・S・グランチェスタ』が、

プリマになるために一緒に練習していた『アリス』にプリマ昇格を先に越されたことで、

見習い時代の自分のように、落ち込んでいたり、悩んでいるのではないかと心配していた・・・。

 

というストーリーでして、後輩を心配する『晃さん』の優しさと、『藍華』の強さが描かれております。

『藍華』の前向きに考えている姿を見た時の『晃さん』の瞬間の表情が良いですね(^^ゞ。

『手間のかかる妹が、いつの間にか一人前に成長していた』という残念そうな安心したような表情が、

『晃さん』と『藍華』の関係を上手く描いていると思います。

 

また、『藍華』も、時間と共にちゃんと成長していて、強がりではなく本当の強さを見せてくれたことは

彼女の成長を見守ってきた『晃さん』+『読者』には感慨深いシーンだったと思います(^^ゞ。


ちなみに、『晃さん』が『藍華』に渡した紙は、『通り名』を書いたものです。

(『藍華』の通り名は、薔薇の女王:ローゼン・クイーンとのこと)

今までに特にこれに関しての伏線がなかったことから、『アリス』のプリマ昇格を機に、

『晃さん』も『藍華の通り名』を考えるようになったのではないかな?

ということは、『晃さん』が『藍華』をプリマにし忘れていたのか(笑)、

それとも『アリシアさん』のように後輩との日々を一日でも長く過ごしたかったのか・・。

前者だったら面白いけど、やはり『その時期』が来たと考えるのが普通かな。

 

 

【特別編・3人娘】

飛び級でプリマ昇格を果たした『アリス・キャロル』の忙しい日々を描く作品。

 

プリマに昇格したことで、案の定、『灯里』や『藍華』と出会えないほど忙しい日々を過ごしていて、

そのことにストレスを感じつつ、『あの2人にもう会えないのではないか?』と悩む日々。

2人に会う為に『きっかけ』を見つけようと考えていると、そこに『灯里』や『藍華』が・・・。

 

といった感じのストーリー展開でして、ラストの『灯里』の言葉は心にジーンと沁みてきました。

この話は、ラストエピソード・第60話の『アリス』の自分ルールにも反映されているのだと思います。

本当にこの3人の関係は素晴らしいですね。

番外編などで、この3人の最終エピソードのその後を読んでみたいです。

 

 

【第58話・遙かなる蒼】

『アリス』・『藍華』がプリマとなり、最後に『水無灯里』のプリマ昇格試験が描かれる。

 

『藍華』がプリマとして新規に開店する支店の支店長になることを知った『アリシア』さんが

動き出してしまった時間を感じ、ついに『灯里』のプリマ昇格試験を行うことに・・・。

 

といった感じのストーリー展開で、『アリス』のときと同じように、先輩の『アリシアさん』が試験官となり、

『灯里』のゴンドラを動かす技術や案内話術などを見るという試験内容。

『アリス』・『藍華』と同様に、すでに『灯里』も技術に関してはプリマレベルであったようで、

試験内容を楽々にクリアしていく姿は、頼もしくもありますね。

試験内容に関しては、『アリス』のときのようなサプライズは無かったですが、

ラストのラストで驚くべきサプライズが・・・(ノ◇≦。)。

そのサプライズは第59話に続きます(笑)。

 

ちなみに、『灯里』の通り名は、『遙かなる蒼(アクアマリン)』だそうです。


 

【第59話・未来】

『灯里』がプリマに昇格し、『アリシア』が寿引退(結婚)することが判明!

アリアカンパニーを一人で任されることになったことで、心配する『アリス』・『藍華』。

『灯里』は明るく「大丈夫!」と答えるのだが、一人になったとき、自分の周りの変化に気付く。

いや、その変化にちゃんと気付いていたのだけど、見ない振りをしていただけだった。

そのことを『アリシア』に打ち明ける・・・。

 

というストーリー展開。

この話を読んでいるとドンドンと眼が潤んできました。

『灯里』が語る言葉は、どれも共感できる言葉で、そしてどれも切ない言葉です。

 

灯里 「私 もう立ち止まりません」

    「この道の続きに待っている みんなの素敵な未来に出会いたいから」

 
私も『灯里』のような強い意志を持って生きていたい、と思いました。

 

 

【第60話・水の妖精】

ラストエピローグ。 つまり最終回です。

『灯里』の最後の成長イベントを描きつつも、メインキャラクター達のその後を描いております。

まあ、その後とはいっても、何年も経っているわけではなさそうなので(1年後くらいか?)、

ウッディー・アル・暁などほとんど変化の見られないメンバーもいたりします(笑)。

そんな中、大きな変化をしているのが水の3大妖精の3人。

『アリシアさん』は舟協会の要職につき、『アテナさん』は自分の能力を生かし舞台デビュー、

『晃さん』は現役ナンバー1プリマとして活躍中といった感じ。

・・・というか、『アリシアさん』のお相手の男性が出てこなかったけど、誰なんでしょうか?

まあ、そこを明かさない(明かせない)ところが、アリシアさんらしさなのかもしれませんが・・・(^^;。

 

そして、最後の最後に、上記のエピソードから数年後が描かれ、

ARIAカンパニーに新入社員が入ってくるというエピソードが描かれます。

新入社員・『アイ』という少女で、本編には未登場・・・なのかな?

『灯里』がアリシアさんのような大人の女性として成長している姿には、かなりびっくりしましたが、

大人の女性になった『灯里』のエピソードも読んでみたい気持ちになりました。

個人的に、新入社員・『アイ』を主人公として、そのまま連載していただきたい気持ちです(笑)。

 

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【総評】

『素敵な話と素敵な言葉に出会える作品』です(^^ゞ。

こんなにも素晴らしい作品を作ってくれた作者様に対して、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

点数的には

100点

です。

 

私はこの作品を一生読み続けると思います。

この作品との出会いは、私の人生にとって多くのかけがえのないプラスをもたらしてくれました。

多くの人に読んでいただきたい傑作であると思います。
 

 

では、ここまで。

 

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