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伊関友伸のブログ
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です。


いつもありがとうございます。





(開業医は)

>ありていに言えば

>「もっと腕を磨き、もっと汗をかけ」










毎日新聞は


厚労省と同様に


”開業医は24時間働け”


と言っているんですね。


労働基準法を越えてでも。







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社説:在宅医療 往診する開業医を増やそう
毎日新聞 2007年5月6日 0時53分

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070506k0000m070113000c.html

 来年度から医療構造が様変わりしそうだ。専門治療は大病院で行い、開業医(診療所)は「かかりつけ医」として24時間体制で患者を診る。厚生労働省がこの機能分担を進めようとしている。狙い通り実現すると、医療現場で起きている課題のいくつかは解決へ向かうかもしれない。

 大病院での「待ち時間数時間、診察数分」というばかげた事態はなくなる。勤務医や看護師は過重労働から解放され、医療ミスも減る。小児科や産科の医師不足も解消されそうだ。こんな良いことばかり思い描いてしまう。

 もちろん、厚労省の狙いは金のかかる入院を減らし、在宅医療を促して総医療費を抑制することにある。でも、駅前のビルに診療所を構え、9時~5時の時間帯で外来患者しか診ない医師よりも、往診に出向き、みとりを含め患者や家族の相談にのってくれる「かかりつけ医」がたくさん増えるのは歓迎だ。高齢社会もそんな医師を求めている。

 厚労省は、この方向に誘導するための施策も用意している。24時間体制で往診に応じる開業医には診療報酬を手厚くし、外来だけに特化し往診に取り組まない医師の報酬は抑え込むことにしている。金だけでなく公的資格も与える。複数の疾患を持つ患者を一人で総合的に診察できる開業医を「総合医」として認定、技量、能力にお墨付きを与える。

 わが国の医学教育は臓器別専門医を養成してきた。今後、専門医が開業する場合、総合的な診察ができるように研修制度を設けたり、研修医段階から総合医の養成システムを構築するという。

 開業医は1次医療を担い、必要に応じて病院や老健施設を紹介する。大病院は開業医から紹介された人や急性期の患者を受け持つ。こうした「すみわけ」は何も目新しいことではないが、欧米に比べ日本は取り組みが遅れた。

 成否のカギを握るのは、開業医である。

ありていに言えば

「もっと腕を磨き、もっと汗をかけ」

というメッセージにどう応えてくれるかにかかっている。私たちが理想とする開業医とは、地域の人びとから信頼され、往診や夜間診療をいとわず、切り傷、風邪からがんの早期発見まで幅広く対応できる人だ。

 患者側の意識変革も必要だ。ちょっと頭痛がするだけで大病院へ行きたがる傾向がある。原因がわからないので迷った末、診療科もそろい、24時間対応、専門性が高い病院を選んでしまう。病院が1次医療をしないとなれば、私たちは良い「かかりつけ医」を選ぶしかないのである。発想を切り替えなければならない。

 在宅重視への構造変革は日本医師会などの協力がなければ絵に描いたモチに終わる。厚労省も仕組みを号令するだけでなく、医療現場の声に耳を傾けるきめ細かい心配りが必要だ。政策官庁と現場の信頼が崩れると、迷惑をこうむるのは患者である。なるほど変わって良かったというシステムをみんなの力で築いていきたい。

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この社説で毎日新聞は、


1.開業医が個人事業主で


労働基準法が適応されないのを良いことに


24時間365日の過重労働させろ、と主張している。



2.在宅介護の制度が全く整わないまま、


患者さんを病院から追い出し、


御家族と、往診の医師、看護師に丸投げすることを


進めている。








ということを会社として


明確に打ち出している点で


とても恐ろしい社説です。














開業医は


個人事業主です。


いわば個人事業の


会社社長です。






社長しか医師免許はなく、


24時間体制をとれ、


ということは


社長に


「24時間コンビニ体制で仕事をしろ」


という事です。





>24時間体制で往診に応じる開業医には診療報酬を手厚くし、

>外来だけに特化し往診に取り組まない医師の報酬は抑え込むことにしている。


しかも、


「これに不服な医師は


兵糧攻めにして、


従わないやつは


医療費を


大幅減額させてやる」


と言っているのです。







万が一、


開業医が体を壊して


往診できなくなったら


どうするのでしょう?






例えば、


僻地でたった一人で


やっている内科医が、


あらたに往診も始めたらどうなりますか?





多分、


24時間


死ぬほどコールが来るでしょう。






体を壊すほど患者から


夜も昼も電話がなりっぱなし。


これじゃあ本来の仕事ができないから、


と、昼だけの体制をとると


「往診できない医師は、大幅減額!」


として窮地に立たされるわけです。







>大病院での「待ち時間数時間、診察数分」というばかげた事態はなくなる。



ええと、毎日さん


ぶっちゃけ、


バカですか?


と言っていいですか?






良く分かっていないようですから


説明しますが、


これは世界的にも


「本当に素晴らしいシステム」


なんです。





フリーアクセスシステムと言って、


アメリカやイギリスなど


他の外国では「厳しく制限されている」システムです。









アメリカでは、


かかりつけ医が決められており、


医療費をだす保険会社が


「この病気の場合は、これだけ薬を使って


ダメなら手術」とか


「大病院に行くのは、かかりつけ医の手紙が必要」


という前提があるのです。





アメリカでは、


手紙がなければ


何時間待っても、診てくれませんよ。





そして、


かかりつ医も、


予約を取るとたいてい


「数週間待ち」です。







私の知り合いの、東欧から来た医師は、


自分で「手術適応だ」と思う病気になっても


「保険会社がこの薬を3ヶ月内服してから


でないと、大きな病院にも紹介できないし


手術も出来ない」


といわれ、


「アメリカの保険会社制度はロシア以下だ!」


と激怒していました。





いいですか?


3-4時間待てば、


好きな病院に


似たような金額でかかれるのは


日本ぐらいなものです。


素晴らしいシステムなんです。





そんな「日本みたいな無駄なことをしたら」


医療はつぶれるので、諸外国では


金額や紹介による


「アクセス制限」をしているのです。






もちろん、フリーアクセスは


アメリカでも可能ですが、


「アメリカではすべての職業に


大金持ち用と貧乏人用の入り口がある」


と言われており、


医療のフリーアクセスには


ものすごい金額が必要です。







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そして、


在宅医療は一般の


皆さんが考えているより


はるかにきついものです。







たまに医師が往診に来て、


たまに看護師さんが訪問看護してくれます。





でも


点滴はずっと入っている間、


だれか家族はいなくてはいけません。





夜は3時間おきに


体の向きを変えないと


大きな褥創(床ずれの大きなヤツ)が


できます。





ご飯も食べられたり


食べられなかったり。




急に熱が上がったり、


むせて肺炎になったり、


おしっこが出なくなったり、


逆に失禁したり。










そして


いつ終わるのか


分かりません。




往診に出向き、みとりを含め患者や家族の相談にのってくれる「かかりつけ医」がたくさん増えるのは歓迎だ。

>高齢社会もそんな医師を求めている。

ほんとうに求めているんですか?



多分これを導入すると、大変です。


●ベット数が半減するので、半分の患者さんが「強制的に」家に帰される。


●ベットがないので、入院できる条件は、今まで以上に条件が厳しくなる。


●入院するまでの期間が延長する。

(場合によってはイギリスのように病気が進行し手術不能になることも起きる)


●入院できる、出来ないで患者さんと医師でトラブル、ケンカになる。



だって、


病院の入院数を


半減させる


と、厚労省が言っている訳ですから。


当然こうなります。



そして、


これは「ベット数の減少」という


厚労省の政治的な問題

にもかかわらず、


「医師 VS 患者、家族」


という構図がさらに進むでしょう。






「何で入院させられないんだ!!」


「ベットが空いてないし、入院するレヴェルじゃありません」


なんてケンカが、日常茶飯事になるのが


目に浮かぶようです。





その後、患者さんが急変なんかしたりでもしたら、


マスコミは速攻、


「医師、家族の入院希望を断る」


とか言う見出しが飛び交うでしょう。





社説で


「在宅医療 往診する開業医を増やそう」


と主張することは、


「入院可能な病院、病床が半分になり


患者が追い出される」


「いままで医療費でやっていた事が


全額自費の、自宅介護に置き換わる」



それを、毎日新聞が


了解し、会社として推し進める、


ということなんです。




分かっていますか?毎日新聞さん?









>成否のカギを握るのは、開業医である。

>ありていに言えば

>「もっと腕を磨き、もっと汗をかけ」

>というメッセージにどう応えてくれるかにかかっている。





何を言っているんですか?


「もっと腕を磨き」とは、


現在の開業医のレヴェルが低い、


と言う前提なんでしょうか?


これは、毎日新聞が


日本の開業医に


「ケンカを売っている」


という事ですか?




新聞社の社説がこれでは


毎日新聞は


「腕を磨いた方が良い」と心底思います。





「もっと汗をかけ」


とはどういうことなんでしょうか?


社長、個人事業主には労働基準法が


適応されないから、


労働基準法を守っている、


通常の開業医の


>9時~5時の時間帯で外来患者しか診ない医師


より


労働基準法を超える


24時間、365日体制で働くべきだ、


と言うのが毎日新聞の主徴ですか?





「もっと汗をかけ」


というのは毎日新聞の方なのでは


ないでしょうか?







新聞、テレビは


連日、バス会社の


運転手過労を報道していましたが、


医師は24時間体制で


「もっと汗をかけ」と


毎日新聞は主張されると。








あまりのバカさ加減に


あきれて物も言えません。











まず、


マスコミと厚労省が


最初に試験的に、


自宅介護、


往診システム


を導入してみてください。


社会が望んでいるんでしょ?


自らがまず実践していただかないと。