インクレディブル・ハルク | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Incredible Hulk
監督:ルイ・レテリエ
キャスト:エドワード・ノートン/リヴ・タイラー/ティム・ロス
配給:ユニバーサル・スタジオ/ソニー・ピクチャーズ
公開:2008年8月
時間:112分




アベンジャーズ』や,MCUの近作『マイティ・ソー/バトルロイヤル』,また,来月から公開される『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも登場しているハルクの唯一の単独作品を今夜は紹介。MCUでの時系列や全米公開は『アイアンマン』の方が先になるのだが,配給の都合か,日本での公開はこの『ハルク』の方が先となった。まぁ,基本的にエンディング以外は他のシリーズとの絡みはないので問題はないのだが…。

科学者のブルース・バナー(エドワード・ノートン)は,恋人ベティ(リヴ・タイラー)の父,ロス将軍(ウィリアム・ハート)の命令を受け兵士強化実験のための研究をしていた。やがて研究の成功を確信し,自らの肉体を使って実験を行ったブルースだったが,彼は何と,心拍数が200を越えると約2.7メートルもの巨大な緑色のモンスター=ハルクに変身する特殊体質となってしまう。それ以来,彼を利用しようとする軍の追跡を逃れ,ブラジルのリオデジャネイロに潜伏し,“ブルー”と名乗る研究者の協力のもと,体を元に戻す治療薬の開発と細胞の解明に専念していた。

しかしある日,ブルースは勤め先のジュース工場で不意に手を切ってしまい,血液が混入したジュースが出荷されてしまう。それを飲みガンマ線に汚染された人物が現れたことを知った軍は工場を突き止め,ブロンスキー(ティム・ロス)ら特殊部隊に包囲されてしまう。追い詰められたブルースはハルクに変身し,部隊を一蹴。間一髪のとこで逃亡に成功するのだったが…。

MCUの単独作品の素晴らしい所は,単なる“ヒーローもの”ではなく,きちんとキャラの“光と影”を描いたヒューマン・ドラマの性質を持つこと。特にこの『インクレディブル・ハルク』では,“変身して活躍する”というヒーローの公式を敢えて逆に捉え,ギリギリのピンチでいかに変身を防ぐか,という必死の努力が個性となり,サスペンスやスリルの要素さえ加わってくる。監督は『トランスポーター』や『グランド・イリュージョン』のルイ・レテリエ。魅せ方とユーモアのセンスは折り紙つき。

ちなみに,マーベルとエドワード・ノートンとの出演交渉が決裂したため,以降のMCU作品に登場するブルース・バナーはマーク・ラファロが演じることになった。