リフレックス

来年早々くらいに NaSSAの１つ、ミルタザピンが発売になるらしい。過去ログにも少し出てくるが、NaSSAはNoradrenergic　and Specific Serotonergic Antidepressantの頭文字をとったもので、日本風に言えば、「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬」と言った感じでしょうか？

オランダで1994年に発売され、以後60ヶ国以上で既に発売されている。オランダやアメリカでの商品名は「レメロン」であるが、明治製菓では「リフレックス」と言う商品名に内定しているらしい。似ている薬物がある場合は変更される可能性もある。まあ、エビリファイ（アビリファイ）やジェイゾロフト（ゾロフト）のようなものである。

これはひょっとしたら、日本オルガノンでは従来どおりレメロンで明治製菓ではリフレックスという併売という感じになるのではないかな？　デプロメールとルボックスの関係のように。

アメリカではレメロンはうつ状態、うつ病にしか適応がない。催奇形性はCとなっておりこれはまあまあだ（参考）。剤型はアメリカでは、15mg、30mg、45mgの3通りある。15mgくらいから始めるらしい。この薬の特徴は効果の立ち上がりが早いこと。安全なトリプタノールと言った感じの薬らしい。

ポイントはSSRIで希死念慮が酷くなるような人には向いているということ。

ミルタザピンは元々テトラミドから派生した薬であり構造式的には4環系になっている。だから古典的には4環系抗うつ剤と言えるのだと思う。ミルタザピンはむしろセロトニン２Aレセプターを遮断するタイプなので、性機能障害などが出現しにくいし、個人的にはこの部分が希死念慮のある人に良いのではないかと思う（参考）。

治験ではパキシルやトリプタノールと抗うつ効果は遜色がないらしい。もしこれが本当ならば、テトラミドよりはずっと良い。この薬、世界で60ヶ国以上で発売されているのに、オルガノンによれば700億台しか売り上げがない。これはオルガノンにとっては非常に大きいが、世界全体でこの程度なのはそこまで処方されているとはいえない。パキシルなんて、日本だけで500億とかそのくらいなのに。いまいち、迫力がないよなぁ・・

ま、いっか。
日本人はSSRIよりはこういう薬の方が合っているように思うし。

リフレックスといえば、デュラン・デュランというロックグループにそういう名前の曲があった・・「ザ・リフレックス」だけど。

デュラン・デュランの最高の名曲はやはり「セイブ・ア・プレーヤー」だよね。しかし、今の人はデュラン・デュランなど知らないかもしれないね。今も解散はしてないのだけど。