【3日目】
昼食は、プールサイドのテラスでいただくことにした。
ミネストローネ
どれも美味しい。
特に、豆のアイスは瑞々しく、コクがあり、周りのタピオカとスイカが、美味しさを一層引き立たせている。
◇
昼食を済ませた後、目の前の海と一体化したように見えるプールで少し泳いだ。
よく見ると、プールサイドには日焼け目的の欧米人がまったりと過ごしている。
欧米人たちは、ガチで泳ぐというよりも、少したしなむ程度に泳ぎ、後はずっとパラソルの下で横になっているのだ。
我々も休憩しようと、ベンチに寝そべり始めると…
どこからともなく、ピチピチの水泳帽をかぶった、日本人男性が姿を現した。
泳ぐ気満々だ…。
「そこにプールがあるなら、全力で泳ぎます!!」
という姿勢は、実に日本人らしかった。
帽子がピチピチだったので、我々はその男を、『ピチピチおやじ』と呼ぶことにした。
予想通り、そのピチピチおやじは泳ぎ始めた。
ゆっくりとクロールで、プールの端から端まで往復している。
プールサイドの静寂を、ただこのピチピチおやじだけが、破っていた。
なんだか彼の往復している様子が、振り子時計のようで、眠気が誘われた。
まだまだハシャギ足りないダーリンをよそに、私は一眠りすることにした。
―40分後
無料で配られたココナッツアイスクリームの気配を感じて、目を覚ます。
夢と現実の境で、ぼーっとしながらアイスにかじりつく。
アイスの冷たさで、周囲のぼんやりとしていたものがはっきりし、バシャバシャという水音も聞こえるようになった。
何と、あのピチピチおやじは、まだ泳いでいるではないか!!
「ねぇ!ピチピチおやじ、私が寝ていた時も泳いでたの?」
「そうだよ…さっきから休まず…。」
「死んじゃうよー!ダーリン止めて来てあげて~!」
「…このままだと、インド洋から日本海までの距離を泳いでしまいそうだ・・・。」
ピチピチおやじは、その後も泳ぎ続け、私たちは心配しながらも、話のネタになると、ビデオ撮影に励むのであった。
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