ジェイソン・ボーン | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Jason Bourne
監督:ポール・グリーングラス
キャスト:マット・デイモン/トミー・リー・ジョーンズ/アリシア・ヴィキャンデル
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
公開:2016年10月
時間:124分




待ちわびたジェイソン・ボーンに会ってきた。9年のブランクを心配していたが,スクリーンに現れたボーンは,マット・デイモンの俳優としてのキャリアと貫禄を携えて期待以上にバージョンアップしていた。

全ての記憶を取り戻したジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が消息を絶ってから何年もの月日が経ったある日,元同僚のニッキー(ジュリア・スタイルズ)はギリシャに潜伏している彼との接触を試みる。ニッキーはハッカーグループと手を組み,CIAのサーバーから極秘情報を盗み出していた。その中には,CIAが世界を監視・操作するために極秘プログラムを始動させたことと,“トレッドストーン計画”の全貌やそれに関わったボーンの父親の情報も含まれていたのだ。しかし,CIA長官のデューイ(トミー・リー・ジョーンズ)はニッキーの足取りを追跡し,ギリシャに凄腕暗殺者アセット(ヴァンサン・カッセル)を送り込む。そんな中,野心を秘めたCIAの若手エージェント,ヘザー・リー(アリシア・ヴィキャンデル)は,強引なデューイとは距離を置き,ボーンを再びCIAに引き戻そうと画策するのだったが…。

作品の連続性・連携がカギとなるシリーズなので,観る前の基礎知識として『アイデンティティー』『スプレマシー』『アルティメイタム』の3作で,ストーリーの予習と,独特の手持ちカメラによるリアルで目まぐるしくカット割りされる画面に慣れておくのをお薦め。ポール・グリーングラス監督の作り上げるこの醍醐味は,見る者に,ハマると抜け出せなくなる常習性を植え付ける。その上でこの新作を観ると,観客や時代に媚びずにシリーズを貫く空気感の虜になり,作品世界の中に自分の意識を取り込まれてしまうはず。

ボーン,デューイ,リー個々に内在するものを描きつつ,ベルリン,ロンドンを経て,眠らない街ラスベガスへと向かう物語。影の世界に居るボーンときらびやかな街並みという,まるで相反するステージに待つのはシリーズの常識を覆すほどの豪放なアクション。ラスベガスを完全封鎖し,200台の車両を使用する壮絶カーチェイスの重量感は〈ボーン復活祭〉とも呼べるボルテージを放つ。

ちなみに,印象的な作戦員アセット役は『オーシャンズ12』『オーシャンズ13』でフランソワ・トゥルアー(ナイト・フォックス)を演じたヴァンサン・カッセル。


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

ボーン・アイデンティティー』(2003年)

ボーン・スプレマシー』(2005年)

ボーン・アルティメイタム』(2007年)

ボーン・レガシー』(2012年)