マイティ・ソー/バトルロイヤル | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Thor: Ragnarok
監督:タイカ・ワイティティ
キャスト:クリス・ヘムズワース/マーク・ラファロ/トム・ヒドルストン
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開:2017年11月
時間:130分




待ちに待ったソーの新作。オリジナルとしては3年ぶり,MCU的にも『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』以来2年ぶりとなるソーの登場(厳密に言うと『ドクター・ストレンジ』のポストクレジットにも出ていたが),さらにマーベルのシリーズ構成の慣例では,おそらく『マイティ・ソー』シリーズの完結作。マーベル・ファンとしては,もうこれは観る前から5つ星決定! みたいな作品を今夜は紹介。

『エイジ・オブ・ウルトロン』の後,ジェーンと破局し,オーストラリアの平凡なサラリーマンのもとに居候しながら宇宙を巡り,インフィニティ・ストーンについて調べていた雷神ソー(クリス・ヘムズワース)。帰還したアスガルドでは,ビフレストの番人はヘイムダル(イドリス・エルバ)からスカージ(カール・アーバン)に変わり,ロキ(トム・ヒドルストン)の像が立てられ,父の国王オーディン(アンソニー・ホプキンス)はのんきに芝居見物をしている。様子がおかしいと気付いたソーは,死んだと思っていたロキがオーディンを地球に追放し,オーディンになりすましてアスガルドを統治していたのを暴く。

ロキにより老人ホームに預けられた本物のオーディンを探しにニューヨークにやって来たソーとロキ。ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の助けを借りてようやく再会した父オーディンは2人に,世界の終わり(ラグナロク)が迫っていると告げて光となり散る。すると解き放たれ現れたのは,ソーの姉で,アスガルドに対し強烈な恨みを抱く死の女神ヘラ(ケイト・ブランシェット/吹替:天海祐希)。ソーの究極の武器ムジョルニアをいとも簡単に破壊する圧倒的なパワーを持つヘラは,アスガルドを崩壊させるという恐るべき復讐を計画していた。そのヘラによって宇宙の辺境サカール星に飛ばされたソーは,賞金稼ぎのヴァルキリー(テッサ・トンプソン)に捕らえられ,闘士として統治者のグランドマスター(ジェフ・ゴールドブラム)に売られてしまう。格闘大会にソーの相手として現れたチャンピオンは,何と,かつての戦友・超人ハルク(マーク・ラファロ)だった…。

とにかく構成が凄い。炎の悪魔の国・ムスペルヘイムに始まり,地球(ミッドガルド),サカール,そしてアスガルドと,とんでもな距離を瞬時に移動し,一瞬も目が離せないほど疾風怒濤のアクションとストーリー展開で魅せる。しかもそれらに強引さも無駄もない。

さらにキャストが凄い。ヴィランのケイト・ブランシェットをはじめ,ジェフ・ゴールドブラム,マーク・ラファロという目立つ配役はもちろん,序盤のアスガルドの舞台上でロキを演じる役者は何とマット・デイモン! この舞台上には他にも,オーディンを演じる役者として『ジュラシック・パーク』のグラント博士で有名なサム・ニールや,ソーを演じる役者がクリス・ヘムズワースの実兄ルーク・ヘムズワースだったりと,数分のシーンさえガッツリと作り込むのは,自身がコメディ俳優でもあるタイカ・ワイティティ監督の妙味。序盤からソーの内面をユニークに描き,次々と押し寄せる想定外のイベントを通して,初作では頑固者だったはずのソーのキャラを様々な色合いに染め上げ,成長させ,観客をもまたその色で包んでゆく。

キャラと言えば何と言ってもロキ。『マイティ・ソー』シリーズや『アベンジャーズ』シリーズに出てくる度に,邪神のキャラがどこか愛しくさえ感じられてゆく。

そして今作のポストクレジットでは,巨大な宇宙船“サンクチュアリII”が登場。この船名,コミックのファンなら展開が予想できる来春公開の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への伏線。最後までお見逃しなく。


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

マイティ・ソー』(2011年)

マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2014年)

ソー/ラブ&サンダー』(2022年)