起立性のめまい(立ちくらみ)と回転性めまいの整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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起立性のめまい(立ちくらみ)と回転性めまいの整体治療
患者Sさん=40才-女性-会社員/主婦の症例


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①    Sさんの病歴・・・
患者Sさんは別件(逆流性食道炎・他の整体治療)で来院されていましたが、めまいや立ちくらみが生じるようになったので、本件も併せて整体治療する事になりました。但し、念の為に専門医の受診を勧めました。しかしSさんは本件については耳鼻科などを受診されませんでした。3~4回の整体治療後めまい・立ちくらみは解消したので、一旦は治療を終了しました。しかしその3か月後、今度はいきなり回転性のめまいが生じたそうです。回転性めまいは一日中続き、その日の夜に自然に解消したそうですが、また約1週間後の就寝中に眼振が生じ、それで目が覚めたそうです。その後、回転性めまいは生じていないそうですが、上記別件で来院されたので、本件も併せて診る事になりました。



②    Sさんの診察
【最初の立ちくらみの所見】
・直近の人間ドッグの検査では、心電図を始め血液検査などでの異常は無かったそうです。
・最初のめまいのきっかけは、デスクワーク時に席から立つ時に「フラッ」とめまいを感じて倒れそうになったそうです。その後、デスクワークの仕事中にも時折クラクラっとめまいを感じる事が生じるようになったそうです。
・めまいは回転性では無かったそうです。持続時間は数秒から十秒程度だったそうです。
・バレリーウテストは軽度ですが左右で陽性(視野の揺れ)で、やや左回旋の方が強く出ました。また座位の状態で、頸部の伸展動作によってもめまいが誘発されました。
・食欲は普通で、微熱なども無く、頭痛・吐き気や視野異常、耳鳴り、難聴なども無いそうです。
・歩行は正常に真っ直ぐに歩くことができ、不随意運動や手指の巧緻運動障害はありませんでした。
頻脈高血圧の既往歴はありますが、最近ではほぼ完治状態でした。
・聴診上、心音に特段の所見は無く、また頸動脈や胸部大動脈で聴取できませんでした。
・触診上、頸椎C1-2の深部で硬結が触診されました。頸椎のサブラクセーションはありませんでした。


【3か月後の回転性めまいの所見】
・起床後の洗顔時に首を右に向けた時に突然回転性めまいが生じたそうです。特に首を右に回すと回転性めまいが増強するそうです。その日は一日中回転性めまいがあったそうですが、夜には自然治癒していたそうです。耳鼻科等の病院の受診はしていなかったそうです。
・今回と同様の回転性めまいは、10年前にも一度生じたことがあり、その時も自然に治癒したそうです(病院の受診はしていない)。また、今回の回転性めまいが生じる2日前から、原因不明の後頚部痛が持続していたそうです。
・回転性めまいが生じる4週間前から急に唾液の分泌量が増えたそうです。それは2~3週間続き、回転性めまいが生じる1週間前に少し減っていたそうです。同じころから咽喉の違和感も生じていたそうです。咳や痰、あるいは発熱は無かったそうです。
・食欲は普通で、微熱なども無く、頭痛・吐き気や視野異常、耳鳴り、難聴なども無いそうです。
・歩行は正常に真っ直ぐに歩くことができ、不随意運動や手指の巧緻運動障害はありませんでした。
・聴診上、心音に特段の所見は無く、また頸動脈や胸部大動脈で聴取できませんでした。
・触診上、頸椎C1-2の深部で硬結が触診されました。頸椎のサブラクセーションはありませんでした。しかし左右の耳介の後面(乳様突起付近)に、縦6~7cm、横1~2cmの縦長の発赤がみられ(特に右側の発赤が強度)、また軽度の熱感も触診でき、さらに骨叩打痛も認められました。また、右の頬部にごく軽度の発赤と熱感・腫脹および骨叩打痛がありました。




➂ 治療目標と整体治療
【最初の立ちくらみ時の治療方針】

      ⑴    椎骨動脈(特に後環椎後頭膜)の還流を促進し、脳幹-小脳の血液循環を改善する
      ⑵    上位頸椎(C1~3)の軟部組織の緊張or虚血を解放し、頸反射を正常にする
      ⑶    念のための精密検査を勧める

     ・椎骨動脈解放テクニック
     ・後環椎後頭膜、後頭下筋群の圧法により、頸部受容器の血流障害と頸反射の機能を回復する

 

 


【3か月後の回転性めまいの治療方針】
      ⑴    後耳介動静脈と後頭動静脈および浅側頭動静脈流域の還流を促進させ、局所免疫力を回復させ、耳介後面の炎症を解消する
      ⑵    椎骨動脈(特に後環椎後頭膜)の還流を促進し、脳幹-小脳の血液循環を改善する
      ⑶    念のための精密検査を勧める

     ・後耳介動静脈、喉頭動静脈、浅側頭動静脈解放テクニック
     ・椎骨動脈解放テクニック

 

 



④    経過と結果・・・
【最初の立ちくらみ時の経過】
・初診治療後、バレリーウテストはやや改善され、視野の揺れは半減していました。
・2診目来院時迄、デスクワーク時のめまいは残存していましたが、3診目から改善傾向が観られました。4診目来院時には「今週は、ほとんどめまいはありませんでした」と仰っていました。


【3か月後の回転性めまいの経過】
・当院への来院時に回転性めまいは生じていませんでしたが、耳介の後面(乳様突起付近)の縦長の発赤部分の免疫力を改善する目的の施術をしました。そして念のために専門医での精査をする事を勧めました。今回はSさんも「専門医に受診をします」と仰っていました。施術後、耳介後面の発赤は、やや薄くなっていました。
・2週間後の再来院時、「あれ以来(初診治療以降)、回転性のめまいはありませんでした。総合病院の耳鼻科で診てもらいましたが、何も異常は無かったです。」と仰っていました。耳介後面の発赤部は、かなり解消していましたが、やや赤みが残っていましたので、初診と同様の施術をしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
【最初の立ちくらみ時の概説】
・めまいは起立性低血圧などの自律神経失調性やメニエール病などの内耳性が有名ですが、他に膠原病や心疾患・血栓/血液疾患あるいは精神疾患など様々な原因で生じ、中には脳梗塞など生命に関係する兆候である事もあり、予断は許されません。ですからSさんのケースでも、一応の精密検査を勧める事は必要です。


・とは言え、整体師レベルで上記の病態について、現段階である程度否定できるのであれば、そして整体師的に治療が可能なのであれば、それはそれで進めていく事も必要です。今回のSさんの症例では、両者とも問題ないと考えられたので、整体治療をすることにしました。そのとっかかりとなるのが「頸部の動きでめまいが誘発」されることで、その原因の最右翼が血管性と頸椎性だと考えられました。
 

・血管性では、前面の頸動脈と後面の椎骨動脈の二通りが考えられますが、頸動脈の聴診で特段の異常が無かったので、椎骨動脈に注目すると、バレリーウテストで軽度ですが陽性反応が出ました。また、後環椎後頭膜付近でも硬結が認められ、同部で椎骨動脈の血流障害-虚血が生じている可能性がありました。血栓症の可能性は否定できませんが、後環椎後頭膜は椎骨動脈の孔が開く部位で、この孔を椎骨動脈が通過するわけですから、この部位の硬結は椎骨動脈血流の阻害要因になる事は明白です。従って後環椎後頭膜を柔軟にし、血流回復を期待することが出来きる整体治療を取り入れました。

 

後環椎後頭膜

 

・もう一つの可能性である頸椎性ですが、意外と頸椎の筋紡錘などの受容器が内耳と同様に平衡感覚に寄与している事が忘れられていると思います(☚頸反射)。つまり、頸部の受容器に何らかの緊張や血流障害があるとこの頸反射に狂いが生じ、平衡感覚の障害-めまい=が生じる可能性は十分に考えられます。
 

・この様な仮説から、上記③「治療目標と整体治療」を設定し、椎骨動脈と頸反射のシステムを正常に復する為の施術をしたわけです。結果的に初診治療直後にバレリーウテストが半減し、4診目にはめまいがほぼ完治状態でしたから、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思っていました。

 



【3か月後の回転性めまいの概説】
・ところが最初の立ちくらみ等が改善してから約2か月後に、今度は回転性のめまいが生じたわけです。その数日後に当院に来院されたのですが(この時、まだ専門医に受診していない)、当然専門医への受診を勧めました。最悪の場合、例えば一過性脳虚血発作の可能性もあったからです。とは言え、当院に来院されたので、整体師的観点から診る事になり、改めて前回の仮説の再考をする事になりました。

 

・そこで問診・診察を進めると左右耳介(特に左側)の後面に縦長の発赤部が分かり、炎症(皮膚炎or筋膜炎??)が生じている可能性がありました。Sさんにお聞きすると、同部位は何年も前から「お風呂で耳の後ろを洗う時、いつもヒリヒリと痛むので、そっと洗っていました」と仰っていました。この事から、かなり以前から耳介後面では軽度の慢性炎症状態であったと推測されます。
 

・耳介後面だけでは無く、右の頬部もごく軽度の発赤・腫脹・熱感があり、4週間前から唾液の分泌も増加している事から、耳介後面の炎症(?)が前方の頬部の皮膚or筋膜にまで浸潤している可能性、及びその下部の耳下腺を刺激している可能性(☚唾液分泌増強の原因?)が疑われました。

 


 

・ここまで再考すると、耳介後面の炎症が前方だけでなく後方にも浸潤している可能性を否定できなくなります。一般的に「血管炎」は感染性であれ自己免疫性であれ、血管壁の内面に生じやすいものですが、Sさんの場合は血管の外側からの血管炎かもしれません。つまり耳介後面の炎症が、さらにその後部にある椎骨動脈に及び、同血管の外側から血管炎を蜂起させ、後頚部痛を生じさせ、そしてその二日後には同血管の狭窄の原因になったのでは、その結果椎骨動脈の還流障害が起こり、いわゆる椎骨脳底動脈症候群(バレリーウ症候群)を呈し、回転性めまいを生じさせたのでは、と推測されました。
 

・その約1週間後の就寝中に眼振については、耳介後面(乳様突起付近)の炎症がそのまま側頭骨の深部に及び、直接半規管or内耳神経を刺激し、眼振を生じさせたのかもしれません。そこで【3か月後の回転性めまいの治療方針】として
 
   ⑴    後耳介動静脈と後頭動静脈および浅側頭動静脈流域の還流を促進させ、局所免疫力を回復させ、耳介後面の炎症を解消する
     ⑵    椎骨動脈(特に後環椎後頭膜)の還流を促進し、脳幹-小脳の血液循環を改善する
     ⑶    念のための精密検査を勧める

     ・後耳介動静脈、喉頭動静脈、浅側頭動静脈解放テクニック
     ・椎骨動脈解放テクニック

を施術する事にしたわけです。

 


 

 

・後日、Sさんは専門医を受診されましたが、結局異常は無かったそうです。異常無しとの結果は、とりあえずは安心材料ですが、「これで全て安心できる」とは限らず、今後Sさんの状況がどの様に推移するかは分かりません。ですから、今後Sさんが来院する機会があれば、整体師的には耳介後面の発赤などを解消するために、同部の局所免疫力改善の上記整体治療を適時施術し、少しでも再発する可能性を減らしていきたいと思います。

 

 

 

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