2008年は「エンタープライズ2.0」元年となるか!? | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

今年は企業がEnterprise 2.0エンジンを始動――Forresterが予測 @ ITmedia エンタープライズ


Web2.0という言葉が流行りだして約2年が経過する2008年。

エンタープライズ2.0ってナンだ!? 」にも書きましたが、大体ネット上で騒がれる技術が企業内に浸透するにはこれぐらいの年月が必要です。

ビジネスの分野での要不要の判断、認知度や騒がれた当時からのその技術の進化を見極めようとしていると大体これぐらいの期間が過ぎ去ってしまいます。


効果が無いもの、リスクが伴うものを企業内に取り入れようと言う事にはなりませんので、ネットの世界よりは導入、進展のスピードはずっと遅くなります。

エンタープライズ2.0ってなんなのかと言う点については、前述したエントリや「Web2.0を企業に活かす七つの方法」をエンタープライズ2.0に置き換える などを 参照してもらいたいと思いますが、その具体的な形と言うのは、なかなか表に出てきません。

ブログやSNS、Wikiなどがそれにあたるとはいえ、それを企業内に導入するにはネット上に散在する、導入方法をそのまま実行すればOKというわけでも無いでしょう。

それを組み合わせた業務の組み立てが必要になるでしょうし、企業の業務形態によっては社内と社外の情報のやりとりをどうするか等の問題もあったりします。

こういったことに関しては、Web2.0のツールたちはあまり考慮されていません。

それはエンタープライズ分野で利用することを想定して作られてはいないので当たり前の事ですが。


このITmediaの記事に書かれていることは、Web2.0の流行り以来、先進的な企業がそれらをどのように使うかの設計と、そういったツールをカスタマイズする事に専念してきて、その取り組みの効果が見え始めたという事を意味しているのだと思います。


その結果として、今年はエンタープライズ2.0製品が市場にあふれかえるかもしれませんし、エンタープライズ分野に特化したオープンソースが出てくるかもしれません。

何れにせよ、何らかの効果が目に見えないとこの分野での成長はここでストップしてしまいます。


個人用であるWeb2.0は集約に効果を見出したりしますが、その個人が集合している企業にとっては、そもそも集約するという意味を持つツールは、必要ない可能性もあります。

問題は、その個人間をつなぐ鎖。

であれば、不特定多数向けに作られたブログなどよりももっと単純な仕組みだけで情報がやり取りできる可能性もあるかとも感じます。


ただ、ここまでのお話はあくまでWeb2.0ツールを企業内にどう取り込むかという話。

そもそもWeb2.0ってなんなの?と言うところを突き詰めれば、以前書いた「そして人間へ・・・へのパラダイムシフト 」でのティム・オライリーの言葉を思い出します。

結局は、インターネットのパラダイムシフトを表した言葉である、そうするならエンタープライズ2.0も結局は、巷にあふれるWeb2.0のようなツールを使うだけでなく、それを使って劇的に業務の形態が変わったと言うところにもっていって始めて意味を成す言葉になるのだと感じます。

例えば、ブログやSNSなどの導入によりメールに変わる情報伝達インフラができあがり、旧来のメールを使った情報交換が撤廃されたとか。

それほどに劇的に買わない限りは、2.0って呼べないだろうとさえ思います。