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2017-02-08 09:48:41

毎日1人以上の命奪う過労死の発生源となる経団連、過労死ライン上回る経団連会長・副会長企業94%

テーマ:働くルールづくり
 前回、「政府案「残業月100時間」「2カ月平均80時間」は過労死を政府が容認するもの」の中で指摘したように、「政府案」はとんでもないものです。そして、この「政府案」を議論している政府の「働き方改革実現会議」のメンバーの中には、榊原定征経団連会長も入っています。そこで、「働き方改革実現」の手本に、経団連会長・副会長企業が実際問題としてなるのかどうか? そもそも残業時間の上限はどうなっているのかを見てみたいと思います。

 下の表は、2008年が「NPO法人株主オンブズマン」の調査によるもので、2017年は「しんぶん赤旗」編集局が労働局に情報開示請求をして調査したものです。
 

 上の表にあるように、2008年は16社中13社が過労死ライン超で、経団連会長・副会長企業の81%が過労死を容認していました。そして、現在の2017年は17社中16社と94%と増大しています。平均の1年間の残業時間上限も692時間から777時間と85時間も増えているのです。(※過労死の労災認定基準は、脳・心臓疾患が発症する前の1カ月間に月100時間超、または2カ月から6カ月間に月80時間超の残業です)

 榊原経団連会長は、電通の過労自死事件を受けて、「過労死は絶対にあってはならないことであり、経営トップが先頭に立って、管理職も含めた社員の過重労働防止対策に取り組まなければなりません。」としています。その言葉が本当であるのなら、真っ先に、東レの取締役社長・取締役会長として「経営トップが先頭に立って」、東レの月100時間の過労死ライン超をなくし、「働き方改革実現」の手本を示すべきです。

 ところが、経団連は1月17日に発表した「経営労働政策特別委員会報告」(2017年度経労委報告)で、残業代ゼロで働かせ放題、過労死しても自己責任となる「労働基準法改正案の早期成立を強く求めたい。」(48ページ)と明記し、加えて、「業務上必要な繁忙期」の長時間労働の容認を求め(49ページ)、「終業時間と翌日の始業時間との間、あるいは始業から24時間以内に一定の休息時間を置くインターバル規制」は「わが国での義務化は現実的でない。」として反対しています(49ページ)。

 以上のように、経団連会長・副会長企業の94%が過労死ライン超という実態と合わせて、経団連の主張も踏まえると、明らかに経団連が日本の過労死・長時間労働の発生源であることがわかります。

 下のグラフは、厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」から死亡に至った労災請求件数の年度推移を見たものです。
 

 上のグラフの数字を合計すると、2006~2015年度の10年間で、過労死は2,839人、過労自殺(過労自死)は1,776人、計4,615人が仕事によって命が奪われてしまっているのです。そして、直近の2015年度の482人というのは、366で割ると1.3ですから、日本では毎日1.3人が過労死・過労自殺(過労自死)によって命を奪われ続けているのが現状なのです。

 毎日1人以上の命を奪う過労死をなくすために、「8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。」の声を大きくする必要があります。いま「わたしの仕事8時間プロジェクト」ネット署名「8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。」を集めていますので、ぜひご協力をお願い致します。

井上伸
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2017-02-03 18:01:45

政府案「残業月100時間」「2カ月平均80時間」は過労死を政府が容認するもの

テーマ:働くルールづくり
 過労死の労災認定基準は、脳・心臓疾患が発症する前の1カ月間に月100時間超、または2カ月から6カ月間に月80時間超の残業です。

 ところが、政府は2月1日、「働き方改革実現会議」の中で、単月なら100時間、その翌月と合わせた2カ月平均では80時間までなら残業を認め、残業上限を月平均60時間、年間計720時間までとする政府案に沿って議論を進めています。

 「単月なら100時間」「2カ月平均では80時間」というのは、今現在の過労死ラインです。政府は労働者が過労死してしまう残業時間を「残業の上限規制」にしようとしているのです。言い換えれば、企業が労働者を過労死するまで残業させることを政府が容認するということです。現時点で安倍政権の「働き方改革」というのは「過労死容認のための改革」と言わざるをえません。

 佐々木亮弁護士の「法として時間外労働は100時間までならOKというメッセージを発信するのは危険」、「特に法を守らないブラック企業が、『法律が100時間まで働かせていいと言っているのだ!』などとわけのわからないことを言いだしそうで、想像するだけで暗澹とした気持ちになります」との指摘に同感です。

 実際のデータでも見てみましょう。

 下のグラフは、厚生労働省「過労死等の労災補償状況」の中にある「脳・心臓疾患の時間外労働時間数(1カ月平均)別支給決定件数」の「死亡件数」から作成したものです。
 

 上のグラフを見れば分かるように、過労死の件数は残業80~100時間のところが最も多くなっているのです。

 下の表とグラフは、割合でも見たものです。
 
 

 上記にあるように、残業80~100時間は過労死の44.1%を占め、残業60~100時間になると51.8%を占めます。データで見ても、現在の政府案は過労死の半分以上を「容認」するものなのです。上の表にあるように、過労死をなくすためには、残業の上限規制を月45時間未満にする必要があります。そして何より原則は残業なしで8時間働いたら帰る、暮らせることです。いま「わたしの仕事8時間プロジェクト」がネット署名を集めていますので、ぜひご協力をお願い致します。「8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。」の声を広げて、過労死・過労自死・長時間労働をなくしましょう。

井上伸
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2017-01-18 14:54:25

6年前は富裕層388人→現在は8人の資産が世界人口の半分の36億人分と同じ、この数年で格差超拡大

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 朝日新聞の報道です。

 

富裕層トップ8人の資産、36億人分と同額 NGO試算
朝日新聞 2017年1月16日21時45分

 

 国際NGO「オックスファム」は16日、2016年に世界で最も裕福な8人の資産の合計が、世界の人口のうち、経済的に恵まれない下から半分(約36億人)の資産の合計とほぼ同じだったとする報告書を発表した。経済格差の背景に労働者の賃金の低迷や大企業や富裕層による課税逃れなどがあるとして、経済のあり方に抜本的な変化が必要だと訴えている。

 

 スイス金融大手クレディ・スイスの調査データと、米経済誌フォーブスの長者番付を比較して試算した。下位半分の資産は、上位8人の資産の合計約4260億ドル(約48兆6千億円)に相当するという。

 

 オックスファムは昨年の報告書で、15年の下位半分の資産額は上位62人の合計(約1兆7600億ドル)に相当するとした。今回は新興国で詳細なデータが追加されたことで、下位半分の資産額が世界全体の資産に占める割合は、15年の0・7%から0・2%に減った。今回の報告書で使ったデータをもとに15年の資産額を計算し直すと、下位半分の資産額は上位9人の合計に相当するという。

 

 報告書は1988年から2011年の間に下位10%の所得は年平均3ドルも増えていないのに対し、上位1%の所得は182倍になり、格差が広がっていると指摘している。経営陣に比べて労働者の賃金が上がっていないことや、大企業などがタックスヘイブン(租税回避地)を使って納税を回避することで発展途上国を中心に税収が減り、下位の層に影響を与えていることが背景にあるとしている。

 

 オックスファムは富裕層などへの課税強化などを呼びかけ、国内総生産(GDP)の成長を政策目標に掲げるのは誤りで、経済規模でなく、富の分配を反映した指標の採用が必要だとも指摘した。17日に始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)を前に、政府や経済界のトップに対応を求めた。

 このオックスファムの格差に関する報告書「99%のための経済」過去にさかのぼってみると、世界人口の半分と同じ資産を持つ富裕層の人数の推移が分かります。それをグラフにしてみたものが以下です。

 

 

 今回発表の報告書において、オックスファムは新興国の新たなデータが加わったことで、2015年の人数は「62人ではなく9人」としていますので、上のグラフも2015年は9人にしています。

 

 上のグラフにあるように、2010年の388人から2016年のわずか8人と、この6年で48分の1の超富裕層に富が集中し格差は極まっています。ところが、この格差もさらに拡大するとオックスファムは警告しています。

 

 

 上のグラフは、オックスファムの2015年の同報告書に掲載されているものです。トップ1%の資産は2016年の時点ですでに99%の資産を上回っているのですが、このまま推移するとトップ1%の資産は右肩上がりに増え続け、99%の資産は減り続けると予測。トップ1%の資産が99%の資産をはるかに上回ってしまう1%のためだけの世界にますますなってしまうと警告しているのです。

 

(井上伸)

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2017-01-15 19:57:16

日本の高等教育は私費負担が異常に重い=OECD平均の2倍以上、学生一人当たりも公的支出は低い

テーマ:霞が関・公務関連情報

以前アップした「大学など高等教育への日本の公的支出は6年連続でOECD最下位、33カ国平均の半分以下と突出して低い大学への公的支出は日本の「競争力」低下と連動している」に対して、「日本は少子化が進んでいるのだから子ども一人当たりで見れば公的支出は高くなるから問題はない」との意見が寄せられました。本当でしょうか?

 

OECDのデータを見てみましたが、「子ども一人当たり」についてのデータは見あたりませんでした。見つけたのは、「高等教育機関の在学生一人当たりに対する公的支出」で、分かりやすくグラフ化すると以下です。

 

 

上のグラフにあるように、学生一人当たりで見ても日本はOECD32カ国平均の7割しかありません。学生一人当たりで見ても日本の公的支出は低いのです。

 

さらに日本の公的支出が低いことを如実に表すデータが、以下の「日本の高等教育支出に占める私費負担割合」です。

 

上のグラフにあるように、日本の高等教育支出に占める私費負担割合は65%とOECD34カ国平均の30%の2倍以上と、韓国に次いで高等教育が自己責任になってしまっているのです。

 

そして、下のグラフは、この私費負担割合と子どもの貧困率を主な国で見たものです。高等教育の私費負担割合が高い国は、高等教育が自己責任になっている国であり、この教育の自己責任が、子どもの貧困につながっていく部分も大きいと言えるのではないでしょうか。

 

(井上伸)

2017-01-04 18:40:13

日本の賃金(総コストに占める割合)は世界最低、貧困大国アメリカを上回る「ワーキングプア大国日本」

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 OECDのデータを見ていたら、いくつか新しいデータとレポートがありましたので、紹介しておきます。

 

 いちばん驚いたデータ(OECD生産性統計)をグラフ化してみたものが以下です。

 

 

 上のグラフにあるように、日本の賃金(総コストに占める割合)はOECD35カ国でデータがあるものの中で、最低です。しかも、直近の2014年に過去最低を更新しています。まさにアベノミクスによって賃金が最も少ない割合になってしまっているのです。

 

 上のグラフだと分かりづらいので、直近の2014年の数字だけでグラフ化してみたものが以下です。

 

 上のグラフにあるように、日本は断トツで最下位です。

 

 それから、OECDは2016年11月に所得不平等に関するレポートを発表しています。いくつか分かりやすくするため以下グラフ化してみました。

 

 下のグラフは、1年を通して働いているにも関わらず貧困状態に置かれるというワーキングプア率を、OECDの主要国で見たものです。日本は「貧困大国アメリカ」を1.8ポイントも上回る13.3%で主要国最悪の「ワーキングプア大国」であることが分かります。最初に見たOECDの中で最も低賃金であることが「ワーキングプア大国」につながっていると言えるでしょう。

 

 

 

 上のグラフにあるように、日本はアメリカに次ぐ貧困大国であるにもかかわらず、昨年の国会答弁で安倍首相は世代間に不公平があって、高齢者だけが現役世代や若い世代より得をしているかのような発言を繰り返しました。これも大ウソであることが、OECDのデータを見るとよく分かります。

 

 

 

 

 上のグラフにあるように、子どもの貧困も、現役世代の貧困も、高齢者の貧困も、どの世代をとっても日本の貧困は深刻なのです。安倍首相が言う高齢者だけが得をしているなどという事実はありません。(※ここで、よくあるのが、高齢者は貯蓄をしているから所得の貧困率だけで見るのは間違いだというものですが、この点については、以前「高齢者が貯蓄を独り占め?→事実はアベノミクスで高齢者も若い世代も同じように貯蓄ゼロが激増、社会保障など老後の備えが欧米と比べて極めて劣悪な日本」というエントリーをアップしていますので参照ください)

 

 世代間不公平や世代間格差などを根本的な問題とする安倍首相の主張が間違っているとしたら、どこに格差の問題は存在するのでしょうか? この点にもOECDのレポートは答えを用意しています。

 

 

 

 上のグラフにあるように、日本はアメリカほどではないにせよ、富裕層上位と所得下位の格差が拡大している「格差大国」なのです。そのことは、ピケティ氏らによる「世界の富と所得のデータベース」が昨年12月20日にリニューアルされてより分かりやすくグラフ等が作れますので、富裕層上位10%の所得シェア推移を、日本とアメリカとフランスでグラフ化してみました。

 

 

 当たり前ですが、富裕層上位10%の所得シェアが右肩上がりになるということは、一方の下位90%の所得が減っていくといことです。一目瞭然、日本はアメリカの富裕層を追いかけている「格差大国」「貧困大国」です。そして、世代間格差が根本的な問題ではなく、富裕層上位10%と下位90%の格差、そしてこの格差拡大の主な原因である日本の低賃金とワーキングプア増大こそが日本の根本的な問題なのです。

 

井上伸

2016-12-29 16:58:25

日本が富裕層人口の増加でアメリカ抜き初めて世界一に(2016年対前年比)、アベノミクスで格差拡大

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 クレディ・スイスが12月9日、「2016年グローバル・ウェルス・レポート」を発表しています。そのプレスリリース等の一部です。

 

○日本は国別で前年に比べ最も高い伸び率を示し、総額3兆9,000億米ドルの富の増加を達成。2番目に伸び率が高かったのは米国で、1兆7,000億米ドルの増加。
○日本のミリオネア(資産総額100万米ドル超の富裕層)の数は2015年の2,088,000人から増加して2016年には2,826,000人。738,000人増は世界最大の増加数。世界2位を維持。

 

 上記の「世界の富のピラミッド」にあるように、世界の成人人口のわずか0.7%の富裕層が、世界の富の45.6%を独占しているわけです。

 

 そして、世界トップ1%、10%の日本の富裕層人口は以下です。(※下の表は、クレディ・スイスの「2016年グローバル・ウェルス・データブック」に掲載されているものです)

 

 

 上の表を一目で分かりやすくするため、トップ3の日本とアメリカとドイツの富裕層人口の増加をグラフにしてみたものが以下です。

 

 

 富裕層の対前年人口増加で2016年に日本はアメリカを抜いて初めて世界一になっています。これまで、「増加率」ではアベノミクスの1年目で世界一を達成していますが、富裕層人口増加数では初めての世界一です。

 

 そして、このクレディ・スイスのデータをもちいて、アベノミクスの始まる前の2012年を100にして、2016年の富裕層上位1%と下位90%の富のシェアをグラフにしたものが以下です。アベノミクスを早くやめさせなければ、貧困と格差は拡大するばかりです。

2016-12-25 18:23:36

電通の内部留保は過去最高の8千億円=いますぐ社員倍増でき過労死招く長時間労働の解消可能

テーマ:働くルールづくり

資本金10億円以上の大企業の内部留保は過去最高を更新し続けています。大企業の内部留保と比例するのは以下のような労働者の貧困の増大です。

 

 

 

 

 

 

 そして、「ブラック企業大賞」となった電通の内部留保の推移が以下です。

 

 

 上のグラフにあるように、電通も過去最高の内部留保8,098億円となっています。電通の社員は、4万3,583人なので、一人当たりの内部留保額は1,794万円にもなります(2015年度)。

 

 電通の社員の平均年収は1,301万円ですから、電通はいますぐにでも社員を2倍以上増やすことが可能なのです。

 

 ですので、社員に現在月100時間以上の残業をさせ、不払い残業も横行させている電通の過労死・過労自死を招く長時間労働は、社員を増やすことによる「時短・ワークシェアリング」でただちに解消することが可能なのです。

 

 あわせて、朝日新聞の報道を紹介しておきます。

 

「まつりの死で世の中が大きく動いた」 母親の手記全文
朝日新聞 2016年12月25日04時00分

 

高橋まつりさんの母、幸美さんが公表した手記(全文)は次の通り。

 

働く人全ての意識変えて 電通過労自殺、母が命日に手記

 

 まつりの命日を迎えました。

 

 去年の12月25日クリスマス・イルミネーションできらきらしている東京の街を走って、警察署へ向かいました。?(うそ)であってほしいと思いながら・・・。前日までは大好きな娘が暮らしている、大好きな東京でした。

 

 あの日から私の時は止まり、未来も希望も失われてしまいました。息をするのも苦しい毎日でした。朝目覚めたら全て夢であってほしいと、いまも思い続けています。

 

 まつりは、あの日どんなに辛(つら)かったか。人生の最後の数か月がどんなに苦しかったか。

 

 ログイン前の続きまつりはずっと頑張ってきました。就職活動のエントリーシートの自己PRの欄に、「逆境に対するストレスに強い」と書いていました。自分が困難な境遇にあっても絶望せずあきらめないで生きてきたからです。10歳の時に中学受験をすることを自分で決めた時から、夢に向かって努力し続けてきました。

 

 凡才の私には娘を手助けできることは少なく、周囲の沢山(たくさん)の人が娘を応援してくれました。娘は、地域格差・教育格差・所得格差に時にはくじけそうになりながらも努力を続け、大学を卒業し就職しました。

 

 電通に入ってからも、期待に応えようと手を抜くことなく仕事を続けたのだと思います。その結果、正常な判断ができないほどに追い詰められたのでしょう。あの時私が会社を辞めるようにもっと強く言えば良かった。母親なのにどうして娘を助けられなかったのか。後悔しかありません。

 

 私の本当の望みは娘が生きていてくれることです。

 

 まつりの死によって、世の中が大きく動いています。まつりの死が、日本の働き方を変えることに影響を与えているとしたら、まつりの24年間の生涯が日本を揺るがしたとしたら、それは、まつり自身の力かもしれないと思います。でも、まつりは、生きて社会に貢献できることを目指していたのです。そう思うと悲しくて悔しくてなりません。

 

 人は、自分や家族の幸せのために、働いているのだと思います。仕事のために不幸になったり、命を落とすことはあってはなりません。

 

 まつりは、毎晩遅くまで皆が働いている職場の異常さを指して、「会社の深夜の仕事が、東京の夜景をつくっている」と話していました。まつりの死は長時間労働が原因であると認定された後になって、会社は、夜10時以降消灯をしているとのことですが、決して見せかけではなく、本当の改革、労働環境の改革を実行してもらいたいと思います。

 

 形のうえで制度をつくっても、人間の心が変わらなければ改革は実行できません。

 

 会社の役員や管理職の方々は、まつりの死に対して、心から反省をして、二度と犠牲者が出ないよう、決意していただきたいと思います。

 

 そして社員全ての人が、伝統を重んじることに囚(とら)われることなく、改善に向かって欲しいと思います。

 

 日本の働く人全ての人の意識が変わって欲しいと思います。

 

 以上

▼関連


時短・ワークシェアリングで若者の雇用は改善できる ? 若者の雇用をさらに破壊する「残業代ゼロ・過労死促進法」

 

日本の有給休暇の消化率が2016年調査で世界最下位、週60時間以上働く労働者の3割が1日も有休取得せず、欧州見習って有休完全取得すれば正規雇用を160万人創出できる

 

(井上伸)

 

2016-12-23 23:06:30

ブラック公務大賞は文科省=20代の教員20人が過労自殺、惹起させる松浦勝人エイベックス社長の主張

テーマ:霞が関・公務関連情報

  きょう「ブラック企業大賞2016」の発表がありました。大賞には電通が選ばれ、受賞理由は「ブラック企業大賞」のサイトで読むことができます。

 

 NHKは午後7時からのニュースでこの「ブラック企業大賞」の授賞式の様子を報道し、電通社員に対する取材を以下のように伝えました。

 

ブラック企業大賞 電通に
NHKニュース 12月23日

 

社員「体質は変わっていない」

 

 電通の現役の社員がNHKの取材に応じ、長時間労働の対策で一定の効果が出ているとする一方、家に持ち帰って仕事をする人が少なくないなど企業の体質は変わっていないと証言しました。

 

 電通では新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が去年、過労のため自殺した問題などを受けて夜10時以降の深夜勤務を原則、行わないなどの労働環境の改善に向けた取り組みを進めています。

 

 これについて今月、NHKの取材に応じた社員の1人は、「夜10時までという明確な残業規制が入ったため『あすまでにこれをやれ』と言って徹夜などを強いる理不尽な長時間労働は減っている」として対策で一定の効果が出ていると話します。

 

 一方で「企業の体質は全く変わっていない。人によってはどんどん持ち帰って仕事をしている現状がある。ファミリーレストランや自宅、喫茶店など外に仕事を持ち出して作業をやっていると聞いている」と話しました。

 

 さらに「体育会系という名目で正当化される理不尽なパワハラや人権を無視したひぼう中傷、暴言をはかれるといった企業文化は残っている。『俺はこれを乗り切ったんだからお前も乗り切れないと電通マンになれないんだぞ』といった企業風土は根深い」と話します。

 

 特に新入社員に対しては、まつりさんの過労自殺が明らかになる前はパワハラともとれる厳しい指導が行われていたということで、「仕事がきつい部署では新入社員は3か月全く休みがなく、土日も出勤し続けるのが当たり前で、指導という名のもとで個室に詰め込んで個人的なことまでひぼう中傷する言葉を浴びせ続けるということが起こっていた」と証言しました。

 

 そのうえで、「今回の件は電通の企業風土やパワハラが引き起こしたことで、犠牲者が出てしまったということを深く反省して社員一人一人が自分の言動をしっかりと見直してほしい」と話していました。

 

 

 これに続けて、NHKは教員の惨状も報道。昨年度(2015年度)の20代の公立教員の精神疾患は564人にのぼりこの10年間で2倍近く増加した上に(下のグラフ)、NHKの調査によると少なくとも20人が自殺していることが分かったとのこと。しかも、この20代の公立教員が20人も自殺していることを文部科学省は把握していないと報道していました。

 

 

 以前、書いた「突出した世界一の長時間労働でうつ病休職者10年で3倍増の日本の教員、教員の「うつ傾向」は一般企業の2.5倍←5年連続で世界一低い日本の教育への公的支出に加え財務省が教職員3万7千人削減ねらう倒錯の日本」という記事でも教員の惨状を指摘していますが、「ブラック企業大賞」にならってもし「ブラック公務大賞」があれば、文部科学省に決りです。そして、「ブラック公務大賞」の次点は非常勤職員=官製ワーキングプアの比率が今年5割を超え(下表参照、※私が作成したものです)、ハローワークの非常勤職員を何千人とパワハラ公募を実施し雇い止めしている厚生労働省です。(※参照→そりゃあんまりだ! 厚生労働省はブラック官庁=勝手に労働時間延長・非正規切り・民間企業以上の非正規率46%・ハローワーク職員の6割が官製ワーキングプア・ブラック企業なくす労働Gメン数はドイツの3分の1

 

 

 それから、エイベックス・グループ・ホールディングス代表取締役社長の松浦勝人氏がブログで、「労働基準監督署から是正勧告を受けた」ことに逆ギレして、「労働基準監督署は昔の法律のまま、今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない。」から「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」と主張。あわせて、次のように書いています。

 

僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。(中略)それぞれの業界にはそれぞれ特殊な事情がある。労働時間だけに縛られていたら為替のディーラーの人達は仕事にならなくなる。病院で働いている人は労働時間と治療とどちらを優先するべきか。美容師の人達、学校の先生、、、自分の夢を持ってその業界に好きで入った人たちは好きで働いているのに仕事を切り上げて帰らなければならないようなことになる。
(松浦勝人氏のブログ「労働基準法 是正勧告とは」より)

 

 先に紹介した20代の教員が20人自殺している問題で、一つのケースとして、NHKは、一昨年、自殺した福井県の中学校の教員の場合は時間外労働が月に最大161時間を超え、部活動や保護者の対応に追われていて、本人は日記に「子どものために」教員として頑張って働くというようなことを書いていたと報道していました。松浦勝人氏が言うところのまさに「社会貢献」という目標を持って「労働時間に縛られずに」「子どものために」を「優先して」「仕事を切り上げずに帰らず」に働いた結果、福井県の20代の教員は過労自殺へと追い込まれたのです。松浦勝人氏の主張は、ブラック企業経営者の典型ですが、労働者を過労死・過労自殺へと追い込む「やりがいの搾取」(本田由紀東京大学教授の指摘)にほかなりません。

 

▼関連
ワタミ問題から考える日本の雇用 ? 合法的に過労死・過労自殺を認めている日本社会の異常|河添誠氏×本田由紀氏

 

(井上伸)

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2016-12-16 13:05:02

日本の有給休暇の消化率が世界最下位、週60時間以上働く労働者の3割が1日も有休取得せず

テーマ:働くルールづくり

エクスペディア・ジャパンによるプレスリリースの一部です。

 

「世界28ヶ国 有給休暇・国際比較調査2016」  日本の有休消化率、2013年以来3年ぶりに最下位に
エクスペディア PR事務局 2016/12/15

 

世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパン(www.expedia.co.jp)では、毎年恒例の有給休暇の国際比較調査を実施しました。世界28ヶ国18歳以上の有職者男女計9,424名を対象とした2016年の結果を発表いたします。

 

日本の有休消化率、3年ぶりの最下位に!!

 

有給休暇取得の義務化など法改正の話題も出ている日本が、今年は3年ぶりに世界で最下位の有休消化率という結果になりました。 2013年以降回復を見せていた日本でしたが、昨年の60%を10%も下回り、そして2014年、2015年ワーストであった韓国を3%下回り世界最下位に返り咲くこととなってしまいました。

当たり前ですが、有給休暇取得率と労働時間には相関関係があります。厚生労働省の2016年版「過労死等防止対策白書」(2016年10月)によると、年次有給休暇の取得率が「0%」(ようするに1年間で全く有給休暇を取らなかった労働者)は、週60時間以上働いている労働者の27.7%にものぼっているのです(下のグラフ参照)。

 

 

そして、今回のエクスペディア・ジャパンの調査によると、日本の労働者が休みを取らない理由の第1位は「人手不足」です。

 

 

下の表にあるように、有給休暇の完全取得をはじめ、完全週休2日制の実施、所定外労働時間の削減による雇用創出効果は494万人となります。時短・ワークシェアリングは、雇用を劇的に改善でき、労働者のディーセント・ワークと豊かな暮らしをもたらします。

 

 

ところが、安倍政権はさらに日本に長時間労働を蔓延させようとしています。以前アップした「バカンスが30日間のフランス、夏休みが3日の日本」「フランスより2倍以上も働いている日本」のGDPがフランスより遥かに低い事実」の中ですでに指摘していますが、以下にあるように、有給休暇の取得率が世界最下位で長時間労働が突出して多い日本は、過労死・過労自殺・「心の病」を激増させ、労働者も壊し、経済も壊し続けているのです。さらにこれを安倍政権は「残業代ゼロ法案」で深刻化させようとしています。(井上伸

 

 

 

 

 


 

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2016-11-29 15:30:16

アベノミクスで富裕層資産272兆円と過去最高、富裕層に6%課税するだけで消費税収は確保できる

テーマ:経済・財政・税制の問題

野村総合研究所が11月28日、2年ごとに調べている「富裕層アンケート調査」の結果を次のように公表しています。(以下は抜粋で転載)

 

日本の富裕層は122万世帯、純金融資産総額は272兆円

野村総合研究所「富裕層アンケート調査」(2016年11月28日)

日本の富裕層・超富裕層の世帯数は、2013年のピークを越えて増大

 

純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると、2015年時点で121.7万世帯でした(図1)。内訳は、富裕層が114.4万世帯、超富裕層が7.3万世帯です。

 

 

2013年の世帯数と比較すると、富裕層は20.0%、超富裕層は35.2%増加し、両者を合わせると20.9%増えました。NRIが同様の方法で推計を行ってきた2000年以降、ピークであった2013年の合計世帯数100.7万世帯を、約21万世帯上回っています。

 

富裕層・超富裕層の世帯数増加は、2013年から2015年にかけての株価上昇により、2013年時点では純金融資産が5,000万円以上1億円未満であった準富裕層と1億円以上5億円未満であった富裕層の多くが資産を増やして、それぞれ富裕層・超富裕層に移行したことが原因と見られます。

 

富裕層・超富裕層の純金融資産総額も増加が続く

 

2013年から2015年にかけて、富裕層および超富裕層の純金融資産総額は、それぞれ17.3%、2.7%増加し、合わせて12.9%増えました。2015年における富裕層および超富裕層の純金融資産総額272兆円は、NRIが推計した2000年以降のピークであった2007年の254兆円を上回っています(図2)。富裕層および超富裕層の保有する純金融資産保有額の増加は、前述のように、安倍政権下の経済政策(いわゆるアベノミクス)による株価上昇がこの期間続いたため、もともと富裕層および超富裕層の人々の保有資産が拡大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に移行したためと考えられます。

 

この野村総研のデータと、以前紹介した貯蓄ゼロ世帯のデータでグラフをつくってみたものが以下です。

 

 

上のグラフにあるように、2011年から2015年の変化を見ると、富裕層は40.7万世帯増の1.5倍増で、貯蓄ゼロ世帯は327.6万世帯増の1.2倍増と急増していることが分かります。まさに、富裕層と貧困層が増える格差の拡大となっているのです。ここで、世帯割合を見ると、資産1億円以上の富裕層は上のグラフの%の数字になりますが、ちなみに資産5億円以上の超富裕層の世帯割合は2011年は0.94%、2013年は1.45%、2015年は1.48%となりますので、ピケティは所得での上位「1%」に富が集中することを指摘していますが、資産での「1%」は5億円以上の超富裕層に相当することが分かります。

 

同じように、下のグラフは、富裕層の資産と貯蓄ゼロ世帯数を見たものです。ここでも富裕層資産は1.4倍増で貯蓄ゼロ世帯の1.2倍増に比例して増えています。

 

 

財務省のサイトにアップされている2016年度の「第2次補正後予算」を見ると、消費税収17.1兆円、法人税収12.2兆円、所得税収17.9兆円です。富裕層の資産272兆円に6%程度課税するだけで消費税収をまかなえる規模になるのです。そして、6%程度の資産課税というのは、下のグラフ群にあるように、富裕層の税負担が貧困層より軽い事実を踏まえるなら、不当な課税とは言えないと思います。

 

 

 

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◆日本をタックスヘイブン化するアベノミクス=貧困層より税金が軽い富裕層、零細企業より法人税が軽い大企業、社会保障には財源がないと言い、財源は貧困層から収奪する消費税増税というディストピア日本

 
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