30年以上前=小学生の頃=からの「くま、くすみ」の整体治療
患者Tさん=43才-女性-主婦/会社員の症例
頭顔面深部の血流改善によって、わずか6診目で改善した症例の解説です。
はじめに・・・
・本解説文は長文ですので、ここでその概略を紹介します。
・くま・くすみは循環障害によって生じやすいですが、一般的なエスト治療では、どうしても顔面浅部の施術になりがちです。
しかし実際の動静脈は顔面の深部にも地下水の様に脈々と動静脈が流れています。
ですから顔面深部に循環阻害部位があると一般的な施術では完治しにくく、または少し良くなってもすぐに悪化する、、、
といったケースが多発します。
・さらに顔面深部だけでなく、顔面から下行する頸部深部においても循環阻害部位は非常に多くあります。
従って顔面深部だけでなく、頸部深部の循環阻害部位への施術も必須です。
Tさんの場合、その両者で、つまり顔面深部と頸部深部で重篤な循環阻害部位があり、その結果30年におよぶ「くま・くすみ」が生じていたのでしょう。
・そこで当院では顔面や頸部の深部の循環を改善する「静脈還流促進テクニック・他」の整体治療で、
わずか6診で、30年来のTさんの「くま・くすみ」が改善できたものと思います。
不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それでは、よろしくお読みください。
① Tさんの病歴・・・
・患者Tさんは、30年以上前の小学生の頃から「くま体質なんです」というほど、眼瞼のくまがひどいそうです。視診上、左右両眼瞼(特に下眼瞼)にかなり濃いめの青紫色のくまが広がっていました。顔色もくすみがひどく汚れた外観として映りました。エステをはじめ、様々な化粧品を試したり、サプリメント、漢方、鍼灸治療などを受けたそうですが、効果が出たものは無かったそうです。今回、別件(排卵痛・眼の横の頭痛・他)で来院されましたので、本件についても整体治療する事になりました。
② Tさんの診察
・初診来院時、顔色は悪く、実年齢(43才)より10才くらい老けて見えるくらいに過労-焦燥状態で来院されました。
・前頭部のほぼ中央に縦に長い(7-8cm)の太い静脈瘤と思われる青白く膨らんだスジが1本あり、左右のこめかみ付近にも3-4本の青白く細長い(2-3cm)静脈瘤様のスジがありました。これらの静脈瘤(?)は数年前からあり、美容的にも気になっているそうです。結膜はやや薄めのピンク色でしたが、手掌や爪はピンク色を呈していました。左右橈骨動脈の拍動は強く触れました。
・右眼の横(眉毛の外側縁付近)に発赤や腫脹、発疹、圧痛その他の所見はありませんでした。また同部、あるいはその他の頭顔面部位の神経学検査でも左右差はありませんでした。
・ドライアイや涙液の分泌過多も無く、涙腺の腫脹もありませんでした。また、眼球陥没・突出、視野欠損や眼痛は無く、眼球運動に異常はありませんでした。瞳孔・眼裂に左右差はありませんでした。両眼球ともやや硬めの触感がありました。
・中耳炎や副鼻腔炎などの既往は無いそうです。
・アレルギー性鼻炎ではないそうですが、鼻汁が出ることが多いそうです。しかし鼻閉はあまり無いそうです。後鼻漏も無いそうです。
・小学生時より齲歯(虫歯)になる事が多かったそうです。歯を磨くときに歯肉が痛むことがあるそうです。出血はめったにないそうです。
・気管は正中にあり甲状腺の萎縮や腫脹はありませんでした。頸部の筋肉群はかなり腫脹していて頸部が体幹に比べやや太く見えました。頸部、鎖骨上下窩部、腋窩部および鼠径部のリンパ節腫脹は確認できませんでした。
・婦人科での診察で、「子宮腺筋症、(癒着性?)子宮後屈症」が確認されています。子宮筋腫や卵巣嚢腫・卵管癒着など他の所見は無いとの事ですが、異所性子宮内膜症はダグラス窩をはじめ(確認できていませんが)あちこちにあるだろう、とのことです。膣・尿道の下垂や、膣内部の突出部は無いそうです。
・食欲の減退はあまり感じないそうですが、出来るだけ栄養を取るように心がけて食べるようにしているそうです。排便は毎日あるそうです。血便やリボン状便、あるいは肛門の下垂は無いそうです。
・幼少の頃からお腹が弱く、週に一二度はお腹をこわして腹痛や下痢症状があったそうです。アレルギー検査はされていないそうです。
・胸頸部聴診上、血管雑音や呼吸音に異常所見は確認できませんでした。ただ、心音(Ⅰ音、Ⅱ音)がやや強めに聴取出来ました。
・腹部聴診上、グル音は減弱して聴取出来ました。ハム音あるいは腹部大動脈や腎動脈などの血管雑音は聴取できませんでしたが、左側腹部の横5-6cm縦15cmの長方形部位で呼吸音(?)の様な伝導音が聴取出来ました。
・腹部触診上、臍より下の下腹部全般がやや膨隆して触れ、打診上鼓音を呈していました(☚ガスも多いそうです)。同部の触診上、一枚葉にジュクジュクとした粘土様感触を触れました。右鼠経靭帯内側縁で極めて著明な緊張と圧痛がありました。左の同部にも軽度の緊張と圧痛がありました。他にも、右恥骨結節直上を底辺に横3-4cm縦12-3cm程の長方形部位と、白線の恥骨結節上方7-8cm付近で100円玉大の緊張-圧痛部位がありました。肝脾腫やその他の部位での腫瘤感はありませんでした。子宮底は恥骨のやや左方の深部で触診できましたが、前面の膀胱との接触面(膀胱子宮窩付近)で硬く触れ、可動性はありませんでした。また、左右の恥骨結節直上深部でグニョグニョとした「グミ様」の抵抗感を触れました。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 上・下眼瞼動脈弓の循環を回復する
⑵ 顔面動脈、浅側頭動脈流域の血液循環を改善し、ターンオーバーを回復する
・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢開放テクニック
・眼動脈解放テクニック
・上・下眼瞼動脈弓解放テクニック
・顔面動脈/浅側頭動脈解放テクニック
④ 経過と結果・・・
・初診治療後、濃い青紫色をした左右の下眼瞼は半分くらいにまで薄くなっていました。しかし上眼瞼はあまり変化はありませんでした。
・2診目治療後、上下とも青紫様のくまは治療開始前の60%程度まで解消していました。また、ご自宅でも息子さんが「顔変わったな!」と言ってくれたそうです。
・3診目来院時、顔全体の汚れたくすみ感は1/3程度まで改善していました。そしてくまはほとんど目立たなくなっていました。
・6診目来院時、顔全体の汚れたくすみはほぼ解消され血色良くなっていました。またくまについても血色良く改善し、「両者とも95%以上の改善」というTさんの感想を得ることが出来ました。Tさんの主訴である「排卵痛」の整体治療はこの段階ではまだ治療継続中でしたが、本件についてはほぼ完治という事で、一応の治療終了としました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
・「青っぽいくま」の原因は主に血流障害による静脈血のうっ滞によって、その静脈血の青紫的な色が透けて見える状態です。従ってその改善法は、その気になる部位の血流改善が一番です。
・「くすみ」の主要な原因も血流障害に基づく新鮮血の不足による”皮膚色の暗化”や、同じ原因による皮膚上皮細胞のターンオーバー遅延に基づく「汚れた老化上皮細胞の蓄積」からくる”汚れ感上昇&透明感の減少”、などが考えられます。
・従ってこれら「くま、くすみ」の治療目標として「当該部位の血流改善」がメインテーマになります。この様な場合、一般的に「その気になる当該部位のみの化粧品orマッサージ」などが世間一般の主流のようです。しかしその「血流障害の原因部位は、その気になる部位だけ…」とは限りません。
・と言うより(☚難治性症例に強く言えることですが)、当該部位以外にその血流障害の原因がある場合が少なくありません。特に今回のSさんの様に、何年、あるいは何十年も前からの症状で、さらにエステやサプリなど、ありとあらゆる治療法を試されても無効である場合は、この事が強く言えます。
・ところで、Sさんのくまの部位である上下眼瞼周囲の血行支配は、直接的には上眼瞼動脈弓と下眼瞼動脈弓に支配されています。しかし眼瞼付近の血行支配は意外と複雑で、この両動脈弓だけでなくその周囲の小血管も吻合する事で少なからず眼瞼周囲の血流に影響を与えています。そこで眼瞼のくまに関係すると予想されるそれらの血管をまとめてみると下記になりますが、究極的には内頚動脈(眼動脈流域)と外頸動脈流域になります。
※内頚動脈流域
1. 涙腺動脈➡上外側眼瞼動脈➡上外側眼瞼
2. 涙腺動脈➡下外側眼瞼動脈➡下外側眼瞼
3. 涙腺動脈➡頬骨顔面動脈➡外眼角
内頚動脈➡眼動脈➡ 4. 眼窩上動脈➡上部眼輪筋
5. 内側眼瞼動脈➡上・下内側眼瞼
6. 滑車上動脈➡眼窩内側縁
7. 鼻背動脈➡内眼角付近(➡鼻背)
※外頸動脈流域
8. 顔面動脈➡眼角動脈➡内眼角付近(➡鼻背)
外頸動脈➡ 9. 浅側頭動脈➡頬骨眼窩動脈➡眼輪筋外側部
10. 顎動脈➡眼窩下動脈➡眼瞼下部
・顔面全体の「くすみ」については、上記「くま」の様に細かく分析せずとも、大雑把に頭顔面を支配している四つの血管、
1. 顔面動脈
2. 浅側頭動脈
3. 顎動脈
4. 眼動脈
の各動静脈流域について血流の改善を図る治療目標で良いと思います。
・上記仮説に従えば、まずこれらの走行ルート全てについて血流障害になるような所見があるかどうか、診ていかなくてはなりません。最悪の場合、これらの走行ルートに腫瘍性・腫瘤性・血栓性・進行性の病変の可能性も100%否定できないので、念のための精査は必要かもしれません。しかしTさんの「くま」は30年以上前から症状ですから、今すぐの危機的状況の可能性は低いと考えられるので、当院でもできうる限りの除外診察をしたうえで、今回は別の原因を考えて整体治療を進める事にしました。くすみについても同様の事が言えると思います。
・そこで立てた治療計画が③「治療計画と整体治療」で記したように
・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢開放テクニック
・眼動脈解放テクニック
・上・下眼瞼動脈弓解放テクニック
・顔面動脈/浅側頭動脈解放テクニック
となり、各整体テクニックをそれぞれの治療対象部位に施術したところ、初診治療直後から何十年も何の効果も出なかった「くまとくすみ」について即効性に著効を示し、6回目来院時には「両者とも95%以上の改善」にまで解消していましたので、概ね上記仮説で妥当であったのでは、と思います。
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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
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