エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア
悪夢の中に住む殺人鬼フレディが夢を自在に操って人々を襲う恐怖を描いた『エルム街の悪夢 』シリーズの第6弾。原題の通り、一応の完結編。
【STORY】
未成年更正施設で精神科医として働くマギーのもとへ、記憶喪失で自分の名前も思い出させない少年が収容されてくる。ジョン・ドゥと呼ばれる少年は、自分がスプリングウッドという町の唯一の生き残りであるとうことと、自分は絶対に眠らないと主張する。彼はかつてエルム街の悪夢を体験し、その中で殺人鬼フレディ・クルーガーに襲われたという。夢の内容を聞いたマギーは、自分が見た悪夢に似ていることに気づく。彼女は悪夢の秘密を解くために、ジョンが話していたスプリングウッドへ向かうが…。
【REVIEW】
さて前作『エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド
』のレビューからかなりの時間が経過したが、ようやくこの作品の紹介。「FREDDY'S DEAD」の原題が示すように、シリーズとりあえずの完結編である。そう簡単に死ぬとは思えないが。
オハイオ州スプリングウッド。
動機不明の連続殺人と自殺で未成年者全滅。残された大人たちは集団で精神錯乱。未成年者1人生存か。
という、どえらい前置きで始まる。
その生存者の少年は、悪夢を見る。飛行機の床が外れて落下したり、家ごと空から落下したり。落下した先はエルム街1427番地。あの家の隣。そしてバスの乗ったフレディにスプリングウッドの外へはじき飛ばされ気を失う。
気づいた少年は記憶をなくしており、あてもなくさまようのである。
少年は未成年更正施設に保護される。この施設で精神科医として働くマギーが少年を診察する。少年はジョン・ドゥと呼ばれている。ジョン・ドゥとは、日本でいうところの「名無しのごんべえ」である。
この施設には、金持ちの息子だが素行不良でゲームマニアのスペンサー、親の虐待で耳が不自由になり補聴器を付けているカルロス、父親から性的虐待を受け自己防衛のためカンフーに熱中しているトレイシーが収容されていた。
ジョン・ドゥは、マギーに悪夢の話をする。その夢に出てくる場所はマギーが見た夢と同じ場所だった。少年の所有物の中にスプリングウッドの新聞記事の切り抜きが。この場所と夢には関係があると踏んだマギー。少年の謎と自分の謎を解くためにスプリングウッドへ向かうのである。
ついでに、かねてから脱出を目論んでいたスペンサー、カルロス、トレイシーがマギーの運転する車に忍び込んでいるという予定調和も発生している。
スプリングウッドに到着した5人。スプリングウッドでは町のカーニバルが開催されている。だが、なぜか子どもの姿はなく、大人たちの言動はどこかおかしい。
3人が忍び込んでいることに気づいたマギーは、3人にこの車に乗って帰れと告げる。いいのか?3人だけで帰しても?
しかし3人の運転する車は同じ所をグルグル回り続けて町を出ることができない。
3人は仕方なく、とある民間で一夜を明かすことに。
そう、その家こそがエルム街1428番地。1作目のナンシーの家である。エルム街はスプリングウッドにあったのである。
そんな家で一夜を明かそうとすれば、当然フレディ登場。
まんまと眠りはじめたカルロスは、夢の中でフレディ特製の補聴器を付けられる。この補聴器は異常に感度がいいようで、水のしたたる音も大音量に聞こえてしまう逸品。フレディの音攻撃に苦しむカルロス。黒板に爪を引っ掻いてキーキー鳴らす古典的な嫌がらせもはじめるフレディ。この音が嫌なのは万国共通らしい。度重なる音攻撃でカルロスは頭が破裂して死亡。
次はスペンサー。テレビゲームの中に入れられフレディが持つコントローラー通りに操られ死亡。
ちなみにここでは、1作目がデビュー作で伝説的な死に方をした、あのジョニー・デップがカメを出演している。ほんのちょっとだが。さすが完結編(当時)。
一方、マギーとジョンは謎を追いながらスプリングウッドの学校などを回っている。もろもろの情報からフレディには子どもがいたという後付けの事実をつかむのである。
ここでジョンが唐突に自分がフレディの子どもであると宣言。理由は悪夢でフレディから嫌がらせは受けたが殺されていないからとのこと。うーん。
トレイシーも合流して町を逃げ出すマギーとジョン。ここで襲いかかるフレディ。子どもを殺せるかと問うジョンに対してフレディは、俺の子どもは娘だ!という衝撃的な発言をする。
ジョンは子どもではなかった。そしてジョンあえなく死亡。ジョンって一体…。主役かと思っていたら、本名もわからないまま死亡。
なんとか逃げ出したマギーとトレイシー。だがマギーには隠された過去があった。マギーは実は養子だったのである。
そう。フレディの子どもはマギーだったのである。
ここからフレディの過去が明かされる。小動物を殺したりして育った少年時代、大人になって家庭を持つが子どもを殺しては地下室に隠していたらしい。それを妻に見つかり妻を惨殺。そして子どもを殺された親たちから報復として火あぶりの刑に処されるのである。娘(マギー)は養子に出される。
このときフレディは、邪悪なシーマンみたいな風貌の太古の邪神・夢魔の助けによって夢の中では不死身の身体を授かるのである。いわゆるひとつのフレディ誕生。
フレディの過去と誕生秘話が明らかにされたところで最終バトル。どうやらフレディを葬り去ることができるのは血のつながった娘だけらしい。
その娘がとった戦法とは・・・・、
ズバリ、フレディを現実世界に引きずり出して倒す!
残念ながら、これは1作目にすでに使用された作戦である。完結編なのに…。
しかし、まんまと現実世界に引きずり出されたフレディ。父娘の最終バトル。あえて現実世界で最終バトル。あのグローブを奪い合う、引っ張り合う。マギーはフレディのグローブを装着。父親譲りの攻撃。まんざらでもない様子。
そしてフレディあっさり敗れる。フレディ死亡。おしまい。
なんとあっさりとしたラスト。
これで本当にフレディは死んだのか?
この作品が気に入らなかったどうかは定かではないが、創造主ウェス・クレイヴンの手によってフレディは再び復活するのであった。
●関連作品・記事
『エルム街の悪夢
』
『エルム街の悪夢2 フレディの復讐
』
『エルム街の悪夢3 惨劇の館
』
『エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃
』
『エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド
』
『フレディVSジェイソン
』
【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★★★4
ジョン・ドゥ本名知りたい度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:FREDDY'S DEAD: THE FINAL NIGHTMARE
・製作年:1991年
・製作国:アメリカ
・監督:レイチェル・タラレイ
・製作:ロバート・シェイ、アーロン・ワーナー
・制作総指揮:マイケル・デ・ルカ
・脚本:マイケル・デ・ルカ
・原案:レイチェル・タラレイ
・出演: ロバート・イングランド、リサ・ゼイン、ション・グリーンブラット、レズリー・ディーン、リッキー・ディーン・ローガン、ブレッキン・メイヤー、ヤフェット・コットー、エリノア・ドナヒュー、トム・アーノルド、ロザンヌ・バー
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