リフレックス発売準備中
ミルタザピンのエントリは過去ログで4回アップしているが、それ以外のログにも断片的に紹介している。前回のエントリでは明治製菓は9月頃に発売を予定していたが、シェリング・プラウにオルガノンが吸収されたため、発売が遅れるのではないか?と意見を書いている。
ところが、この度、無事リフレックスは製造承認され、どうやら2009年9月末には発売されるようである。(明治製菓のMRさんの話)上は明治製菓によるリフレックス15㎎錠のパンフレットである。「発売準備中」というフレーズが書かれているのに少しびっくり。明治製菓がいかにこの薬にかけているかがわかる。
過去ログの「IT従事者のうつ状態」で、現在の新しい抗うつ剤の世界ランキングをアップしているのでここで再掲する。
有効性の指標による抗うつ剤の世界ランキング(最も良い治療である可能性(%))
①ミルタザピン(レメロン) 24.4
②エスシタロプラム(レクサプロ) 23.7
③ベンラファキシン(エフェクサー) 22.3
④セルトラリン(ジェイゾロフト) 20.3
⑤シタロプラム(セレクサ) 3.4
⑥ミルナシプラン(トレドミン) 2.7
⑦ブプロピオン(ウエルブトリン) 2.0
⑧デュロキセチン(シンバルタ) 0.9
⑨フルボキサミン(デプロメール) 0.7
⑩パロキセチン(パキシル) 0.1
⑪フルオキセチン(プロザック) 0.0
⑫レボキセチン(Davedax) 0.0
受容率(忍容性)の指標による抗うつ剤の世界ランキング(最も良い治療である可能性(%))
①エスシタロプラム(レクサプロ) 27.6
②セルトラリン(ジェイゾロフト) 21.3
③ブプロピオン(ウエルブトリン) 19.3
④シタロプラム(セレクサ) 18.7
⑤ミルナシプラン(トレドミン) 7.1
⑥ミルタザピン(レメロン) 4.4
⑦フルオキセチン(プロザック) 3.4
⑧ベンラファキシン(エフェクサー) 0.9
⑨デュロキセチン(シンバルタ) 0.7
⑩フルボキサミン(デプロメール) 0.4
⑪パロキセチン(パキシル) 0.2
⑫レボキセチン(Davedax) 0.1
この表のソースだが、2009年のLancetによる。元々、12の比較的新しい薬の相対的な評価であり、古い薬物、例えばアナフラニールやアンプリットは対象に入っていないことに注意。青くハイライトした薬剤は日本で発売されているものである。12のうち4つしかないので、このランキングは日本人を対象にした研究はわずかしか含まれていない。
上でレメロンという商品名は海外のもので、日本の明治製菓はリフレックスの名前で発売する。シェリング・プラウも併売すればたぶんレメロンになると思われる。つまり、デプロメールとルボックスといった感じである。
リフレックス(ミルタザピン)は、日本で初めてプラセボ対照比較試験においてプラセボ群に対して優越性を検証した抗うつ剤である。これは当たり前のように思うだろうが、比較試験ではプラセボが効きすぎるため、こういう風に有意差をはっきり認めるのは案外難しいのである。もちろん有意差が出ないから、ダメな薬と言うわけでは決してない。その証拠にジェイゾロフトは治験時は不調であったが、かなり上位にランキングされている。いかにこの試験が難しいかがわかる。
「日本未発売の向精神薬と催奇形性の話」から
アメリカで発売されているレメロンは剤型は15、30、45mgの3剤型という不思議な数字になっている。維持量は15mg~45mgとされているが、こういう用量は日本人では下がることが多い。日本での剤型は10と20mgか、10mg以下の剤型が発売される可能性すらある。アメリカのレメロンのカテゴリーは4環系抗うつ剤となっている。
ミルタザピンの催奇形性ランキングはCである。
The Reflex(Duran Duran)全然関係ないけど、Duran Duranのリフレックスをアップしてみた。
Save A Prayer (Duran Duran)Save A Prayerは傑作。(>>2003 Digital Remaster)
Girls On Film(Duran Duran)この曲は邦題が「グラビアの美少女」か美女かそんな風だった。結構気にいっていた曲。
参考
ミルタザピン
ミルタザピンの話
リフレックス
シェリング・プラウとレメロン
日本未発売の向精神薬と催奇形性の話