それは誤解です4 | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

この話は、魔人様宅の


☆魔人ブログ3周年記念投網的リク罠☆


30行脱出企画 への参加作品です。


   


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


LMEの社長室には重苦しい空気が流れていた。


萎縮してしまっている娘と、高圧的な態度の母親。


そんな二人を見て、ローリィはどうしたものかと思案にふけた。


そんな中、冴菜が口を開いた。


「キョーコ。」


声を荒げるでもなく、ただキョーコの名前を呼んだだけなのにキョーコはビクリと肩を震わせた。


「宝田さんから話を聞いてるのでしょう?」


キョーコは頷いた。


「こんな恥ずかしい仕事やめなさい。今行ってる三流の学校も辞めて、進学校に転入し直しなさい。」


「恥ずかしいだなんて、それはお母さんの偏見よ!それに、私が行ってる学校も侮辱しないで!芸能活動も出来るようにと、社長が勧めてくれた学校なのよ。」


冴菜のあまりな言葉にキョーコは抗議した。更に、キョーコが言葉を紡ぐために口を開こうとした一瞬より先に、冴菜が再び口を開いてとんでもない要求をしてきた。


「それから、大学を卒業したら、この人と結婚をしなさい。」


そう言って、キョーコの前に封筒を置いた。


キョーコは一瞬何を言われたのか理解できなかった。


(け・・・・・・・っ・・・・・・・こん?誰と誰が?)


呆然としているキョーコを尻目に、冴菜は封筒から相手の釣書と見合い写真を出し、キョーコの方へと押しやった。


冴菜の言葉が理解できた瞬間、キョーコは、「嫌です。」と口走っていた。


幼い頃から、冴菜に振り向いてもらおうとどんな理不尽な要求にも健気にも耐えてきたキョーコだが、ここにきてきっぱりと拒絶の色を示した。


「あなたに拒否する権利なんてないわ。私の言う通りになさい。」


全く自分の言葉が通じない母親に、キョーコは背筋が寒くなった。

(ようやく敦賀さんへの思いを自覚したばかりなのに。この気持ちを無い事にすることなんて出来ない。せっかく大切に育ててきた敦賀さんへの想いを無視して、他の男性と結婚するなんて絶対にイヤ!!)


「私は、この男性とは結婚できません。」


キョーコが再度拒絶した時、バ~ンと言う荒々しくドアを開ける音に続いて、パシ~ンと何かを叩く音がした。


音のした方を見て、キョーコは呆気にとられた。


今、この場所にいるはずのない人物が鬼のような形相でそこに立っていたからだ。



《つづく》


新年早々、暗くて重い話ですみません~(><;)













写真には、かなりメタボ体型でメガネをかけ七三分の男性が写っていた。


釣書に書かれている年齢は28歳。職業は弁護士で、冴菜が立ち上げた法律事務所に所属していると書かれていた。