40歳目前で恋を知った男の話【10】 | 食べて飲んだら今日も楽しい

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小さい時の夢はコックさんだった、美味しい賄いが食べ放題だと思っていたからだけど。

『冴えない男が手の届かない憧れの美女とデートにこぎつけるまで。』

 

 

 

 

デート!

デート!

初デート!

葛飾の花火大会!

寅さんのところね。

 

 

 

葛飾と葛西を勘違いして

葛西臨海公園集合ですか?

と聞いてしまったり

少し車が詰まるとイライラしてしまったり

そりゃまぁ色々テンパります。

 

 

テンパりながらも

この日決めていたことがある

 

 

フェラーリちゃんを最高にお姫様扱いをする!

そして花火鑑賞は決して邪魔しない!

そう!まるで執事のように横にいる!

 

 

当然執事ですから手をだしたりしてはいけません。

フェラーリちゃんが欲する事を先回り出来るように

常に見ているけどそれがバレないよう最新の注意を払う。

ズーッと見てたら気持ち悪いじゃん(笑)

 

 

そして初めて二人っきりで会う。

 

 

すこし時間に遅れて着いた俺。

集合場所に向かうとき

ヘッドホンで音楽を聞きながら

携帯の画面を見るために下を向いていた

 

 

こんばんは!といきなり現れたフェラーリちゃん。

 

 

ピカチュウ出てきた!

と思ったら天使だった!

 

 

しかし挨拶を終えると

何を話していいか全くわかりません!

何を話していいかなんて全くわかりません!

 

 

だれか俺にフェラーリちゃん攻略本を下さい!

 

 

歩いていれば何か話でも出てくるか?

と思ったのも束の間。

無常にも踏切がなかなか開かない。

会話のない開かずの踏切ほど怖いものはない。

 

 

俺の心の中はこんな感じ

 

あーなんか話さないとな

でも面白いこと言えないしな

黙ってたらつまんない奴とか思われないかな~

踏切ながいなぁ~

あーなんか話さないとな

でも俺の話面白くないって思われて嫌われたらいやだな~

変なこと聞いて嫌われるの嫌だな~

踏切ながいなぁ~

フェラーリちゃん重そうに買い物袋もってるなぁ~

たぶん食べ物とか買っといてくれたんだろうなぁ~

持つって言った方がいいかなぁ~

本当にフェラーリちゃんとのふたりきりなんだな~

夢かな~

ってか踏切ながくね!?

 

 

耐え難き沈黙を耐え

ようやく踏み切りが開く。

 

 

そして歩き出しても話題なんて出てこない

そんな時、大好きなアーティストが助けてくれる。

 

その日俺は

電気グルーヴのTシャツを着ていたんだ

本当はフジロック最終日に

電気グルーヴが出るから着ようと思っていたんだけど

なんだか最終日は他のTシャツを着て一日過ごしたんだ。

 

「フジロック行ってたんでしょ~電気グルーヴ出てたね!」とフェラーリちゃん

 

(電気グルーヴのTシャツを指差しながら)「電気グルーヴ!大好き!」俺が言う。

 

「わたし瀧さんと飲みの席でご一緒したことあるよ~」とフェラーリちゃん。

 

まじかー

ありがとう電気グルーヴ!

ありがとうピエール瀧!

 

一生ついていきます!

 

瀧さんの話を聞きまくる俺。

他に聞く事あるだろうに…

 

 

そんなこんなで花火会場に到着

着いたのが遅かったから会場は人でいっぱい。

 

 

フェラーリちゃんが2人座れる場所をサッと見つけて座る。

そんなフェラーリちゃんに胸キュン。

 

 

そして空はあいにくの雨模様。

 

 

しかし!雨を予想して俺は

自分の持っている雨装備を全て持ってきている。

上下別の雨具と簡単に羽織れるポンチョ!

 

 

俺は濡れても良い覚悟で

すべてフェラーリちゃんに捧ぐ装備!

自分はタオル3枚でしのぐ

 

 

花火を見ている時間は夢のようだったなぁ~

 

 

葛飾の花火大会はテーマ別になっていて

次のテーマに行くまでに間隔があいてたんだ

花火鑑賞を邪魔することなんかできない俺は

間隔を見計らって話しかけたんだ。

 

 

なぜならフェラーリを一撃で落とすことが出来る秘策を用意していたのだ。

 

 

濱谷「横浜で船から花火大会見るんですけど、8月2日暇ですか?」

 

 

どうだ!フェラーリ!

 

 

フェラーリちゃん「う~ん、そこは鳥取に帰省中だから行けない。」

 

 

会心の仕込みはあっさりと闇の彼方へ。

そして俺の心は砕け散る。

 

 

その後はフェラーリちゃんの邪魔をしない!を全開!

 

 

雨は大丈夫か?

何か欲しい物はないか?

フェラーリちゃんが買ってきたものだけど!

なにか取ろうとはしてないか?

フェラーリちゃんが買ってきたものだけど!

 

決してバレないように!

多分バレバレだけど、それでいいのだ。

 

そしてしっかり自分も花火を楽しむ。

 

花火もフィナーレを迎え

フェラーリちゃんの買ってきてくれた

お酒を飲んだ俺は

緩んでお話出来るようになる。

 

混んでる駅を避け一駅歩く間

きちんとお話出来てたと思う。

気のせいかもしれないけどね!

 

そしてグーグル先生に

駅までの道を聞くも迷う俺。

呆れたフェラーリちゃんが道案内。

ついて行く俺。

 

一緒にまだまだ居たいけど

近づく終電。

 

駅までたどり着くと

ホームに滑り込んで来る電車。

 

それに乗り込む2人。

もうすぐ乗り換え駅がやってくる。

 

やはり言葉は少なめ。

 

船からの花火断られた俺は

次の約束をしたいけど

脳みそはまったく動かない。

 

そっか!フェラーリちゃんが好きそうな事

ほとんど聞いてないじゃん!

そりゃ何も出てこないはずだ。

 

唯一好きなのが判明しているのが花火。

 

しかし、船からの花火を

断られないと思っていた俺は

大きな花火大会を調べていない。

調べておけよって感じですが。

 

散々迷った挙句

最終的に出た言葉が

 

 

 

 

 

またBeトレで!

 

 

 

 

ヘタレ全開!

 

 

 

 

 

後日聞いたんだけどフェラーリちゃんは

次の日風邪をひいてしまったらしい。

 

 

一生の不覚!

 

 

やべ!そういえば

フェラーリちゃんが買ってきてくれた物のお金払ってないや!

 

 

一生の不覚!

 

 

 

続く!

 

 

 

 

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