---アカシと海の話⑤---

 

「おもしれー奴ら?」俺が言った。

 

 

「湘南にな、天然記念物がいるんだわ。小鉄とノブオは女のケツ追っかけるんだろうし、俺らは天然記念物をイジりにいこうぜ」アカシが答えた。

 

 

言っている意味が分からなかった。

 

 

天然記念物という言葉すらわからない。

 

 

俺が不思議そうな顔をすると、アカシは「まぁ、珍しい生き物って感じだな」と言って笑った。

 

 

なんだか今一つ納得しないままだったが、偏屈者の俺をアカシは上手に丸め込んだのだった。

 

 

晴れて俺も行ける事になり、アカシ、こてっちゃん、ノブオ、俺、ワンコウの五人は湘南へと向かうこととなった。

 

井口達也

 

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