墓石の原価率は1割強!? 正しい業者の選び方 | お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

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墓石の原価率は1割強!? 正しい業者の選び方


プレジデント 2009年8.31号より

臨済宗老師・ジャーナリスト 井上暉堂=文



今まで「指定業者制度」についていろいろ書いてきましたが、具体的な事を書いてはきませんでした。良い石材店を探す前に良い民営墓地を探すのが一番だと言ってきましたが、一般の方に分かるはずもありません。

どうしても活字には出来ない事もあるので、いろいろメディアに書かれた事に対して解説をしながら私なりの説明をしたいと思います。

この記事と図では墓石の原価が10~15%という記述がありますが、これは極端な例です。普通の商売なら原価30%、仕入れが50~60%です。お墓も同じです。

記事を読む前に上記の事を理解してから読んで下さい。


石材店が儲かる「指定制度」とは?


記事を引用して、注釈をつけました。
黒字が記事からの引用で、緑が私の見解です。

墓の値段はとかく不透明で、一般人にはわかりづらいものだ。墓石の種類やその値段などに詳しい人などまずいない。さらに、霊園や寺院が指定した石材店からしか購入できない「指定石材店制度」の存在が不透明さを増幅している。商慣習にすぎないのだが、大半の霊園がこのやり方を採っているから競争原理が働かない。石材店にとって、こんなにうまい話はない。

私は企業努力だと思っているのですが、一般の方からすれば腑に落ちない箇所もあるかと思います。問題は各霊園において規則が違ったり、急に制度が変更されたりする事です。霊園選びのポイントの一つは契約書の内容をしっかり確認する事です。


昨今、急ピッチで開発が進んだ民間霊園が供給過剰となり、行政が新たな霊園開発を認めない事態にまで発展した。過当競争時代に突入し、価格はかなり下げているという。それでも石材店が儲かるというこの仕組みについて、まず一般的な墓の値段から見ていこう。

都心では絶対的な墓地不足で行政が公営墓地を作らなかった事によって民営墓地が開発されたのだと思います。公営墓地は自治体が違えば(住民票がないと)墓地は求められないというところがほとんどです。それで民営墓地が開発されたわけですが、墓地と言っても不動産なわけですから失敗の例もあるようです。


墓の値段は、墓石・工事費用、永代使用料、管理費の3つで構成される。永代使用料とは、墓用の土地を使用する権利を指す。売買などはできず、墓地を返すときにはお金は戻ってこない。首都圏の民間霊園で、0.8平方メートルの土地に一般的な墓を建てたとき、墓石・工事費用は石の種類にもよるが120万~200万円が相場だ。

0.8平方メートルとはかなり狭い墓地です。ただ3平方メートル以下の場合は単純に石の価格というわけにもいきません。基礎工事も施工もすることは同じです。生コンの量が少しすくないくらいで仕事は同じなのです。だから小さい墓地の場合は割高になります。これは地方でも同じです。


さらに永代使用料150万円、年間1万~1万5000円の管理費が追加され、トータルで271万~351.5万円くらいが目安となる。高いか安いかは人それぞれの懐具合によるが、販売する石材店側に立って利益構造を見れば、その姿は大きく違ってくる。

永代使用料と管理料はこちらの記事のように決めつけての判断はできません。都心やその近郊の土地であれば地方の何倍、何十倍の価格です。場所によっても土地の値段が違います。この記事のような0.8平方メートルで150万円というのは判断基準にはなりますが、それが全てではないと思います。


首都圏の複数の石材店関係者の話を総合すると、原材料費としての墓石の原価は、販売価格のわずか10.15%程度という。ここに霊園開発にかかった費用が上乗せされ、値段がつり上げられていく。

原価率10%とは通常では考えられませんが、都会ではそういうスタイルになってしまったので仕方がないんじゃないでしょうか?仏事や葬祭にかかる費用は地方の数倍ですし、霊園開発での費用も莫大なものになります。永代使用料が高すぎると消費者は敬遠してしまうので、永代使用料を抑えてその分をお墓本体に乗せるというやり方が多いのはそれが理由だと思います。地方の家族でやってる石材店の中には原価率が40~50%というところもあります。それは地域の格差というしかないですね。


またこの費用の中には、寺院など宗教法人への手数料が含まれている。普通、霊園開発は開発業者と石材店が主体となって執り行われるが、霊園の運営母体は非営利事業者でなければならないから、開発業者や石材店は母体になりえない。そこで、手数料を払って寺院などに名義を貸してもらうのだ。

お寺の経営はすべて「お布施」です。瓦の葺き替え、外壁の修理、参道の石道の修理などすべてお布施からまかなわれます。お墓に上乗せという言葉だと聞こえは悪いのですが、それはお布施と考えたほうがいいです。お寺の経営が「お布施」により成り立っている以上仕方がない事ではないでしょうか。


驚いたことに、この原材料費や開発費を差し引いても、なお40~50%が利益となる勘定だ。それなりに条件のよい霊園ならば、この指定石材店制度の中でかなりの利益を挙げているのが現状だろう。この仕組みにより、購入者は開発に要した値段を上乗せされ、多額の利益まで加えられた高い墓を購入させられているわけだ。

都会の民営墓地で指定業者が複数決められてる場合は応対した石材店が自動的に担当になります。相見積もりも取れません。しかし経費すべてを引いて40~50%が利益という事は通常あり得ません。ただこのような記事に書かれてるという事はそういう業者が存在するという事です。困りますね。


では、可能な限り費用を抑えるにはどうすればよいだろうか。複数の霊園から“アイミツ”をとるのも手だろう。

だが、ここでも注意が必要だ。購入者の無知につけ込んで、安い墓石を高く販売する石材店が、中にはある。

これについて書いた記事がいくつかありますので、文末に関連記事として記しておきますので確認してください。ただどれだけ霊園をまわってもどれだけ石材店をまわってもハッキリとした答えが出ないかもしれません。一般の方に判断できるほど簡単ではありません。


現在、流通している墓石の8割が中国製の石で、決して品質が悪いわけではないが、加工のための人件費が低いので値段は安い。しかし、そ知らぬふりで高く売りつける石材店も案外多い。高級な墓石のケースでは、産地証明書を見せてもらうのも手だ。石材店に保証書を求めることも大切。優良な石材店ならば、10年程度の長期保証書を添えてくるもの。もし拒絶されたら、別の霊園に代えたほうがよさそうだ。

産地証明すら偽造したという事件もありました。いったい消費者は何を信じたらいいのでしょう?


墓・霊園にもいくつかのジャンルがある。特定の宗派の檀家であれば、昔からの寺院墓地。出費を控えたいなら、競争率こそ高いが、自治体が運営している公営墓地がよい。墓の姿が変わり始めている。費用を抑えたい、継承者がいないなど理由は様々だが、慣習や形式にとらわれる意識が薄らいでいることは確かなようだ。

※すべて雑誌掲載当時

お墓を建てようと考えてる方の状況がひとりひとり全て違います。宗派、跡継ぎ、住んでるところなどお墓を建てる時に考えなきゃならない事はたくさんあります。文中に公営墓地が良いと書いてありますが、公営墓地が手に入らないからこそ消費者は悩むのです。

結局いつも同じ結論になってしまうのですが。


いぜん取り上げた東洋経済の記事も最後は記事の監修に協力した石材店よりの方向にもっていかれました。これは公正とは言えるのでしょうか?石材業界の裏側などと定期的にいろんなマスコミが取り上げていますが、汚い業界は山ほどあります。世の中で「裏」が無い業界などありません。

ただどの業界にも言える事ですが、本当に信頼できる店や会社があります。しかしそれは中々見つける事が出来ません。お墓の購入者が参考にしたのは石材店のアドバイスが60%だという事からも分かるように調べていないからです。

お墓を購入するのにインターネットで調べる人は僅か6.9%です。これでは良い石材店をどうやって見つけるつもりですか?と聞いてみたいくらいです。最終的には石材店と話をして決めなくてはいけませんが、事前の準備くらいはしておいた方がいいと思います。
結局この記事には「正しい業者の選び方」についてのノウハウはぜんぜんありませんでしたから。
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