D美子のお話・その5です
その1.新人
その2.D美子の初日
その3.1,000円
朝、D美子に話し掛けられた
「あのぉ・・・千円貸してくれた人ですよね?」
・・・
そうです千円貸した人です
初日
に自己紹介したけど、名前と顔を覚えてもらえていないようだ
D美子の中で、私は「千円の人」と化しているようだ
「きのう、早退したので・・・今日は朝からお返しします。」
ありがとう、のお礼もなく、千円を渡された
千円は500円玉1つと100円玉5つ・・・
千円に変わりはないけど、普通、借りたら千円札で返さない
もーう、私の財布は小銭でじゃらじゃらよ
それに
朝からお返ししますって・・・
また唖然としてしまったが、「○○くるみと申します!席はそこです!よろしくお願いします」と言った。
私はD美子に名前と顔を覚えてもらおうという目標が一瞬にして立った
とりあえず、千円は返してもらえた
でも、お金を貸すなんてやらなきゃよかった
あの時
、私は咄嗟に貸してしまった。
千円と少額だけど金額の問題じゃなくて、ほぼ初対面の人にお金を貸して、こんな後味が悪い思いをするとは・・・。
本当に後悔した
前日
に●●さんと▲▲さんは部長に相談したそうだ。
そして、部長はD美子にしばらくの間、研修に出すことに決めたそうだ。
まずは社会人マナーの研修、そしてパソコンの研修に。
社会人マナー研修は1週間は出勤せずに、しばらく徹底的に受講するそうだ
しばらくは会わないことになる。
そして、パソコン研修は2週間、毎日午後から。
午前中は普通に出勤することになる。
この研修の手配をすることになった私
まぁ、前にお願いしたところに予約入れるだけなんだけど。
研修の場所の地図をD美子に渡した。
「あのぉ、マナー研修の先生って怖いんですかぁ?」
と聞かれた
うーん、ちょっと怖いけど・・・
(過去の記事はコチラ
)
でも本当に勉強になります、がんばってきてください、と伝えた。
その後1週間、しっかりとがんばってきたようだ
朝の挨拶をしてくれるようになった。
電話の対応もよくなったと●●さんが言っていた。
ただ、何か変なのだ・・・研修で身につけてきたことをセリフ口調のように振舞っている。
習ったことを一生懸命やっている感じ
だけど、D美子はすごく努力家であるような気はした
続いてパソコン研修
こちらも私が手配。
地図を渡しながら、研修の説明をした。
午後1時からだが移動の時間も考えて、かなり余裕を見てお昼もちゃんと取って、ということだったので、毎日11時には仕事を切り上げていいということにした。
仕事を切り上げて研修に行くこと・・・正直、羨ましい
仕事しないで、会社のお金で研修に行って、パソコンの基礎を学びに行く・・・
きっと得ること、身に付く事も多い。
彼女にとっては絶好の環境なんじゃないかとみんな囁いている
私もそう思う・・・
この日の11時、D美子がフロアを出ていく時に会ったので、「いってらっしゃい。」と声を掛けた。
2~3分後、私はG君と廊下にいた。
忘れ物をしたのかD美子がものすごい勢いで戻ってきて、また走って出て行った
ものすごいパニックになっている様子だった
あんなに必死な形相をしている人、久しぶりに見たというくらいパニックに陥っている様子だった
D美子はものすごい勢いで階段の方へ行った。
階段・・・ここ、20階以上の高層階なんだけど・・・
エレベーター使えばすぐに正面玄関から出れて駅直結だけど・・・
「階段、降りて行きましたよね!?」
G君もビックリ
まぁ~、エレベーター使おうが階段使おうが本人の自由だ・・・
午後になると●●さんと▲▲さんは安心した感じで仕事をしている
ところが問題がまた一つ
11時に仕事を切り上げていいと言っているのに、10時半には切り上げていたり
そして、私は・・・というより、みんな名前を覚えてもらえない、と嘆いていた。
部の人の名前を全然覚えようとしてくれない
電話の取り次ぎが一番大変だ
人事部に届いた郵便物をD美子は午前中に配ってくれるんだけど、私は5回中4回は違う人宛の郵便物を渡される
配る時に、D美子は座席表を持って配っているんだけど・・・
千円の人、覚えてもらえません
D美子ネタ、まだまだつづくよ
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