左から、「絣(かすり)」、「絞り」、「織り」で作られた布たち。
・「絣」の布は、1850年代にインドのグジャラート地方で作られたもの。
インドで絣の歴史は古くて、
13世紀には、すでにマレー半島に輸出されていたそうです。
・真ん中の「絞り」という技法の布は、
布に文様をつける上で最も古い技法と考えられてます♪
織り上げられた布をつまんで絞り、
防染することにより白抜きの文様が浮き上がり、
素朴で大胆な柄が魅力的。!
・一番右のブータンのチャクスイパンケップと
呼ばれるこの布は、
王様や高僧が使うために作られたタオル。
ブータンの人々は敬虔は仏教徒のため殺生を嫌い、
生糸ではなく、繭から蛾が羽化した後のくず繭を使い、
真綿にした糸を使います。
こうやって見ただけでも、
それぞれの国の伝統的な生地、文様って
その土地ならではという感じしますね。♪
その地域で生まれた技法、
その地域の生活から生まれた文様、
知れば知るほど
布から生活風景がリアルに浮かびます。
布には人が営みが詰まってますね。(*^o^*)
という、博物館級にアジアの貴重な布が
お店中に並んでいるのが・・・
「Green craft」♪
お店は川越駅からすぐ近くの
アカシア通りにあります。
「前回行った時の様子 」
今回はですね、
グリーンクラフトがギャラリーを借りて、
企画展(もう終了してますが。。。)を行うというので
伺いました。ヽ(゚◇゚ )ノ
企画展、その名も・・・
「旅をする更紗(さらさ)」。!
布からアジアを巡る旅に出たいな、と。(笑)
布の話って面白いんですよ~。
そう思わせてくれるお店です。
例えばシルクロードの歴史を辿りたいなら、
布を切り口にすると凄く楽しいと思いますよ♪
ね?荻野さん。( ´艸`)(笑)
では、布を切り口としたアジアの旅
出発してみましょう~!
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
企画展の場所は、
普段のグリーンクラフトでは、
なかなか布を全部広げて見せるのって難しいけど、
ここなら畳まないで見せられますね~♪
ちなみに、
う~ん、畳んでいるともったいない感じ。。。
そして、これが三番町ギャラリーだと・・・
↓
広げられた布たち、まるで博物館に来てるようです~。
(国立博物館にあってもおかしくないかも?(*^o^*))
荻野さんがコツコツ集めた布たちです。
展示の仕方も考えられていて、
布の歴史を辿れるように展示されていたんです。♪
そうです、最初の展示が
絣、絞り、織りの布から始まっていたんです。!
そしてアジアの布は技術的進歩と遂げます。
次の布は・・・
木綿の布に木のハンコが押されています。
この更紗を見ると、
それまでの布と明らかに違うのが分かります!
それまでの織りだと厚い生地だけど、
この更紗はすっごい薄いんです。
この薄い生地に
こういう文様が付けられてる。
技術革新というか、革命的ですね。(*^o^*)
布の歴史ではインドは重要な国。
綿の産地であったし、
染料も種類が豊富に揃っていた。
そういう環境なので、
自然と各地から生地のオーダーが来るようになる。
インドはいろんな国の布を生産していたんです。
見てください、これを。。。
荻野さん「これは自分の宝物」
1900年初期、ペルシャの王侯貴族が、
窓を飾るカーテン。(なんと贅沢!Σ(゚д゚;))
ペルシャの更紗には、
唐草、矢車菊、ナデシコ、鳥、獅子狩り、世界の木、糸杉などの
文様が使われています♪
今では作ることのできない一品です。
そして時代は、
次なる更紗を生み出します。
それがシルクの更紗。
シルクはコットンと比べ染まりやすいのですが、
熱に弱く、木版やろうけつといった更紗技法を
用いるのが難しかった。
その時代のシルク更紗、当時の技術の粋が詰まってますね!
・・・と、
ここまではインドが
更紗の一大生産国の時代。
高度は染色技術で世界をリードしていて、
インドには各地から
「こういう布を作ってくれ。」
「こういう柄いいわね。作って欲しい。」
各国のオーダーがインドに集まっていた。
そんなインド独占の時代から、
技術がだんだんと拡散していきます。
更紗の旅、次に登場する国は・・・
インドネシア。
「インドにオーダーするだけじゃなく、自分たちで作ろう」
インドネシアに昔からある技法を元にして、
自分たちの布を作るようになります。
(この展示に歴史の流れが詰まってます♪)
インドネシアの始めは
素朴な藍染の布でした。
↑左から二番目の黒の布。
格子状に織られた布の交差に
ロウを置き防染するという素朴な方法で染められています。
ロウを布の上に置いて白抜きにする→
染め液に入れ→
お湯でロウを流す→
そうするとロウの跡が文様として残りますよね??(*^o^*)
真ん中がインドネシアで自分たちの布を作り始めた初期。
右が、そこから技術が向上していったインドネシアの布。
↑こうして見比べると、
インドの影響を残しつつ、独自の道を進もうとしてるのが
分かります♪
独自の技法、文様を確立させていったインドネシア、
でしたが・・・ここから、
歴史の荒波に揉まれてしまいます。。。
宗主国オランダの影響が、
布にも現れ始めます。
雰囲気がヨーロッパ調になりましたね~。!
オランダを意識したブーケの文様が見えます。
この後に伝統回帰として、
自分達の伝統的な染料、技法で作ろうとする
いかにもインドネシア!って感じの文様ですよね。(笑)
さっきのロウで作っていた黒の布から、
ここまで進化しました。
という流れが来ますが・・・
またまた歴史の荒波に。。。
今度は日本が駐留していた影響が
布にも現れて。
パッと見・・・
日本の着物かと思いましたよ。。。
京友禅みたいですね。
こういう感じで、布の歴史を
シルクロードを旅しながら巡ってみました。
布から見る世界も楽しくないですか??(-^□^-)
荻野さん、レクチャーありがとうございます。!
もともと、生活の一部として織りなどがあって、
その土地ならではの技法、文様があった。
いろんな文化を取り込みつつ、
新たな更紗を生み出し、海から世界中に渡っていく。
その歴史がダイレクトに伝わる展示でしたよ♪
布の歴史では、
インド、インドネシアが重要だけど、
そこには日本もしっかり
更紗の歴史に含まれてるんですよ~。
↑あの下の部分のとがった文様ありますよね??
あの文様・・・
(荻野さんが見せてくれた本)
海のシルクロードに、日本も入ってたんでしょうね。
川越にある「川越唐桟(とうざん)」も、
「唐」は、外国って意味だと分かる。
でもじゃあ「桟」ってどこから来たんだろう??
って話になり。
荻野さん「サントトマスのサンって説もあるよ」
川越唐桟が島からやって来たという話も
ワクワクしますよね。
と、インドから始まった更紗の旅。
最後は日本に帰国し、川越に戻ってきました。(*^.^*)
やっぱり、グリーンクラフトの布は
凄いですね~。
ここまで時系列に揃える事は、
集めるの大変だったと思います。。。
また企画展考えてるそうなので
次回も楽しみです♪
普段のお店は川越駅の近くですからね!
↓お店の写真たくさん載せました。(-^□^-)
「グリーンクラフト 」
布だけではなく、
服や雑貨もありますよ~♪
例えば・・・
『フィリピン・ミンダナオ島に暮らす
先住民「ティボリ民族」。
ティボリ民族の母から娘へと
受け継がれてきた手織物が『ティナラク織』です。
アバカ(糸芭蕉)の繊維を結わいて、
長い糸玉を作る所から
最後の仕上げまで三ヶ月。
つややかな光沢と肌触りもさらっとしていて。
草木染めの色合いもいいし、
なにより模様がいい~♪
何百年も受け継がれてきた伝統技術です。』
というバッグがあったりします。
覗いてみてください♪
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
今回の企画展では、
来場されていたお客さんにも
いろんな話を聞かせてもらいましたよ。(笑)
グリーンクラフトの常連の方!
「涼しくて着やすいのよ。何度洗っても草木の匂いがするの」
更紗をもう30年以上着ているそうです。
更紗の話は、歴史の話ではなくって、
こうして今に続いている話なんですよね。
と、歴史の旅から川越唐桟、
そして
現代に繋がってグリーンクラフト企画展
「旅をする更紗」
終了ですヾ(@°▽°@)ノ
またの旅をお楽しみに♪
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
最後に・・・荻野さん自身の話を。
グリーンクラフト誕生秘話。
(この話は明日の記事の伏線にもなってます。(笑))
一番街に小江戸横丁がありますよね。
あの入口に昔、ケバブのお店があって、
店員がトルコの方だった。
荻野さん、
その方にたまたま話しかけた所から親しくなり。
仲良くなると、その方が武蔵浦和で
トルコのキリム柄を売ってるお店もやっている事を知る。
ある時。
そのトルコの方が
家族が倒れてトルコに帰ってしまう事態になった。!
その時に
荻野さんがお店を1ヵ月ほど任される事になったそう。
そこで布に興味を持ち始め、
布に関わるようになる。
そして本川越ペペの催事に出店してから、
川越にやってきました。♪
という、
Green craft自体が
アジアを巡って生まれた感じが面白い♪