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2018-04-20 14:03:29

麻生財務相「5年前より悪いのは運ない」→賃金も消費も最低、富裕層40人が全世帯の資産の半分を独占

テーマ:経済・財政・税制の問題

 麻生太郎財務大臣が「5年前より今の方が悪いという人は、よほど運がなかった」、「ほとんどの(経済統計の)数字は上がってますから」と発言(4月17日、吉田博美参院幹事長のパーティーのあいさつで発言)しています。本当でしょうか? 政府統計等で検証してみましょう。

 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の実質賃金の直近データでグラフを作ると以下になります。

 



 上記を見れば一目瞭然、厚労省データでさかのぼれる実質賃金で過去最低です。(※関連→「安倍政権の4年間で労働者の賃金は54万円消えた――過去最低の実質賃金と過去最高の内部留保を生んだアベノミクス」)

 総務省の「家計調査」の家計消費指数の直近データでグラフを作ると以下になります。



 実質賃金が過去最低になっているので当たり前ですが、家計消費も上記にあるようにデータでさかのぼれる36年間で最低にしたのが安倍政権です。(※関連→「史上最悪の消費不況もたらした安倍政権=リーマンショック超えた家計消費支出15カ月連続減、35年間で最低の消費支出となった2016年」)

 それから、「フォーブス」誌のデータ金融広報中央委員会厚労省データから作ったグラフが以下です。

 



 安倍政権の5年間で、貯蓄ゼロ世帯数は401.2万世帯も増加し(割合のポイントは7.4ポイントも増加)、逆に富裕層上位40人の資産は2倍と倍増しています。そして、日本において富裕層上位40人の資産が半分の世帯(2,607万世帯)の資産と同じになってしまっているのです。

 下のグラフにあるように、安倍政権5年の激増ベスト3は富裕層資産・大企業役員報酬・自民党への献金、労働者には非正規化・賃下げ・貧困・過労死、自民党が選挙に勝って得するのは富裕層と大企業役員だけです。(※このグラフは私が作成したものですが、2017年10月時点の直近データによるものなので一部のデータはすでに古くなっています。今度、時間が取れたときに更新作業をしたいと思っています)

 



 統計データがこんなありさまですから、はるさんが指摘されているように、世論調査からは景気の回復を実感していない層が圧倒的多数であることが以前から明らかです。

 麻生太郎財務大臣の「5年前より今の方が悪いという人は、よほど運がなかった」、「ほとんどの(経済統計の)数字は上がってますから」は大ウソで、「5年前より今の方が良いという人は、自民党が選挙に勝って得した富裕層と大企業役員だけ」というのが「ほとんどの(経済統計の)数字が示す事実ですから」。

(井上伸)

2018-04-19 12:45:39

本省庁の女性職員4人に1人がセクハラ被害、“最強官庁”財務省がセクハラ二次被害を拡散し続ける異常

テーマ:霞が関・公務関連情報

 国家公務員は憲法第99条において「憲法を尊重し擁護する義務を負う」と明記されています。国家公務員は国民の基本的人権を守るのが仕事なのに、「官庁の中の官庁」「最強官庁」であり、国民の基本的人権を守るための徴税と再分配機能の要となる財務省の事務方トップである福田淳一事務次官が、人権侵害であるセクハラを恒常的に行っていたことが明らかになり辞任を表明するにいたりました。

 しかし、福田氏はテレビ朝日による会見(テレ朝の女性記者がセクハラ会話を録音したデータを新潮社に提供していたことを明らかにした会見)を経ても、「録音は相手が話しているところをとっていないので、全体を見てほしいというのは前から申し上げている。全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのはわかるはずです」、(「セクハラで辞任するのではないのか」という質問に対して)「違います。こういう状況になっていて仕事にならないので辞めます」となんら反省がないどころか逆ギレしたままです。財務省も公式サイトに人権侵害の二次被害(セカンドハラスメント)となる「調査」を継続しています。セクハラ告発の女性に名乗り出ることを求める調査方法を撤回しないということは、日本の「官庁の中の官庁」「最強官庁」と事務方トップがこの期に及んでもセクハラを人権侵害と認識し反省しないばかりか継続して人権侵害となる二次被害を拡散していることは異常としか言いようがありません。

 福田氏は、マスコミからセクハラに対する認識が甘いのではないかと指摘されて、「(自身がコメントで発表した)『言葉遊び(を楽しむことはある)』のところがご批判を受けている。なるほど、今の時代ならそんな感じなのかなと思いました」と語ったとのことですが、これが「官庁の中の官庁」「最強官庁」の事務方トップの発言なのかと驚愕しました。こんな官庁のセクハラ実態はどうなっているのか誰もが気になるところだろうと思います。官庁で働く国家公務員で組織する国公労連はじつはちょうどこれから新しいセクハラ・パワハラ実態調査を始めるところなのですが、前回の実態調査結果がありますので紹介しておきます。

 国家公務員の職場でのハラスメントの実態を明らかにし、政府・人事院に対する施策の強化等を求める根拠として活用することを目的に、2011年2月下旬から3月にかけて「セクハラ・パワハラ実態調査」を実施しました。

 職場の実態を把握するため、正規職員だけでなく非常勤職員や派遣職員など官庁で働く労働者を対象に、全体で2.075人から回答を集約しました。その内訳は以下になります。



 2,075人中、セクハラを受けたことがある職員は188人9.1%でしたが、女性に限ると19.5%がセクハラを受けています。また、本省庁の女性に限ると23%がセクハラを受けており、およそ4人に1人弱がセクハラを受けたことがあるという実態がわかっています。本省庁職場は、「時給500円で働く霞が関の国家公務員、ノンキャリをうつ病に追い込むキャリア官僚「クラッシャー」の跋扈、窓から飛び降りた方が楽と思わせる不眠不休の霞が関不夜城」と呼ばれ、長時間労働が酷いわけですが、同時に女性へのセクハラも酷い状況になっているわけです。

 モリカケ問題、公文書改ざん、虚偽答弁、ノンキャリ職員の自殺昭恵氏による下僕化、そして今回の事務方トップによるセクハラと二次被害という人権侵害の拡散。続発する問題の中で、国家公務員のあり方、行政のあり方が根本から問われ、現場の国家公務員へのしわ寄せによる長時間労働が蔓延するなか、一連の問題の改善を訴え国公労連は5月9日に霞が関総行動を実施する予定です。

(井上伸)

2018-04-18 17:07:47

セクハラ加害者・福田事務次官と一体になってセカンドハラスメントを行う財務省・麻生財務大臣

テーマ:霞が関・公務関連情報

 セクハラ被害者がその事実を訴えることで、逆に二次被害を受けることをセカンドハラスメント(セカハラ)と言いますが、今回の福田淳一財務事務次官と財務省、麻生太郎財務大臣の対応はセカンドハラスメントに当たると思います。

 前の記事「「お店の女性」や「仲間内」ならセクハラOKとする福田財務事務次官・麻生財務大臣・安倍首相」に続き、今回は財務省によるセクハラ被害者に名乗り出ることを求める調査がセカンドハラスメントになるという問題についてです。

 いま財務省の調査について批判が巻き起こっていることは東京新聞のツイートでよく分かります。

▼東京新聞のツイート
https://twitter.com/tokyoseijibu/status/986393509161660416



 マスコミ報道によると、麻生太郎財務大臣は4月17日、財務省の顧問弁護士が調査するのは公平ではないという指摘に対して、「女性が名乗り出やすいように第三者である女性の弁護士も入れて対応する」と述べ、調査の進め方に問題はないという認識を示したとのことです。

 麻生財務大臣は「第三者である女性の弁護士」だから名乗り出やすいなどと言っていますが、「財務省の顧問弁護士」は、財務省(麻生財務大臣)の省益を最大限にするのが仕事であって、財務省職員のセクハラ問題を公平・公正に扱うことが仕事ではありません。弁護士には守秘義務があるではないか、という方がいますが、財務省の顧問弁護士が守秘義務を負うのは依頼者の財務省(麻生財務大臣)になりますから、名乗ってきた女性記者に対して守秘義務が生じることにはなりません。

 加えて、財務省の省益を守るための仕事をしている顧問弁護士に女性記者が名乗り出なければ、福田事務次官のセクハラはそもそもなかったことになると麻生財務大臣は言っているわけです。


 財務省を民間企業に置き換えてみるとこうなります。平気で決算書なども改ざんし、それによって社員に自殺も強いるブラック企業の専務(福田事務次官)が下請企業からセクハラを告発され音声データも公表されたのに、社長(麻生財務大臣)が「専務は下請企業を名誉毀損として提訴準備中だが、わが社の顧問弁護士には女性もいるからセクハラ被害者は名乗り出ろ。名乗り出ないなら専務によるセクハラはそもそもなかったことになる」と豪語していることになります。(※森友公文書改ざんとノンキャリ職員の自殺まで引き起こした財務省をブラック企業に置き換えることに異論がある方はあまりいないと思いますが、マスコミをその下請企業とまでしてしまうのはやり過ぎですね。ここでは分かりやすさを優先したということでご了承を)

 これが、セクハラ被害者への恫喝、セカンドハラスメントでなくて何と言うのでしょうか? また、マスコミに対する恫喝でなくて何と言うのでしょうか? 少なくとも財務省は、セクハラ被害者に対して、セクハラ被害者側の弁護士を通じて匿名でいいので福田事務次官のセクハラ問題の検証に協力して欲しいとするべきだと思います。(※ぜひご協力ください→ネット署名「財務省は、セクハラ告発の女性に名乗り出ることを求める調査方法を撤回してください!!」

(井上伸)

2018-04-17 01:20:49

「お店の女性」や「仲間内」ならセクハラOKとする福田財務事務次官・麻生財務大臣・安倍首相

テーマ:霞が関・公務関連情報

 福田淳一財務事務次官がこのまま財務省という行政の根幹の事務方トップを担い続けることは、さらに行政を歪めて日本をセクハラ容認社会、構造的な女性差別社会へと一層陥れるものになると思います。いま事務次官の人事は内閣人事局が掌握しているので福田事務次官の人事は麻生財務大臣だけでなく安倍首相自身にも直接責任がある問題でもあります。

 まず、時系列を見てみましょう。

 ◆4月11日 デイリー新潮が「女性記者に「胸触っていい?」「浮気しよう」 財務省トップがセクハラ発言」記事を掲載

 ◆4月12日 麻生太郎財務大臣は福田財務事務次官に対し「財務省が置かれている状況を考え緊張感を持って対応するよう訓戒を述べた」。福田氏から記事に関する報告を受け「訓戒で十分だと思っている」と強調。追加の調査や処分はしない考えを示した。福田氏は「(セクハラと指摘された)やりとりは定かではないが、誤解を受けることのないよう気をつけたい」と謝罪したという。(共同通信)

 ◆4月13日 デイリー新潮が「「財務省トップ」福田淳一事務次官のセクハラ音源公開!
  ※この音源の中で新潮の記者に対して、福田事務次官は「そんなこと言ってないよ、失礼な」と激怒。

 ◆4月16日 福田事務次官、セクハラ否定「事実と相違、提訴準備」
 「女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」とのコメントを発表。(ロイター)
 財務省が公式サイトに「福田事務次官に関する報道に係る調査について」をアップ

 財務省サイトにアップされた「調査」の「福田事務次官からの聴取結果」には、「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない。しかしながら、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない。」などと書かれています。

 以上が時系列ですが、4月12日の時点で、麻生財務大臣は福田事務次官に「訓戒」をして、福田事務次官は「謝罪」しています。この「訓戒」と「謝罪」は何に対して行われたのでしょうか? 福田事務次官の言葉によると(セクハラを行ったと)「誤解を受け」ていることに対してのようです。

 セクハラ音源が公開された4月13日には「そんなこと言ってないよ、失礼な」と福田事務次官は激怒。この対応で、セクハラ音源が事実だとすると酷い行為だということを自らも認識していることが分かります。

 ところが、4月16日になって福田事務次官は要するに女性記者にはセクハラしていないが、「お店の女性と言葉遊びを楽しむ」か「仲間内の会話」だったのだから何も問題はないのだと方向転換しています。さて、このセクハラ音源は問題がないのでしょうか?

 以前書いた「麻生財務大臣による福田事務次官のセクハラ容認は財務省だけでなく日本全体のセクハラ容認につながる」の中で、紹介したように、国家公務員の「懲戒処分の指針」のセクハラ行為のところには、「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」と明記されています。

 福田事務次官は公開された音源の中で、「旦那は浮気しないタイプなの?」「予算通ったら浮気するか」「胸触っていい?」「手縛っていい?」と言い、女性は「そういうこと本当やめてください」と拒否しています。

 これが、国家公務員の「懲戒処分の指針」にある「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞を繰り返した職員」でなくて何だというのでしょうか?

 また、「お店の女性と言葉遊びを楽しむ」とか「仲間内の会話」ならこれはセクハラでも何でもないと福田事務次官も財務省も麻生財務大臣も主張していることになりますが、こんなことが許されていいのでしょうか? 「お店の女性」でも「仲間内」でも「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞を繰り返した職員」にかわりはないのです。

 それから、福田事務次官は「お店の女性と言葉遊びを楽し」んでただけなのだから問題ないと強調したいようですが、「旦那は浮気しないタイプなの?」「予算通ったら浮気するか」などという会話を「お店の女性」とするというのも違和感があるように思います。この点でも既婚の女性記者に対するセクハラ発言といえるのではないでしょうか。重ねて「お店の女性」に対してならセクハラをしてもいいとは国家公務員の「懲戒処分の指針」には書いていませんからセクハラに当たります。

 これも前の記事で紹介していますが、男女雇用機会均等法11条で事業主はセクハラ対応措置をとる義務があって、具体的に厚生労働省は10項目をあげています。その6つめの項目には「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」があり、「行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、均等法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。」が示されています。今回の福田事務次官による「提訴すべく準備を進めている」ことにあわせ、女性記者には調査に協力するよう求めていることは、被害者に対する「脅し」「恫喝」にほかならず、厚労省が義務づける「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」とは全く真逆と言わざるを得ません。また、9つめの項目には「当事者等のプライバシー保護のための措置の実施と周知」や、最後の10番目の項目には「相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発」として、「労働者が職場におけるセクシュアルハラスメントに関し相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。」となっているのに、この点についても加害者側である財務省が用意した弁護士で被害者側の「プライバシー保護のための措置」や「不利益な取扱いを行ってはならない」などがきちんと担保できるとは到底思えません。被害者保護もせず、セカンドレイプ的発想で福田事務次官を擁護する財務省は最悪だと思います。

 厚労省が事業主の義務とする10項目の1つめの「セクハラの内容、あってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」と、2つめの「行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発」という最も基本的なことが、安倍政権、麻生財務大臣にはできていないのです。男女雇用機会均等法のセクハラ対応措置すらとらず、セクハラ根絶どころか、セクハラがまかり通る社会、セクハラ容認社会を広げる安倍政権に「女性活躍」推進などできるわけがありません。

(井上伸)

2018-04-16 17:40:06

自殺した近畿財務局職員Aさんは安倍政権・財務省による森友公文書改ざんと自分への責任転嫁に絶望した

テーマ:霞が関・公務関連情報

 『文藝春秋』5月号に、森友公文書改ざん問題にかかわって自殺した近畿財務局職員の父親の手記「息子は改ざんを許せなかった――誰が指示したのか。真相を究明してほしい」が掲載されています。この手記を読んだ全経済産業省労働組合副委員長の飯塚盛康さんが感想を書いてくれたので以下紹介します。

 『文藝春秋』5月号に「自殺・近畿財務局職員父親の慟哭手記 息子は改ざんを許せなかった――誰が指示したのか。真相を究明してほしい」が掲載されました。

 自殺した近畿財務局の職員Aさんは1962年もしくは63年に(享年55歳)岡山県の会社員の長男として生まれ、決して裕福とはいえない家庭でしたが、本を読むのとスポーツが大好きで元気で明るい子どもに育ったそうです。

 Aさんには弟さんがいて、お父さんは積極性があるAさんは大学に行かなくても職に就けるが弟さんは大学に行かせなければ仕事に困ると思って、Aさんの大学進学を諦めさせました。そしてAさんは文句を言うこともなく18歳で国鉄に勤務しました。

 国鉄分割民営化による人員整理のため、国鉄等職員再就職計画によって1987年にAさんは財務省に入省しました。初任地は島根県の財務事務所で、その後は和歌山、京都の後は霞が関の本省に長く勤務した後、10年ほど前に近畿財務局に転勤し、現在に至っています。

 Aさんは国鉄の民営化による再就職計画によって国の機関に転職しましたが、それ以前には林野庁の廃止、最近では農水省の食糧事務所の廃止によって国の機関に転職する人はいました。

 私が勤務していた関東経済産業局にも林野庁、国鉄、食糧事務所からトータルで20名を超える人が転職してきましたが、共通していえることは、全員真面目で優秀な人だということです。なかには管理職だった人も関東経済産業局では補佐あるいは係長になるのですが、それでも腐ることもなく、単身赴任の不自由な生活にも不平を言わず真面目に働く人ばかりでした。

 彼らは全員労働組合に加入してくれたので、何度も話をしたことがあるのですが、「仲間の中には、どうしても転勤ができずに辞めざるを得なかった人もいる中で、自分たちは国の機関に再就職させてもらっただけで感謝している。自分たちは外様なので、この職場のために一生懸命に働きます」と言うのです。Aさんの財務省に対する思いも同じだったのではないかと思います。

 Aさんは京都に勤務していた時に大学の夜間部に入学したそうです。大学に行きたいという夢をかなえるためだけでなく、真面目なAさんは財務省の仕事をもっと深めて、役に立ちたいとの思いで大学に入学したのではないかと思います。

 Aさんは公文書の改ざんが行われた頃から、毎日午前2時3時の帰宅が続き、その後休職し、3月2日に朝日新聞が決裁文書の改ざんを報道した数日後に自殺しました。

 自殺したAさんは「決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われて上司に書き直させられた」「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」「このままでは自分一人の責任にされてしまう」というメモを残していたそうです。

 財務局の仕事に誇りを持って真面目に仕事をしていたAさんにとって、こんな不正行為をやらされただけでなく、その責任をAさん一人に負わせようとした近畿財務局、財務省に絶望したのではないかと思います。

 国家公務員は一握りのキャリアの下に何万人というノンキャリ職員が、地味な仕事をコツコツと真面目にやっています。

 Aさんと同じ50代でノンキャリ課長補佐だった私は、国会で総理大臣が「私か妻が関わっていたら議員も総理大臣も辞めますよ」と言ったワンフレーズのために、キャリア官僚が国会でウソの答弁を繰り返し、ノンキャリ職員が不正な行為をやらされて自殺に追い込まれたことを許すことができません。(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)

2018-04-13 19:21:04

麻生財務大臣による福田事務次官のセクハラ容認は財務省だけでなく日本全体のセクハラ容認につながる

テーマ:霞が関・公務関連情報

 公文書改ざんなど森友問題に揺れる財務省の事務方トップの福田淳一事務次官が繰り返していたセクハラが明るみに出ています。福田財務事務次官が女性記者に対して「胸触っていい?」と言っている「セクハラ音源」がデイリー新潮のサイトに公開されたのです。

 ところが、麻生太郎財務大臣は、「本人の実績を踏まえれば、あの一点をもって能力に欠けると判断しているわけではない」などとして、処分の必要はないとの考えを示しています。

 セクハラをしても「本人の実績を踏まえれば」「処分の必要はない」などということが、国家公務員の職場でまかり通るものなのでしょうか?

 国家公務員に対する「懲戒処分の指針」(人事院事務総長発、最終改正:2016年9月30日)に、以下の「セクシュアル・ハラスメント」の項目があります。

 

 (13) セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)

 ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
 イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。
 ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。


 今回の福田財務事務次官のケースは、上記の「イ」の「わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」に当てはまりますから、「停職又は減給」処分をする必要があるのです。

 それから、政府・厚生労働省は、セクハラ予防対策は事業主の義務とする男女雇用機会均等法の第11条に基づいて、「事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!」というパンフレットを発行しています。その冒頭で厚労省は次のように指摘しています。

 

 職場におけるセクシュアルハラスメントについて必要な対策をとることは事業主の義務です。必要な措置は10項目あります。
 職場でのセクシュアルハラスメントは、働く人の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、働く人が能力を十分発揮することの妨げにもなります。それはまた、企業にとっても、職場秩序の乱れや業務への支障につながり、社会的評価に悪影響を与えかねない問題です。
 男女労働者がセクシュアルハラスメントのない職場でいきいきと働くことができる雇用管理の実現に向けて、法に沿った対策はもちろんのこと、自社に合ったより効果的な対策に積極的に取り組みましょう。

 そして、事業主の義務として10項目のセクハラ対策が必要だとして、その10項目の1つめに「事業主の方針の明確化及びその周知・啓発」を厚労省はあげ、「セクシュアルハラスメントに当たる性的な言動をした場合に具体的にどのような対処がなされるのかをルールとして明確化し、労働者に認識させることによってセクシュアルハラスメントの防止を図ること」が必要だとしています。これは国家公務員の場合は、上記で紹介した「わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」という「具体的な対処」を行うことによって、セクハラの防止を図ることが必要だということになります。

 以上、見てきたように、麻生財務大臣の「本人の実績を踏まえれば、あの一点をもって能力に欠けると判断しているわけではない」などということは、国家公務員の「懲戒処分の指針」にも反しますし、セクハラ予防対策は事業主の義務とする男女雇用機会均等法と、政府・厚労省が事業主にセクハラ対策を義務としている点とも反します。麻生財務大臣による福田財務事務次官のセクハラ容認は、国家公務員の職場をセクハラ容認職場とする上に、政府・厚労省として行っている日本社会におけるセクハラ防止対策をも蹂躙するという2重の意味でセクハラ容認社会を推進するものです。

 ブラック企業被害対策弁護団代表の佐々木亮弁護士の次のツイートが問題を端的に言い表しています。麻生財務大臣はただちに福田財務事務次官を処分すべきです。


https://twitter.com/ssk_ryo/status/984597104369647616
https://twitter.com/ssk_ryo/status/984596244763852801

(井上伸)

2018-04-05 12:45:34

安倍首相が配った「おにぎり」は昭恵氏に注がれた1億円の結晶(谷査恵子氏ら昭恵氏付職員の汗の結晶)

テーマ:霞が関・公務関連情報

 昨年の総選挙公示日の10月10日、安倍晋三首相が福島市で演説した際、集まった有権者におにぎりを配ったとして、福島県警が公選法違反容疑で宍戸一照福島市議を事情聴取されていたことが各マスコミで報道されています。毎日新聞はそのときに動画も公開しています。(→毎日新聞:「おにぎり、食べてって下さい~!」安倍総理注目の第一声ですから、動画でばっちり撮っていました。

 そして、佐藤正久参院議員は、自らツイートで「【安倍総裁、福島市佐原での第一声、おにぎり、お酒、福島の米を通じた復興支援のアピールに感謝】昭恵夫人も田植えから稲刈りまで関与している福島の米「吾妻の輝き」、それを使ったおにぎりを食べ、お酒の宣伝も入れた復興支援にかける思い、佐藤の両親を含む約500名の聴衆も感動した模様。感謝」と書いています。

▼佐藤正久参院議員のツイート



 ここで前回の記事「昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性」のおさらいです。

 安倍政権は昭恵氏を「私人」と閣議決定したけれど、昭恵氏には「総理公務補助」をする役割があるため、「総理公務補助の支援」を行う昭恵氏付職員(国家公務員5人で人件費1億1千万円を投入)を日本で初めて常勤として運用しました。

 これを、今回の「おにぎり事件」で考えてみましょう。安倍晋三氏には首相と自民党総裁の2つの立場があります。安倍晋三氏は選挙戦においては、首相の立場ではなく自民党総裁の立場で第一声を行ったことになります。佐藤正久参院議員がツイートで「安倍総裁」と書いているのもその点を留意しているからです。

 そうすると、今回の「おにぎり事件」は2つの問題があります。

 1つは、おにぎりを有権者に配ったという公選法違反(飲食物の提供)にあたる問題。2つめは、安倍夫妻によって、「行政私物化」「国家公務員私物化」が行われたという問題です。

 前回の記事でも紹介したように、谷査恵子氏ら昭恵氏付職員は昭恵氏の田植えやおにぎりづくりをやらされています。

▼@mortal225さんのツイート



 安倍総裁が配布したおにぎりには、谷査恵子氏ら国家公務員の労働が投入されていたのです。国家公務員は国民の税金によって働いているので、安倍自民党総裁が自民党議員の応援で配布したおにぎりには国民の税金が投入されていたことになるわけです。

 昭恵氏は「総理公務補助」で田植えを行い、谷査恵子氏ら昭恵氏付職員は「総理公務補助の支援」で田植えをし、おにぎりづくりをしていたことだけでも昭恵氏による「行政私物化」「国家公務員私物化」は過去に例がない酷い憲法違反です。国民の税金1億1千万円を使って昭恵氏の田植えをしていたのですから、これだけでも安倍政権は総辞職すべきです。

 これに加えて、昭恵氏の「行政私物化」「国家公務員私物化」で生み出された「おにぎり」を、今度は公選法違反と同時に安倍晋三自民党総裁としても私物化したことになります。

 安倍晋三氏と昭恵氏は、首相夫妻の立場と、自民党総裁夫妻の立場の両方において、「行政私物化」「国家公務員私物化」をとことん行ったという、日本政治史上初の独裁夫妻というほかありません。

 昨日(4月4日)、安倍首相は、国家公務員合同初任研修開講式で、「国家国民のため、心を尽くし、身を尽くす。崇高な志を持って、国家公務員の道を歩み出す皆さんを、内閣総理大臣として、心から歓迎したいと思います。」、「国家公務員の仕事は、国の骨格をつくる仕事です。仕事の結果は国民全てに影響が及びます。」、「これから国家公務員として歩む人生、全体を見渡し、あらゆることに思いを巡らし、国民の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい。」などと訓示しています。

 「高い倫理観」と言うに至っては、まさに「おまいう」(お前が言うな)の典型ですが、この安倍首相の訓示にある「国民」や「全体」「国」などの言葉を「安倍夫妻」に置き換えれば、今の事態がなぜ起こっているかがよくわかります。

 「安倍夫妻のため、心を尽くし、身を尽くす。崇高な志を持って、国家公務員の道を歩み出す皆さんを、内閣総理大臣として、心から歓迎したいと思います。」、「国家公務員の仕事は、安倍夫妻の国の骨格をつくる仕事です。仕事の結果は安倍夫妻全てに影響が及びます。」、「これから国家公務員として歩む人生、安倍夫妻を見渡し、あらゆることに思いを巡らし、安倍夫妻の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい。」――これが、安倍夫妻の心からの訓示だと思います。

 こうした問題について来週火曜日に緊急院内シンポジウムを開催します。ぜひご参加ください。(井上伸

2018-03-31 19:32:50

昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性

テーマ:霞が関・公務関連情報

 前回記事の「民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人がいて、その社長夫人の親しい人に対して、ヒラ社員が個人の判断で勝手に企業が所有する土地を格安で売ることを進めたことになります。民間企業においても考えられないことですが、国家行政を担う国家公務員のルールとしてもあり得ません。」という飯塚盛康さんの指摘で気づいたことがあります。それは、昭恵氏付職員を民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人に、その企業の職員を常勤で2人、非常勤で3人付けたことになるなということです。役員でない社長夫人に5人の職員を付ける民間企業って存在するのでしょうか?

 安倍政権はこの問題をどう説明しているのでしょうか?

 安倍政権は、安倍昭恵氏は「私人」だと閣議決定した上で、「安倍内閣総理大臣の夫人が内閣総理大臣の公務の遂行を補助すること(以下「総理公務補助」という。)を支援する職員2名を内閣官房に置いているほか、日常的には各省庁で勤務しているが、安倍内閣総理大臣の夫人の総理公務補助を必要に応じ支援する職員3名を内閣官房に併任させている。」と説明しています。そして、昭恵氏の行う「総理公務補助」として、「内閣総理大臣の外国出張への同行や、我が国に来訪する外国賓客の接遇、宮中晩餐会への出席のほか、内閣総理大臣の公務の遂行に関連する国内外の会議等への単独での出席等が挙げられる。」としています。

 昭恵氏が森友で行った講演に昭恵氏付職員が同行したことについては、これを「総理公務補助」と認めてしまうと、昭恵氏は安倍総理の公務の遂行を補助したことになり、森友問題の責任を安倍首相自身が問われることになります。なので、安倍政権は、昭恵氏が森友で講演したことは「私的行為」だが、それとは別に予定される「総理公務補助」について昭恵氏と「連絡調整」する「公務」のために昭恵氏職員は同行したと閣議決定しているのです。

 しかし、この理屈によると、どんな昭恵氏の「私的行為」にも「連絡調整」する「公務」のために昭恵氏付職員は同行することになります。こんなバカな話はないし、これでは昭恵氏の下僕に国家公務員が成り下がってしまうことになるのですが、スキー、田植え、バー、選挙応援などあらゆる昭恵氏の「私的行為」に実際に同行させられていたので、この現代において国家公務員は下僕化させられてしまったというのが事実になります。「私人」が国家公務員を下僕化したという安倍政権下の日本はおよそ近代国家とは言えないのではないでしょうか?

 

▼@mortal225さんのツイート


 安倍政権以前は、「総理夫人付職員」として非常勤で外務省職員を一人だけ付き、多くは外交時の「総理夫人による総理公務補助を支援する職員」として仕事をしていただけでした。

 安倍政権になって初めて「私人」の総理夫人に4年間に渡って国家公務員を常勤で2人、非常勤で3人も「昭恵氏付職員」として配置し、その人件費だけで1億1千万円もの税金を安倍政権はムダづかいしたのです。しかも、「昭恵氏付職員」の常勤として3年間仕事をした谷査恵子氏がキープレイヤーとなって森友問題が引き起こされたのです。(『文芸春秋』2017年3月号で、ノンフィクション作家の石井妙子氏は、昭恵氏に首相官邸でインタビューした際、おみやげとして昭恵氏のイラスト入りのメモやペン、キーホルダーなどをもらったことを明らかにしています。このインタビューに同席していた常勤の「昭恵氏職員」の人件費はもちろん、昭恵氏のイラスト入りのメモやペン、キーホルダーの作成費用にも私たちの税金が投入されているということではないでしょうか? ※菅義偉官房長官は昨年8月4日の記者会見で、5人いた昭恵氏職員について、経済産業省出身の常勤2人を同省に帰任させ外務省所属の非常勤3人だけとしたことを発表。その理由として「夫人との連絡調整を安倍事務所スタッフに委ねても支障がないと判断し、総合的に見直した」と菅官房長官は述べています)

 私は総理夫人に常勤の国家公務員を付ける必要などないと思いますが、百歩譲って必要性があったとしても、昭恵氏が行うのは「総理公務補助」で、谷査恵子氏の国家公務員としての職務は「昭恵氏が行う総理公務補助の支援」だけです。ですので、谷査恵子氏の「昭恵氏の指示なかった」はそもそもあり得ないし、谷査恵子氏が自分の判断で勝手にやったとすればそれは職務専念義務違反にもなります。

 憲法15条に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」とありますが、谷査恵子氏や佐川宣寿氏ら国家公務員を「安倍夫妻の奉仕者」とした森友問題は、前近代的で前代未聞の憲法違反だと思います。

 下記の緊急院内シンポジウムは私が企画しました。ぜひご参加いただければ思います。(井上伸)

 

2018-03-29 14:46:03

谷査恵子氏(元昭恵氏付職員)の「昭恵氏の指示なかった」はノンキャリ国家公務員の仕事おとしめるもの

テーマ:霞が関・公務関連情報

 3月28日に配信された朝日新聞デジタルの記事です。

昭恵氏付の職員だった谷氏、指示や関与を否定朝日新聞2018年3月28日09時24分

 学校法人・森友学園をめぐる国有地の取引問題で、安倍晋三首相の妻の昭恵氏付の職員だった谷査恵子・在イタリア日本大使館1等書記官が27日、同大使館が管轄するマルタで朝日新聞の取材に応じ、昭恵氏の指示や関与を否定した。

 谷氏は2015年秋、取引について財務省に問い合わせ、学園前理事長の籠池泰典被告=詐欺罪などで起訴=にファクスで回答していた。回答には「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」と記されていた。この表現について、谷氏は「(籠池前理事長が)夫人と直接やりとりされているような方だったのでそのように書いたのであり、意味はない」と説明。問い合わせが昭恵氏の指示によるかについて「いろいろ言われているが、そういうことはない」と述べた。

 こうした問い合わせが取引に影響したかについて、谷氏は「なかった」と否定。野党側が谷氏の証人喚問を求めていることに対しては「(国会に)出るかどうかは自分で決められることではない」と語った。



 この報道について、経済産業省の仲間でつくる全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんが谷さんに宛てた手紙を書いてくれたので以下紹介します。

谷査恵子さんへ

 昨年3月23日、籠池泰典氏が証人喚問で安倍昭恵付職員の谷さんからFAXをいただいたと発言しましたが、その翌日、国会で菅官房長官は谷さん個人が行ったものだと答弁しました。

 私は3月25日のFacebookに、国家公務員が昭恵氏や上司の指示も受けずにこのようなことを行うはずはなく、昭恵氏も菅官房長官も谷さん個人に責任を負わせることに元経済産業省の職員として腸が煮えくり返る思いだと書いたところ、昭恵氏ご本人から「谷さんに責任を負わせようなどということは勿論思っていません。こんなことに巻き込むことになってしまい申し訳ないと思っています」というメッセージが来ました。

 しかし、その後昭恵氏はそのことについて何の説明もしていません。また、政府も質問趣意書に上司に相談もなかったと回答するなど、徹底的に谷さんが個人的に行ったことだとしてきました。

 国家公務員は入省すれば組織の一員として、上司などに判断を仰ぎ、決して個人の判断で業務を行ってはいけないと教えられてきました。少なくとも、あなたや私がいた経済産業省ではそう教えてきました。

 FAXの回答に「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」と書いたことに「(籠池前理事長が)夫人と直接やりとりされているような方だったのでそのように書いたのであり、意味はない」と言ったそうですが、あなたは相手に手渡す文書に意味がない文章を入れるのですか? この文書を受け取った籠池氏が昭恵氏もこの案件について承知していたと受け取ると考えなかったのですか? 文書を書くという重さを教えられなかったのですか?

 あなたは問い合わせについても昭恵氏の指示を否定していますが、あなたは20年近く仕事をしていて、上司が直接やりとりをしている人からの問い合わせについて、個人の判断で他省庁に問い合わせたことがあるのですか?

 あなたは直接の上司である昭恵氏にも、職責上の上司である室長にも相談せず、指示も受けないでやったということですか?

 3月27日の証人喚問で佐川宣寿氏(前財務省理財局長)はFAXの件は谷さんが田村国有財産審理室長に電話で問い合わせし、電話で回答をもらったと言いました。あの回答内容を見れば文書でやりとりしたのは明らかですが、これは財務省が文書を出さないための答弁です。しかし、これによってあなたは上司(昭恵氏)が親しい人(籠池氏)だからということだけで個人的な判断で自分勝手に財務省の室長に電話で問い合わせをする職員ということになったのですが、それでいいのですか?

 また、あなたが籠池氏に送ったFAXには、「引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。」とも書いてあります。あなたの説明では昭恵氏の指示もなく、個人の判断でやったことになりますが、「当方としても見守ってまいりたい」とあなた個人が勝手な判断でこの森友案件を見守るとはどういうことなんでしょうか? 民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人がいて、その社長夫人の親しい人に対して、ヒラ社員が個人の判断で勝手に企業が所有する土地を格安で売ることを進めたことになります。民間企業においても考えられないことですが、国家行政を担う国家公務員のルールとしてもあり得ません。

 もし、あなたが国家公務員として最低のルールを犯してまで業務を行ったというのであれば、多くのノンキャリは上司に相談もせず、指示も受けず、個人の判断で仕事をするというレッテルを貼られることになりますよ。

 あなたは佐川氏と口を揃えたように「昭恵氏の指示はなかった」と言いますが、佐川氏はキャリアであなたはノンキャリという違いがあります。ノンキャリのあなたがこんなことを個人の判断で勝手にできないことは、国家公務員なら誰にだってわかることです。あなたがこんなウソをつき続けることは、キャリア官僚の下で、黙々と国民のための仕事をしたいと日々奮闘している何万人というノンキャリ国家公務員の「全体の奉仕者」としての誇りを傷つけ、国家公務員の仕事そのものをおとしめる行為だということは肝に銘じてください。

 一方で、ノンキャリ職員のあなたに国会で証言させることになれば、その重さにあなたがつぶされかねないと心配もしています。昭恵氏が「谷さんに責任を負わせるつもりはない」と言うのなら、昭恵氏自らが国会で証言すべきだと私は考えています。(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)

 

2018-03-28 08:45:14

〈佐川氏証人喚問〉昭恵氏付職員は財務省に電話しただけというウソと部下の命もないがしろにする佐川氏

テーマ:霞が関・公務関連情報

 昨日(3月27日)の佐川宣寿氏(前財務省理財局長)の森友問題に関する証人喚問について、経済産業省の仲間でつくる全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんが感想を書いてくれたので以下紹介します。

 3月27日の佐川氏の証人喚問を聞いていて思ったことを書いてみたいと思います。

 森友決裁文書の改ざんについては刑事訴追を受けるので答弁は差し支えると答えることは、想定していたことなので、そんなものだろうという感想しかありません。

部下の命よりも自分の身が可愛い自己中心的な佐川氏

 改ざんの責任は自分にあると言いつつ、公明党竹内議員が近畿財務局の職員が自分一人の責任にされてしまうという遺書を残して自殺した件について質問しても、通り一遍のお悔やみを言った後に、経緯について承知していないので何も言えないと言い、さらに竹内議員が申し訳ないの一言くらいないのかと言うと、「もし仮に、私は本当の事実関係は承知しないのですが、もし仮にそういう連絡、担当の職員であられたということであって、もし仮にそういうことということであれば、それは理財局として、こういう決裁文書の書き換えをしたということにつながるということでありますれば、それは本当に申し訳ないことだというふうに思います。」と、「もし仮」にを連発してからの謝罪でした。自殺した経緯を認めたら刑事訴追を受けると考えての発言であり、部下の命よりも自分の身が可愛いい自己中心的な人間としか思えません。こんな人が財務省のトップに近いところまで登り詰めたのかと思うと暗澹たる気持ちです。

混乱で丁寧な答弁ができなかったというのは理由にならない

 次に昨年の国会での答弁は毎日、月曜から金曜まで毎週、何十問も質問通告があったり、資料請求や情報開示請求があったので混乱していたため丁寧な答弁をできなかったと言ったことです。普通、そんな状況ならば「書類はない」「記録はない」「金額も提示していない」など断定する答弁ではなく「書類があるかも含めて調査中」「金額は提示していないと考えるが、なお関係者に確認する」など先延ばしをする答弁をすると思いますので、理財局が混乱していたというのは理由になりません。

 こんなことを理由にしたのは、安倍首相が2月17日に妻か私が関係していたら総理大臣も国会議員も辞めると言ったことで、すべてなしという答弁をせざるを得なかったことの証拠です。

 昨年のすべてなし答弁、決裁文書の改ざんは行政府が立法府をないがしろにしただけでなく、それについて財務大臣も誰も関与していないということであれば、財務省のガバナンスができていないことになります。

“谷査恵子さんは財務省への電話だけ”は絶対あり得ない

 最後に安倍昭恵夫人付職員の谷査恵子さんが財務省の田村国有財産審理室長に「電話で話した」と話した時には、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出してしまいました。

 谷さんが籠池氏に送ったFAXには田村室長から10年定期借地の是非、50年定借への変更の可能性、土地汚染や埋設物の撤去期間に関する資料の扱い、工事費の立て替え払いの予算化について回答があったと書いてあり、その内容も国有財産有償貸付合意書の条文まで引用している文もあります。

 電話でのやりとりで、ここまで書けるとしたら、田村室長がヒマで何時間も電話で答えてくれる天使のような人で、谷さんは電話で聞いただけで、まるで財務省の職員が書くような文書を書ける優秀な人である場合だけです。

谷査恵子さんと財務省のやり取りの文書は絶対にある

 国家公務員は外部に文書で答えるときは、「てにをは」まで気をつけて書くもので、絶対に他人任せにせず自分で書きます。また、これだけの内容の問い合わせならば、まちがった答えはできないので「絶対に文書で寄こせ」と言うはずです。

 佐川氏が田村室長と谷さんは電話で話したと言ったのは、「電話で話したから書類はない」というための伏線だと思います。

 私は佐川氏は自分の保身と安部政権を守るためには、嘘も平気で言い、自殺した部下に対しても形式的な謝罪しかしないという人間として最低持っておくべき良心もない人なのだと思いました。

 それから自民党の丸川珠代氏が「指示はありませんでしたね」と安倍晋三首相や昭恵氏らが改ざんを指示したのか一つずつ確認してみせ、佐川氏は全て否定し、「総理、総理夫人、官邸の関与はなかったという証言を得られた」などと丸川氏が証人喚問を締めくくりました。しかし、佐川氏は自分は改ざんに関与していないと言っているのに、なぜ安倍首相や昭恵氏、首相官邸の関与はなかったと断言できるのか、まったく矛盾しています。

疑惑はさらに深まった
ただちに昭恵氏の証人喚問を


 疑惑はさらに深まったわけで、これから谷さんを証人喚問という要求が強くなるでしょうが、もし、谷さんが証人喚問に出てきて、昭恵氏の関与を認めたら安部政権は吹っ飛び、認めなければ嘘をつくことになり、彼女は心に大きな重荷を背負っていくことになるでしょう。

 経済産業省の後輩にそんな辛い思いをさせたくないので、昭恵氏が証人喚問に応じて国会で真実を話して、この問題を終わりにして欲しいと思います。

 それと私たちは国家公務員の仲間でつくる労働組合として、下記バナーにあるように森友公文書改ざんの真相究明などを求める緊急院内シンポジウムを4月10日に開催することになりました。前川喜平前文科事務次官などにも協力を得ながら、私自身もこのシンポジウムで発言しますので、ぜひご参加いただければと思います。(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)

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