1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2017-01-15 19:57:16

日本の高等教育は私費負担が異常に重い=OECD平均の2倍以上、学生一人当たりも公的支出は低い

テーマ:霞が関・公務関連情報

以前アップした「大学など高等教育への日本の公的支出は6年連続でOECD最下位、33カ国平均の半分以下と突出して低い大学への公的支出は日本の「競争力」低下と連動している」に対して、「日本は少子化が進んでいるのだから子ども一人当たりで見れば公的支出は高くなるから問題はない」との意見が寄せられました。本当でしょうか?

 

OECDのデータを見てみましたが、「子ども一人当たり」についてのデータは見あたりませんでした。見つけたのは、「高等教育機関の在学生一人当たりに対する公的支出」で、分かりやすくグラフ化すると以下です。

 

 

上のグラフにあるように、学生一人当たりで見ても日本はOECD32カ国平均の7割しかありません。学生一人当たりで見ても日本の公的支出は低いのです。

 

さらに日本の公的支出が低いことを如実に表すデータが、以下の「日本の高等教育支出に占める私費負担割合」です。

 

上のグラフにあるように、日本の高等教育支出に占める私費負担割合は65%とOECD34カ国平均の30%の2倍以上と、韓国に次いで高等教育が自己責任になってしまっているのです。

 

そして、下のグラフは、この私費負担割合と子どもの貧困率を主な国で見たものです。高等教育の私費負担割合が高い国は、高等教育が自己責任になっている国であり、この教育の自己責任が、子どもの貧困につながっていく部分も大きいと言えるのではないでしょうか。

 

(井上伸)

AD
2017-01-04 18:40:13

日本の賃金(総コストに占める割合)は世界最低、貧困大国アメリカを上回る「ワーキングプア大国日本」

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 OECDのデータを見ていたら、いくつか新しいデータとレポートがありましたので、紹介しておきます。

 

 いちばん驚いたデータ(OECD生産性統計)をグラフ化してみたものが以下です。

 

 

 上のグラフにあるように、日本の賃金(総コストに占める割合)はOECD35カ国でデータがあるものの中で、最低です。しかも、直近の2014年に過去最低を更新しています。まさにアベノミクスによって賃金が最も少ない割合になってしまっているのです。

 

 上のグラフだと分かりづらいので、直近の2014年の数字だけでグラフ化してみたものが以下です。

 

 上のグラフにあるように、日本は断トツで最下位です。

 

 それから、OECDは2016年11月に所得不平等に関するレポートを発表しています。いくつか分かりやすくするため以下グラフ化してみました。

 

 下のグラフは、1年を通して働いているにも関わらず貧困状態に置かれるというワーキングプア率を、OECDの主要国で見たものです。日本は「貧困大国アメリカ」を1.8ポイントも上回る13.3%で主要国最悪の「ワーキングプア大国」であることが分かります。最初に見たOECDの中で最も低賃金であることが「ワーキングプア大国」につながっていると言えるでしょう。

 

 

 

 上のグラフにあるように、日本はアメリカに次ぐ貧困大国であるにもかかわらず、昨年の国会答弁で安倍首相は世代間に不公平があって、高齢者だけが現役世代や若い世代より得をしているかのような発言を繰り返しました。これも大ウソであることが、OECDのデータを見るとよく分かります。

 

 

 

 

 上のグラフにあるように、子どもの貧困も、現役世代の貧困も、高齢者の貧困も、どの世代をとっても日本の貧困は深刻なのです。安倍首相が言う高齢者だけが得をしているなどという事実はありません。(※ここで、よくあるのが、高齢者は貯蓄をしているから所得の貧困率だけで見るのは間違いだというものですが、この点については、以前「高齢者が貯蓄を独り占め?→事実はアベノミクスで高齢者も若い世代も同じように貯蓄ゼロが激増、社会保障など老後の備えが欧米と比べて極めて劣悪な日本」というエントリーをアップしていますので参照ください)

 

 世代間不公平や世代間格差などを根本的な問題とする安倍首相の主張が間違っているとしたら、どこに格差の問題は存在するのでしょうか? この点にもOECDのレポートは答えを用意しています。

 

 

 

 上のグラフにあるように、日本はアメリカほどではないにせよ、富裕層上位と所得下位の格差が拡大している「格差大国」なのです。そのことは、ピケティ氏らによる「世界の富と所得のデータベース」が昨年12月20日にリニューアルされてより分かりやすくグラフ等が作れますので、富裕層上位10%の所得シェア推移を、日本とアメリカとフランスでグラフ化してみました。

 

 

 当たり前ですが、富裕層上位10%の所得シェアが右肩上がりになるということは、一方の下位90%の所得が減っていくといことです。一目瞭然、日本はアメリカの富裕層を追いかけている「格差大国」「貧困大国」です。そして、世代間格差が根本的な問題ではなく、富裕層上位10%と下位90%の格差、そしてこの格差拡大の主な原因である日本の低賃金とワーキングプア増大こそが日本の根本的な問題なのです。

 

井上伸

AD
2016-12-29 16:58:25

日本が富裕層人口の増加でアメリカ抜き初めて世界一に(2016年対前年比)、アベノミクスで格差拡大

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 クレディ・スイスが12月9日、「2016年グローバル・ウェルス・レポート」を発表しています。そのプレスリリース等の一部です。

 

○日本は国別で前年に比べ最も高い伸び率を示し、総額3兆9,000億米ドルの富の増加を達成。2番目に伸び率が高かったのは米国で、1兆7,000億米ドルの増加。
○日本のミリオネア(資産総額100万米ドル超の富裕層)の数は2015年の2,088,000人から増加して2016年には2,826,000人。738,000人増は世界最大の増加数。世界2位を維持。

 

 上記の「世界の富のピラミッド」にあるように、世界の成人人口のわずか0.7%の富裕層が、世界の富の45.6%を独占しているわけです。

 

 そして、世界トップ1%、10%の日本の富裕層人口は以下です。(※下の表は、クレディ・スイスの「2016年グローバル・ウェルス・データブック」に掲載されているものです)

 

 

 上の表を一目で分かりやすくするため、トップ3の日本とアメリカとドイツの富裕層人口の増加をグラフにしてみたものが以下です。

 

 

 富裕層の対前年人口増加で2016年に日本はアメリカを抜いて初めて世界一になっています。これまで、「増加率」ではアベノミクスの1年目で世界一を達成していますが、富裕層人口増加数では初めての世界一です。

 

 そして、このクレディ・スイスのデータをもちいて、アベノミクスの始まる前の2012年を100にして、2016年の富裕層上位1%と下位90%の富のシェアをグラフにしたものが以下です。アベノミクスを早くやめさせなければ、貧困と格差は拡大するばかりです。

AD
2016-12-25 18:23:36

電通の内部留保は過去最高の8千億円=いますぐ社員倍増でき過労死招く長時間労働の解消可能

テーマ:働くルールづくり

資本金10億円以上の大企業の内部留保は過去最高を更新し続けています。大企業の内部留保と比例するのは以下のような労働者の貧困の増大です。

 

 

 

 

 

 

 そして、「ブラック企業大賞」となった電通の内部留保の推移が以下です。

 

 

 上のグラフにあるように、電通も過去最高の内部留保8,098億円となっています。電通の社員は、4万3,583人なので、一人当たりの内部留保額は1,794万円にもなります(2015年度)。

 

 電通の社員の平均年収は1,301万円ですから、電通はいますぐにでも社員を2倍以上増やすことが可能なのです。

 

 ですので、社員に現在月100時間以上の残業をさせ、不払い残業も横行させている電通の過労死・過労自死を招く長時間労働は、社員を増やすことによる「時短・ワークシェアリング」でただちに解消することが可能なのです。

 

 あわせて、朝日新聞の報道を紹介しておきます。

 

「まつりの死で世の中が大きく動いた」 母親の手記全文
朝日新聞 2016年12月25日04時00分

 

高橋まつりさんの母、幸美さんが公表した手記(全文)は次の通り。

 

働く人全ての意識変えて 電通過労自殺、母が命日に手記

 

 まつりの命日を迎えました。

 

 去年の12月25日クリスマス・イルミネーションできらきらしている東京の街を走って、警察署へ向かいました。?(うそ)であってほしいと思いながら・・・。前日までは大好きな娘が暮らしている、大好きな東京でした。

 

 あの日から私の時は止まり、未来も希望も失われてしまいました。息をするのも苦しい毎日でした。朝目覚めたら全て夢であってほしいと、いまも思い続けています。

 

 まつりは、あの日どんなに辛(つら)かったか。人生の最後の数か月がどんなに苦しかったか。

 

 ログイン前の続きまつりはずっと頑張ってきました。就職活動のエントリーシートの自己PRの欄に、「逆境に対するストレスに強い」と書いていました。自分が困難な境遇にあっても絶望せずあきらめないで生きてきたからです。10歳の時に中学受験をすることを自分で決めた時から、夢に向かって努力し続けてきました。

 

 凡才の私には娘を手助けできることは少なく、周囲の沢山(たくさん)の人が娘を応援してくれました。娘は、地域格差・教育格差・所得格差に時にはくじけそうになりながらも努力を続け、大学を卒業し就職しました。

 

 電通に入ってからも、期待に応えようと手を抜くことなく仕事を続けたのだと思います。その結果、正常な判断ができないほどに追い詰められたのでしょう。あの時私が会社を辞めるようにもっと強く言えば良かった。母親なのにどうして娘を助けられなかったのか。後悔しかありません。

 

 私の本当の望みは娘が生きていてくれることです。

 

 まつりの死によって、世の中が大きく動いています。まつりの死が、日本の働き方を変えることに影響を与えているとしたら、まつりの24年間の生涯が日本を揺るがしたとしたら、それは、まつり自身の力かもしれないと思います。でも、まつりは、生きて社会に貢献できることを目指していたのです。そう思うと悲しくて悔しくてなりません。

 

 人は、自分や家族の幸せのために、働いているのだと思います。仕事のために不幸になったり、命を落とすことはあってはなりません。

 

 まつりは、毎晩遅くまで皆が働いている職場の異常さを指して、「会社の深夜の仕事が、東京の夜景をつくっている」と話していました。まつりの死は長時間労働が原因であると認定された後になって、会社は、夜10時以降消灯をしているとのことですが、決して見せかけではなく、本当の改革、労働環境の改革を実行してもらいたいと思います。

 

 形のうえで制度をつくっても、人間の心が変わらなければ改革は実行できません。

 

 会社の役員や管理職の方々は、まつりの死に対して、心から反省をして、二度と犠牲者が出ないよう、決意していただきたいと思います。

 

 そして社員全ての人が、伝統を重んじることに囚(とら)われることなく、改善に向かって欲しいと思います。

 

 日本の働く人全ての人の意識が変わって欲しいと思います。

 

 以上

▼関連


時短・ワークシェアリングで若者の雇用は改善できる ? 若者の雇用をさらに破壊する「残業代ゼロ・過労死促進法」

 

日本の有給休暇の消化率が2016年調査で世界最下位、週60時間以上働く労働者の3割が1日も有休取得せず、欧州見習って有休完全取得すれば正規雇用を160万人創出できる

 

(井上伸)

 

2016-12-23 23:06:30

ブラック公務大賞は文科省=20代の教員20人が過労自殺、惹起させる松浦勝人エイベックス社長の主張

テーマ:霞が関・公務関連情報

  きょう「ブラック企業大賞2016」の発表がありました。大賞には電通が選ばれ、受賞理由は「ブラック企業大賞」のサイトで読むことができます。

 

 NHKは午後7時からのニュースでこの「ブラック企業大賞」の授賞式の様子を報道し、電通社員に対する取材を以下のように伝えました。

 

ブラック企業大賞 電通に
NHKニュース 12月23日

 

社員「体質は変わっていない」

 

 電通の現役の社員がNHKの取材に応じ、長時間労働の対策で一定の効果が出ているとする一方、家に持ち帰って仕事をする人が少なくないなど企業の体質は変わっていないと証言しました。

 

 電通では新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が去年、過労のため自殺した問題などを受けて夜10時以降の深夜勤務を原則、行わないなどの労働環境の改善に向けた取り組みを進めています。

 

 これについて今月、NHKの取材に応じた社員の1人は、「夜10時までという明確な残業規制が入ったため『あすまでにこれをやれ』と言って徹夜などを強いる理不尽な長時間労働は減っている」として対策で一定の効果が出ていると話します。

 

 一方で「企業の体質は全く変わっていない。人によってはどんどん持ち帰って仕事をしている現状がある。ファミリーレストランや自宅、喫茶店など外に仕事を持ち出して作業をやっていると聞いている」と話しました。

 

 さらに「体育会系という名目で正当化される理不尽なパワハラや人権を無視したひぼう中傷、暴言をはかれるといった企業文化は残っている。『俺はこれを乗り切ったんだからお前も乗り切れないと電通マンになれないんだぞ』といった企業風土は根深い」と話します。

 

 特に新入社員に対しては、まつりさんの過労自殺が明らかになる前はパワハラともとれる厳しい指導が行われていたということで、「仕事がきつい部署では新入社員は3か月全く休みがなく、土日も出勤し続けるのが当たり前で、指導という名のもとで個室に詰め込んで個人的なことまでひぼう中傷する言葉を浴びせ続けるということが起こっていた」と証言しました。

 

 そのうえで、「今回の件は電通の企業風土やパワハラが引き起こしたことで、犠牲者が出てしまったということを深く反省して社員一人一人が自分の言動をしっかりと見直してほしい」と話していました。

 

 

 これに続けて、NHKは教員の惨状も報道。昨年度(2015年度)の20代の公立教員の精神疾患は564人にのぼりこの10年間で2倍近く増加した上に(下のグラフ)、NHKの調査によると少なくとも20人が自殺していることが分かったとのこと。しかも、この20代の公立教員が20人も自殺していることを文部科学省は把握していないと報道していました。

 

 

 以前、書いた「突出した世界一の長時間労働でうつ病休職者10年で3倍増の日本の教員、教員の「うつ傾向」は一般企業の2.5倍←5年連続で世界一低い日本の教育への公的支出に加え財務省が教職員3万7千人削減ねらう倒錯の日本」という記事でも教員の惨状を指摘していますが、「ブラック企業大賞」にならってもし「ブラック公務大賞」があれば、文部科学省に決りです。そして、「ブラック公務大賞」の次点は非常勤職員=官製ワーキングプアの比率が今年5割を超え(下表参照、※私が作成したものです)、ハローワークの非常勤職員を何千人とパワハラ公募を実施し雇い止めしている厚生労働省です。(※参照→そりゃあんまりだ! 厚生労働省はブラック官庁=勝手に労働時間延長・非正規切り・民間企業以上の非正規率46%・ハローワーク職員の6割が官製ワーキングプア・ブラック企業なくす労働Gメン数はドイツの3分の1

 

 

 それから、エイベックス・グループ・ホールディングス代表取締役社長の松浦勝人氏がブログで、「労働基準監督署から是正勧告を受けた」ことに逆ギレして、「労働基準監督署は昔の法律のまま、今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない。」から「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」と主張。あわせて、次のように書いています。

 

僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。(中略)それぞれの業界にはそれぞれ特殊な事情がある。労働時間だけに縛られていたら為替のディーラーの人達は仕事にならなくなる。病院で働いている人は労働時間と治療とどちらを優先するべきか。美容師の人達、学校の先生、、、自分の夢を持ってその業界に好きで入った人たちは好きで働いているのに仕事を切り上げて帰らなければならないようなことになる。
(松浦勝人氏のブログ「労働基準法 是正勧告とは」より)

 

 先に紹介した20代の教員が20人自殺している問題で、一つのケースとして、NHKは、一昨年、自殺した福井県の中学校の教員の場合は時間外労働が月に最大161時間を超え、部活動や保護者の対応に追われていて、本人は日記に「子どものために」教員として頑張って働くというようなことを書いていたと報道していました。松浦勝人氏が言うところのまさに「社会貢献」という目標を持って「労働時間に縛られずに」「子どものために」を「優先して」「仕事を切り上げずに帰らず」に働いた結果、福井県の20代の教員は過労自殺へと追い込まれたのです。松浦勝人氏の主張は、ブラック企業経営者の典型ですが、労働者を過労死・過労自殺へと追い込む「やりがいの搾取」(本田由紀東京大学教授の指摘)にほかなりません。

 

▼関連
ワタミ問題から考える日本の雇用 ? 合法的に過労死・過労自殺を認めている日本社会の異常|河添誠氏×本田由紀氏

 

(井上伸)

いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
2016-12-16 13:05:02

日本の有給休暇の消化率が世界最下位、週60時間以上働く労働者の3割が1日も有休取得せず

テーマ:働くルールづくり

エクスペディア・ジャパンによるプレスリリースの一部です。

 

「世界28ヶ国 有給休暇・国際比較調査2016」  日本の有休消化率、2013年以来3年ぶりに最下位に
エクスペディア PR事務局 2016/12/15

 

世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパン(www.expedia.co.jp)では、毎年恒例の有給休暇の国際比較調査を実施しました。世界28ヶ国18歳以上の有職者男女計9,424名を対象とした2016年の結果を発表いたします。

 

日本の有休消化率、3年ぶりの最下位に!!

 

有給休暇取得の義務化など法改正の話題も出ている日本が、今年は3年ぶりに世界で最下位の有休消化率という結果になりました。 2013年以降回復を見せていた日本でしたが、昨年の60%を10%も下回り、そして2014年、2015年ワーストであった韓国を3%下回り世界最下位に返り咲くこととなってしまいました。

当たり前ですが、有給休暇取得率と労働時間には相関関係があります。厚生労働省の2016年版「過労死等防止対策白書」(2016年10月)によると、年次有給休暇の取得率が「0%」(ようするに1年間で全く有給休暇を取らなかった労働者)は、週60時間以上働いている労働者の27.7%にものぼっているのです(下のグラフ参照)。

 

 

そして、今回のエクスペディア・ジャパンの調査によると、日本の労働者が休みを取らない理由の第1位は「人手不足」です。

 

 

下の表にあるように、有給休暇の完全取得をはじめ、完全週休2日制の実施、所定外労働時間の削減による雇用創出効果は494万人となります。時短・ワークシェアリングは、雇用を劇的に改善でき、労働者のディーセント・ワークと豊かな暮らしをもたらします。

 

 

ところが、安倍政権はさらに日本に長時間労働を蔓延させようとしています。以前アップした「バカンスが30日間のフランス、夏休みが3日の日本」「フランスより2倍以上も働いている日本」のGDPがフランスより遥かに低い事実」の中ですでに指摘していますが、以下にあるように、有給休暇の取得率が世界最下位で長時間労働が突出して多い日本は、過労死・過労自殺・「心の病」を激増させ、労働者も壊し、経済も壊し続けているのです。さらにこれを安倍政権は「残業代ゼロ法案」で深刻化させようとしています。(井上伸

 

 

 

 

 


 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2016-11-29 15:30:16

アベノミクスで富裕層資産272兆円と過去最高、富裕層に6%課税するだけで消費税収は確保できる

テーマ:経済・財政・税制の問題

野村総合研究所が11月28日、2年ごとに調べている「富裕層アンケート調査」の結果を次のように公表しています。(以下は抜粋で転載)

 

日本の富裕層は122万世帯、純金融資産総額は272兆円

野村総合研究所「富裕層アンケート調査」(2016年11月28日)

日本の富裕層・超富裕層の世帯数は、2013年のピークを越えて増大

 

純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると、2015年時点で121.7万世帯でした(図1)。内訳は、富裕層が114.4万世帯、超富裕層が7.3万世帯です。

 

 

2013年の世帯数と比較すると、富裕層は20.0%、超富裕層は35.2%増加し、両者を合わせると20.9%増えました。NRIが同様の方法で推計を行ってきた2000年以降、ピークであった2013年の合計世帯数100.7万世帯を、約21万世帯上回っています。

 

富裕層・超富裕層の世帯数増加は、2013年から2015年にかけての株価上昇により、2013年時点では純金融資産が5,000万円以上1億円未満であった準富裕層と1億円以上5億円未満であった富裕層の多くが資産を増やして、それぞれ富裕層・超富裕層に移行したことが原因と見られます。

 

富裕層・超富裕層の純金融資産総額も増加が続く

 

2013年から2015年にかけて、富裕層および超富裕層の純金融資産総額は、それぞれ17.3%、2.7%増加し、合わせて12.9%増えました。2015年における富裕層および超富裕層の純金融資産総額272兆円は、NRIが推計した2000年以降のピークであった2007年の254兆円を上回っています(図2)。富裕層および超富裕層の保有する純金融資産保有額の増加は、前述のように、安倍政権下の経済政策(いわゆるアベノミクス)による株価上昇がこの期間続いたため、もともと富裕層および超富裕層の人々の保有資産が拡大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に移行したためと考えられます。

 

この野村総研のデータと、以前紹介した貯蓄ゼロ世帯のデータでグラフをつくってみたものが以下です。

 

 

上のグラフにあるように、2011年から2015年の変化を見ると、富裕層は40.7万世帯増の1.5倍増で、貯蓄ゼロ世帯は327.6万世帯増の1.2倍増と急増していることが分かります。まさに、富裕層と貧困層が増える格差の拡大となっているのです。ここで、世帯割合を見ると、資産1億円以上の富裕層は上のグラフの%の数字になりますが、ちなみに資産5億円以上の超富裕層の世帯割合は2011年は0.94%、2013年は1.45%、2015年は1.48%となりますので、ピケティは所得での上位「1%」に富が集中することを指摘していますが、資産での「1%」は5億円以上の超富裕層に相当することが分かります。

 

同じように、下のグラフは、富裕層の資産と貯蓄ゼロ世帯数を見たものです。ここでも富裕層資産は1.4倍増で貯蓄ゼロ世帯の1.2倍増に比例して増えています。

 

 

財務省のサイトにアップされている2016年度の「第2次補正後予算」を見ると、消費税収17.1兆円、法人税収12.2兆円、所得税収17.9兆円です。富裕層の資産272兆円に6%程度課税するだけで消費税収をまかなえる規模になるのです。そして、6%程度の資産課税というのは、下のグラフ群にあるように、富裕層の税負担が貧困層より軽い事実を踏まえるなら、不当な課税とは言えないと思います。

 

 

 

関連
◆日本をタックスヘイブン化するアベノミクス=貧困層より税金が軽い富裕層、零細企業より法人税が軽い大企業、社会保障には財源がないと言い、財源は貧困層から収奪する消費税増税というディストピア日本

 
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2016-11-24 10:17:16

長時間労働で睡眠6時間未満4割、主要国で睡眠時間が最も短い日本で多発する自殺・過労死・精神障害

テーマ:働くルールづくり

NHKの報道です。

 

1日の平均睡眠時間 成人の約4割“6時間未満”
NHKニュース 11月19日 4時20分

 

1日の平均睡眠時間を厚生労働省が調査したところ、成人のおよそ4割が「6時間に満たない」と回答したことがわかりました。睡眠時間の妨げになっている要因では仕事や家事という回答が多く、厚生労働省は、背景に長時間労働や共働きの増加があると分析しています。

 

厚生労働省は、睡眠時間や健康状況などについて毎年アンケート調査を行っていて、去年11月に全国のおよそ3500世帯から回答を得ました。

その結果、成人の中で1日の平均睡眠時間が「6時間に満たない」と回答した人は39.5%と、前の年を2.9ポイント上回り、調査を始めた平成17年以降で最も多くなりました。

 

このうち、「睡眠時間が足りなかった」と回答した人は男性で34.6%、女性で39.5%で、「日中に眠気を感じた」と回答した人も男性で44.5%、女性で48.7%に上りました。

 

また、睡眠時間の妨げになっている要因を複数回答で聞いたところ、男性では「仕事」が37.7%で最も多く、次いで「健康状態」が14%でした。

 

一方、女性では「家事」が21%で、「仕事」が19.7%でした。

 

厚生労働省は、睡眠時間が短い背景には長時間労働や共働きの増加があると分析したうえで、「健康を維持していくために睡眠時間の十分な確保に必要な施策を検討したい」と話しています。

国立精神・神経医療研究センターの研究によると、ウィークデイに相当するわずか5日間の睡眠不足により、不安・抑うつ傾向が強まり、不安障害や気分障害(うつ病)のリスクが高まることが分かっています。また、厚生労働省研究班が救命救急センターに運ばれた自殺未遂者を対象として行った調査によると、自殺者の平均睡眠時間は5時間と短いことが分かっています。

 

そうすると、睡眠時間が短いことは自殺のリスクにつながるのだろうと今回の厚労省「国民健康・栄養調査」の睡眠時間データでグラフをつくってみました。

 

 

上のグラフは、今回の厚労省調査の2015年の年齢別で睡眠6時間未満の割合(男性)と、厚労省「自殺対策白書」の年齢別自殺死亡率を見たものです。明らかに睡眠時間が短いと自殺率が高いということが分かります。

 

男性では睡眠の妨げになっている要因は長時間労働ですから、「過労死等防止対策白書」で紹介されている総務省「労働力調査」の1週の就業時間が60時間以上の割合と自殺死亡率でグラフをつくってみたものが以下です。

 

 

長時間労働と自殺率の高さは相関しています。それから、過労死・過労自殺についてもグラフをつくってみたものが以下になります。

 

 

そして、下図にあるように、日本の睡眠時間はOECDによると男女ともに国際的に最も短くなっているのです。自殺・過労死・過労自殺・精神障害をなくすためにも、心身の健康のためにも、長時間労働の是正は急務なのです。

 

 

関連
◆#与党が勝つと残業代ゼロになります #与党が勝つと過労死・過労自殺・心の病が激増します 今でも日本の男性の労働時間はフランスの2倍以上


◆「バカンスが30日間のフランス、夏休みが3日の日本」「フランスより2倍以上も働いている日本」のGDPがフランスより遥かに低い事実


◆時短・ワークシェアリングで若者の雇用は改善できる ? 若者の雇用をさらに破壊する「残業代ゼロ・過労死促進法」


◆過労死で毎日1人以上の労働者の命を奪い続けている日本、電通過労自死事件はこの10年間毎日起こり続けている過労死のひとつ

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2016-11-16 14:38:23

富裕層上位40人の資産が日本の人口の半分(6千万人)の資産と同じ、アベノミクスで貧困と格差が拡大

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

日本経済新聞の報道です。

 

家計の金融資産1割減 平均1078万円、株安響く
日本経済新聞 2016/11/4 20:49

 

 金融広報中央委員会は4日、2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」を公表した。2人以上の世帯が保有する金融資産は平均で1078万円と前年比10.8%減り、04年以来12年ぶりの低水準に沈んだ。株価下落や収入減で資産の取り崩しが進んだ。

 

 調査は6月17日~7月26日に7808世帯を対象に実施し、3497世帯から回答を得た。

 

 金融資産は8年ぶりの高水準だった15年(1209万円)から131万円減った。調査期間の日経平均株価は平均で1万5941円と前年(2万357円)から2割強下落。株安で金融資産の評価額が目減りした。

 

 金融資産を保有していない世帯は30.9%と前年から横ばい。過去最高の13年(31.0%)に次ぐ高水準だった。金融資産を保有する世帯に絞ると、保有額は平均で1615万円。前年(1819万円)から1割強減った。株式や債券などの有価証券だけでなく、生命保険なども含む全金融商品の保有額が減少した。金融資産の保有目的としては「老後の生活資金」が70.5%と最も高く、過去最高になった。

 

 この「家計の金融行動に関する世論調査」で最も注目するデータは、「金融資産を保有していない世帯」=貯蓄ゼロ世帯の割合です。「単身世帯」と「二人以上世帯」の貯蓄ゼロ世帯の割合の推移をグラフにしてみたものが以下です。

 

 

 上のグラフを見ると、2013年からのアベノミクスで貯蓄ゼロが増加に転じています。とりわけ単身世帯の貧困化が急激に進んでいることが分かります。この単身世帯を「金融資産保有額別」に見たものが下のグラフです。

 

 

 上のグラフを見れば分かるように、2013年からのアベノミクスで貯蓄ゼロが大幅に増え続ける一方で、貯蓄3千万円以上の富裕層が増加するという典型的な貧困と格差の拡大となっています。とりわけ単身世帯の貧困化が進んでいることは、「家族の支えあい」にすり替えて社会保障削減を行う安倍政権の「絆原理主義」のあらわれと言えるのではないでしょうか。

 

 「家計の金融行動に関する世論調査」は、「単身世帯」と「二人以上世帯」のデータがあるわけですが、これに厚生労働省の「国民生活基礎調査」による世帯数をかけあわせて計算すると全世帯の割合を求めることができます。(※ただし、「国民生活基礎調査」の世帯数は最新が2015年ですので、2015年の世帯数データを使っていることに注意ください。過去にこのブログで何度か「貯蓄ゼロ世帯数」を紹介していますが、数字が違ってくるのはその時点での「国民生活基礎調査」の最新の世帯数を使っているからです)

 

 

 上のグラフにあるように、全世帯で見てもアベノミクスによって貯蓄ゼロが急増しています。そして、貯蓄が400万円以下の世帯が減って貯蓄ゼロ世帯が増えていることが分かります。

より具体的にイメージできるよう世帯数に換算した推移と、フォーブス誌の2016年の日本長者番付から富裕層上位40人の資産の推移をグラフにしてみたものが以下になります。

 

 

上のグラフにあるように、アベノミクスで富裕層上位40人の資産は1.9倍に増え、逆に貯蓄ゼロ世帯は427.4万世帯も増えているのです。そして、富裕層上位40人の資産14.5兆円は、全世帯の下から半分の世帯の金融資産額(預貯金等)に相当するのです。総務省によると10月1日現在の日本の総人口は1億2693万人。その半分は、6346.5万人ですから、富裕層上位40人の資産は、6346.5万人の資産と同じだということになります。

 

2016-11-10 11:25:29

電通過労自死事件、母親の願い「パワハラ許さず残業隠しが再び起こらないようインターバル制度導入を」

テーマ:働くルールづくり

昨日(11月9日)、厚生労働省主催の「過労死等防止対策シンポジウム」が東京都内で開かれ、過労自死した電通社員、高橋まつりさんの母、幸美さんが発言されました。発言の全文を紹介します。(※私たち国公の仲間の飯塚盛康さんが起こしたものをご本人の了解を得て転載させていただきます)

 

【※「過労死等防止対策推進シンポジウム」中央開催での、第二の電通事件の高橋まつりさんのお母さん幸美さんの発言を起こしました。途中からは泣きながら起こしていました。(飯塚盛康)】

 

娘の名前は高橋まつりと言います。

 

娘は昨年12月25日、会社の借上げ社宅から投身し、自らの命を絶ちました。

 

3月に大学を卒業し、4月に新社会人として希望を持って入社してから、わずか9カ月のことでした。

 

娘は高校卒業後、現役で大学に入学しました。大学3年生の時は文部科学省の試験に合格して、1年間北京の大学に国費留学しました。

 

帰国後も学問に励み、その後人一倍のコミュニケーションの能力を活かして、就職活動に臨みました。そして、早い時期に内定をもらい大手広告代理店に就職しました。

 

娘は、日本のトップの企業で国を動かすような様々なコンテンツの作成に関わっていきたい。自分の能力を発揮して社会に貢献したいと夢を語っていました。

 

入社してからの新人研修でも積極的にリーダーシップをとり、班をまとめた様子を話してくれました。

 

「私の班が優勝したんだよ。」と研修終了後にはうれしそうに話してくれました。

 

「憧れのクリエイターさんに何回も褒められたのを励みに頑張るよ」と希望に満ちていました。

 

5月になり、インターネット広告の部署へ配属されました。「夜中や休日も仕事のメールが来るので、対応しなければならない」と言っていました。締め切りの前日は、終電近くまで頑張っていましたが、夏頃からたびたび深夜まで残って仕事をするようになりました。

 

週明けに上がってきたデータを分析して報告書を作成し、毎週クライアントに提出する仕事に加え、自宅に持ち帰って論文を徹夜で仕上げたり、企画書を作成していました。

 

10月に本採用になると、土日出勤、朝5時帰宅という日もあり、「こんなにつらいと思わなかった。今週10時間しか寝てない。会社辞めたい。休職するか退職するか自分で決めるので、お母さんは口出ししないでね。」と言っていました。

 

11月になって、25年前の過労自殺の記事を持ってきて、「こうなりそう」と言いました。私は「死んじゃだめ。会社辞めて」と何度も言いました。

 

その頃、先輩に送ったメールに「死ぬのにちょうどいい歩道橋を探している自分に気が付きます」とあります。

 

SNSにはパワハラやセクハラに個人の尊厳を傷つけられていた様子も書かれていました。

 

私には、「上司に異動できるか交渉してみる。出来なかったら辞めるね」と言っていましたが、仕事を減らすのでもう少し頑張れということになったようです。

 

しかし、12月には娘を含め、部署全員に36協定の特別条項が出され、深夜労働が続きました。その上、数回の忘年会の準備にも土日や深夜までかかりきりになりました。

 

「年末には実家へ帰るからね、お母さん。一緒に過ごそうね」と言ったのに、クリスマスの朝、「大好きで大切なお母さん、さようなら。ありがとう。人生も仕事も全てがつらいです。お母さん、自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールを残して亡くなりました。

 

社員の命を犠牲にして業績を上げる企業が、日本の発展をリードする優良企業だと言えるでしょうか。

 

有名な社訓には取り組んだら放すな。死んでも放すな。目的を完遂するまではとあります。

命より大切な仕事はありません。娘の死は、パフォーマンスではありません。フィクションではありません。現実に起こったことです。

 

娘が描いていたたくさんの夢も、娘の弾けるような笑顔も、永久に奪われてしまいました。

結婚して子どもが産まれるはずだった未来は、失われてしまいました。

 

私がどんなに訴えかけようとしても、大切な娘は二度と戻ってくることはありません。手遅れなのです。自分の命よりも大切な娘を突然なくしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。

 

だから、同じことが繰り返されるのです。

 

今、この瞬間にも同じことが起きているかもしれません。

 

娘のように苦しんでいる人がいるかもしれません。

 

過労死過労自殺は、偶然起きるのではありません。

 

いつ起きてもおかしくない状況で、起きるべくして起きているのです。

 

経営者は社員の命を授かっているのです。

 

大切な人の命を預かっているという責任感を持って、本気で改革に取り組んでもらいたいです。

 

伝統ある企業の体質や方針は一朝一夕に変えられるものではありません。

 

しかし、残業時間の削減を発令するだけでなく、根本からパワハラを許さない企業風土と業務の改善をしてもらいたいと思います。

 

残業隠しが、再び起こらないように、ワークシェアや36協定の改革、インターバル制度の導入がなされることを希望します。

 

そして、政府には国民の命を犠牲にした経済成長第一主義ではなく、国民の大切な命を守る日本に変えてくれることを強く望みます。

 

ご清聴ありがとうございます。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。