アカシと海の話⑤

アカシと海の話⑥

 

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---アカシと海の話⑦---

 

「ヒョー!」

 

 

ワンコウは改札を出るなり奇声をあげた。

 

 

狛江から湘南へ。

 

 

つまり東京から神奈川へ。

 

 

それなのに、なぜか俺たちはとても田舎臭く、きょろきょろとあたりを見回す様子は完全に観光客だった。

 

 

周囲の視線が気になる。

 

 

誰も俺たちの事なんて見ていないのに、妙に周りが気になる。

 

 

実は俺もワンコウに負けずにそわそわした感覚だった。

 

 

俺たちは引率のアカシ先生に連れられて駅の外に出た。

 

 

別動隊のこてっちゃんとノブオは単車で湘南に向かっている。

 

 

駅の外で待つことにした。

 

 

「お前らさ、目立つからいらねー事に巻き込まれるんじゃねーぞ」

 

 

アカシが俺とワンコウに向かって言った。

 

 

真っ赤な頭の男に言われたくはない。

 

 

「こっからアカシの親戚の家までどうやって行くんだよ」俺が言った。

 

 

「あー、国宝が迎えに来るわ」アカシはそう言うと鼻の穴を膨らませた。

 

 

井口達也

 

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