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この話は魔人様宅の、☆魔人ブログ3周年記念投網的リク罠☆
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そんなキョーコの様子をじっと見ていたジュリエナが徐に口を開いた。
「ねぇ、キョーコ。お腹空かない?」
「へ?」
「あっちにね、一流のパティシエが腕によりをかけて作られたスイーツが沢山あるから、一緒に頂きましょ?」
にっこり微笑む美の女神様に、世界的アクションスターも同意した。
「料理もうまいぞ!!美味しい料理は人を幸せにするからな。」
「あの、あの」
キョーコの返事を待たずに、ゴーイング・マイウェイな二人は、ビュッフェのある一角にキョーコを引きずって行くと、皿にあれこれ盛ると、「ほい。」とクーがキョーコにそれを差し出した。
ジュリエナも自分で皿に盛ると、キョーコの手を引き、「あっちに行きましょ。」とテラスのある方向に歩き出した。
相変わらずグラマラスな美女に取り囲まれてる蓮が気になるものの、「ふふふ。女同士の話をしましょ?」なんて唇に指を当て首を傾げて言う女神様に抗う術をキョーコは持っていなかった。
されるがままにテーブルに着き、クーが取り分けてくれた料理を一口食べた。
「あ、美味しい。こっちのお国柄、もっと油っこい肉料理が多いとばかり思ってましたけど、意外と野菜を使った料理も多いんですね。」
キョーコの独り言のような呟きにジュリエナは頷いた。
「油っこい肉料理を好む人間が多いのは否定出来ないわね。だけど、こっちの国でもやっぱり芸能界で活動している人間は栄養バランスやカロリーを気にするわよ。」
しばらく二人で美味しい料理に舌鼓を打ちながら楽しんでいると、これまた唐突にジュリエナが訊いて来た。
「キョーコは、ミスター・ツルガの事が好きなの?」
あまりにも度ストレートな質問にキョーコは危うく飲んでいたウーロン茶を噴き出しそうになった。
「ゲフッ。ゴフッ。な・・・・・なんですか、いきなり!!」
「あら、違うの?」
キョーコの抗議をスルーして、「あら?私の勘違いだったのかしら?でも確かにそうだと、私の第六感は告げてるんだけど・・・」としきりにジュリエナは首を捻っている。
しばらくは頑なに黙秘権を行使しようと思っていたキョーコだったが、昔、暑い夏の日に出会った男の子とそっくりの澄んだ碧い瞳で見つめられると、固い意志も砂山の如く脆くも崩れ去ってしまった。
「い・・え・・・・・違わなくはないんですが・・・・・」
「キョーコは彼のどこが好きなの?」
目の前で優しく微笑むジュリエナを見ていると、地獄まで誰にも言わないで持って行こうと決めたこの恋心を話してみようと思った。
「その、どこが、とは沢山ありすぎて一概に言えないんですが・・・・・常に演技に対して真摯に向き合っていて、自分にも他人にも厳しいところですね。
でも、厳しいとは言っても、本気で悩んでる相手にはそれとなく助言をしたり、励ましてくれるんです。かと思えば、食生活には無頓着で・・・・・」
愚痴が入りながらも、楽しそうに蓮の事を話すキョーコを見つめながら、(あのこは!!どうして、こんな良い子を不安にさせるような事をするの!!)と、ジュリエナは自分の息子に対して内心舌打ちをしていた。
《つづく》
最近、手土産と鞭持参で原稿の催促に編集チョーがいらっしゃってるので、缶詰される前に重い腰を上げて過去作品に着手してみました。←