それは誤解です14 | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

この話は魔人様宅の、☆魔人ブログ3周年記念投網的リク罠☆

 

30行脱出企画への参加作品です。

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

2人の元カノが自分の下に来たのを合図に、わらわらと過去付き合った彼女達が一斉に自分のところに押し寄せて来て、蓮は内心冷汗を掻いていた。

まさかこんな場所で元カノ達と遭遇するとは夢にも思わなかった。

いや、自分が付き合ってきた彼女たちは軒並みモデルや女優をしているので顔を合わせる可能性も一応は危惧していたのだが、ウィッグとカラコンをしているので流石の彼女達も分かるまいと蓮自身少々甘く見ていたのだ。

 

一番この状況を見られたくない最愛の少女の目の前での出来事である。

キョーコの様子はどうだろうかと様子をそっと伺うと、彼女は一点の曇り無き営業スマイルでじっと自分の方を見つめていた。

 

「・・・・・・・・・・!!」

 

キョーコの誤解(ではないのだが)を解こうと、蓮が足を踏み出した途端、元カノの一人が自慢の胸を蓮の腕にギュ~ッと押し付けてきた。

そして、それを振り払いたくても出来なかったのである。

骨の髄まで染み込んだクー譲りのフェミニストのDNAのせいで。

 

それを目撃したキョーコの顔は先ほどの営業スマイルからナツ仕様の氷の微笑を経て、今は能面のような顔をしている。

なんとかフォローを入れてもらおうと、キョーコらぶなクーとジュリエナの方に視線を向けると、こちらはキョーコ以上に冷ややかな視線で蓮を見つめていた。

 

(自分で蒔いた種だろう。自分で何とかしろ。)

(彼女たちにいい顔しまくった結果でしょ?自分で何とかなさいな。)

 

両親からの助けは絶望的だと悟った蓮はがっくり項垂れた。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

一方、この様子を離れた場所から見ていたキョーコは心穏やかではいられなかった。

 

二人のナイスバディの女性が蓮に近寄ったのを合図に、花に蝶が群がるように、蓮の周りにボン・キュッ・ボン(古っ)な美女たちが集まって来た。

それを見たキョーコは、自分の心の中に黒い感情が広がるのを抑えられなかった。

 

(一番敦賀さんの近くにいたと思っていたのは、やっぱり私の気のせいなんだわ。

敦賀さんもきっとショータローと同じように、私みたいに凹凸のない体をした地味な女よりも、スタイルも良くて綺麗な人たちの方が好きなんだわ。)

 

何か物言いたげに自分を見る蓮に気付いてはいたが、ダークムーンの頃より蓮への思慕の気持ちを募らせていたキョーコは、今の蓮を取り巻く状況を直視する自信がなかった。

本当は気持ちの赴くままに泣きたかった。けれど、キョーコは自分の恋心を地獄まで持って行くと強く決めたではないか。しかもここはパーティ会場である。

 

(笑え!笑うのよ、キョーコ!!こんな場所で泣いたりなんかしたら皆に変に思われるわ。)

 

そうして、キョーコは無理やり営業スマイルを顔に張り付けたのだが、それもすぐに無用に終わってしまった。

蓮を取り巻いている美女の一人がその豊満な胸をこれ見よがしに、蓮の腕に押し付けたのを見てしまったから。

何故か焦る蓮と、そんな蓮の反応を試すかのようにますます自分の胸を押し付ける美女。

 

営業スマイルだけでは自分の心をガードしきれないと判断したキョーコは、ナツ仕様の笑顔を経て、能面の様な顔でじっと蓮を見つめた。

 

この時はまだ、それが蓮にとってどれだけ致命傷になるかなんて、キョーコには知る由もなかった。

 

《つづく》

 

CD付いていない方のコミックスを買いました。

カバーの裏の四コマ漫画と折り返しのイラストに噴き出してしまいました。