前回のグログ記事までにおいては、
「新自由主義」政策により、
経済や雇用面で、
中流階級が、”底辺”や”貧困層”に追いやられるが、
しかし、同じく「新自由主義」政策ならではの
「小さな政府」化により、
社会保障・福祉も削減・制限化されて、
〈貧困層〉が、貧困に喘(あえ)ぎ、
そして「軽犯罪化」や「社会の不安定化」が
増大してしまうことを、まず見てきました。
そうした「社会不安定化」の根本原因は、
そうした「社会不安定化」をもたらした
「新自由主義」であるにもかかわらず、
それを是認したまま/不問に付したまま、
〈貧困層〉や〈底辺層〉に対する
「徹底的な取締化」と「投獄化」政策を
”新自由主義”路線の政府が採用すること
――しかも、《底辺層狩り》としての、
その新しい「刑罰化」政策を正当化するための
「刑罰化理論」が、
ネオコン・シンクタンクと御用学者の手で生み出され、
そして捏造的扇動操作でもって、
世間的に普及されてしまう――、
さらに、「新自由主義」政策によりもたらされた
「社会の荒廃」や「社会の不安定化」で、
ヨーロッパでは
〈有色人種の労働者層〉や〈移民〉が、
そしてアメリカでは特に〈アフリカ系アメリカ人〉が、
〈ネオコン・シンクタンクが発明した「刑罰理論」〉と、
〈その「刑罰理論」が、まるで正しいかのように、
その裏付けデータを、どんどん生み出してくれる、
差別的な行使での「差別的刑罰化・投獄化」行政の機能〉と、
〈御用メディア〉による扇動と、
〈御用政治家〉による「問題のすり替え」および
「票集めマイク・パフォーマンス」とにより、
「社会不安のシンボルや原因」として、
”槍玉”にあげられ、吊るし上げられてしまう、
という点も押さえました。
その事から、そうした動きをみると、
「社会(経済・雇用状況もふくむ)構造の変容」と
「刑罰制度の変容/変貌」とが、
連動・相関していることも見ました。
――たとえば、
非正規雇用が増加し、多くの人々が貧困に陥り、
景気が回復しても
生存権を脅かされている人の数が増加したこと、
また眩暈(めまい)がするほどに格差が拡大した結果、
貧困地区に追いやられる人が増加したり、犯罪率が上昇したこと、
さらには公共機関が弱体化したことなどは、
[「ネオリベ政策」や「小さな政府」を支持する者の口からは]
ほとんど論じられないのである。”(P.71)――
ところが、
① (〈貧困層〉、〈有色人種〉や〈黒人層〉を
スケープゴート/犠牲・生贄として吊るし上げる)
そうした新しい「刑罰理論」および「刑罰政策」は、
「社会不安定化」を「新自由主義」政策が
もたらした事へ抜本的変更を
”回避させる”ものとして機能する、
ばかりでなく、
② じつは、その”新しい「刑罰政策」の機能により
〈底辺層〉や〈マイノリティ〉ばかりか、
〈大衆全体〉の
「雇用融解」や「雇用不安定化」までにも悪影響波及してしまう、という創出性・能動性を、以降において見ていこう、という訳です。
さて、「新自由主義」政策路線に変更するので、
当然に「福祉国家」を放棄する事になります。
そして「福祉国家」に代わって、
「新自由主義」政策を補完する「刑罰政策」による、
「刑罰国家」化(軽犯罪の徹底取締化)路線に、
政府が変更する事になりました。
ところが、アメリカの場合、
〈貧困層〉や〈黒人層〉
そして「軽犯罪」や「風紀紊乱(びんらん)」を、
徹底的に取り締まり、投獄化するとなると、
そうした変化に伴い、
「刑罰制度」や「監獄政策」も、
大きく変容させられる事になるのでした。
ロイック・ヴァカン教授いわく、
”刑罰制度の肥大化の問題である。
近年のアメリカ社会の下層には、
社会保障制度(セーフティー・ネット)の欠陥を
埋め合わせるために、
ますます網の目の細かい警察と刑罰の監視網
(ドラグ・ネット)が張り巡らされるようになった。
このようなものが要請されるのは、
社会国家の意図的な縮小と刑罰国家の拡大が、
不可分の関係にあるからである。
前者[社会国家]の収縮と衰退は、
後者[刑罰国家]の肥大化と空前の成功を、
直接的かつ必然的な帰結として伴うのである”
(P.74)
その「刑罰制度の肥大化」に伴い、
「刑罰制度」が具体的に、
つぎのような大きな変貌が見られたのでした。
〇 社会全体に張り巡らされる
「徹底的な取り締まり」と「監視」の網
(IT化/犯罪者個人情報のデータベース化)
〇 刑務所人口の爆発的な増大
(軽犯罪化への徹底的な取締りからくる)
〇 刑務所/監獄の”劇的な増加”
――「小さな政府」路線で唯一許された聖域
=「刑罰の大きな政府」化――
〇 刑務所のビジネス化/
刑務所ビジネスの発展
変貌させられる事となる、新しい「刑罰政策」が、
社会全般への「雇用融解」や「雇用不安定化」に
悪影響波及を及ぼしてしまうのは、
上に列挙した内の、どれでしょうか?
文字数や紙幅の都合もあり、
今回は、ここで区切りたいと思います。
<関連記事>
〇 「新自由主義」って何?
〇 「新自由主義化」の政策措置は、どんなもの?
〇 新自由主義政策と”雇用不安定化”(「貧困」と「刑罰国家」と「軍隊」と<新自由主義>と(その1))
〇 「小さな政府」化と「刑罰国家」化(「貧困」と「刑罰国家化」と「新自由主義」と<その2>)
〇 「刑罰国家」化のための”理論的支柱”「ゼロ・トレランス政策」(貧困と刑罰と新自由主義<その3>)
〇 ”貧しきは罰せよ!”のための<取締まりの徹底化>(貧困と刑罰化とネオリベと<その4>)
〇 「生活保護の"有期化"」と「刑罰国家」化(「貧困」と「刑罰」と「新自由主義」と<その5>)
〇 NYから、ロンドンを経由しての西ヨーロッパへの<刑罰政策の輸出>~貧困と刑罰と新自由主義<6>~
〇 移民/外国人は「便利な敵」~日本版「プラン・メキシコ/NAFTA」への罠(7)~
〇 「福祉国家から刑罰国家へ」~アメリカ刑罰制度の変貌Ⅰ)<日本版プラン・メキシコへの策動(8)>~
〇 HNK取材班『生活保護 3兆円の衝撃』は、「維新」推進のプロパガンダ本かも!?
〇 デフレを解消するだけで、「格差」や「庶民の窮状」は解消されるのだろうか?
〇 政府が、あなたのお子様やお孫さんを、傭兵産業(民間企業)や海外派兵に、刈り取っていくための方法
〇 日本の財界も、なぜ憲法9条改憲を要求するのか?
〇 「改憲策動」の”新しい陣立て”③~海外派兵のための「改憲」~
〇 <自民党/維新の会/みんなの党>「9条改憲」および「軍事ファシズムへの回帰」!?
―――――――――――――――――――――――――――――――
ホームページにタウンミーティングのページを
追加しました。
http://project99.jp/?page_id=3595
「タウンミーティング申し込みフォーム」も
あります。
http://project99.jp/?page_id=3633
ぜひ皆さん、
タウンミーティングを開いてください。
講師料、交通費などは必要ありません。
日本全国どこでも行きます。
よろしくお願いします!
安部
-----
http://project99.jp/
https://twitter.com/#!/project99jp
―――――――――――――――
「共通番号制学習会」in大阪、兵庫、愛知
の御案内
の御案内
学習会講師:白石孝さん
(反住基ネット連絡会、プライバシー・アクション)
〇 <大阪> 10月20日(土) 13:30-16:00
(場所) 大阪市北区「豊崎東会館」
(地下鉄天神橋筋6丁目)
※ 連絡先は、草加氏へ
(090-3975ー3673)
〇 <兵庫県 西宮> 10月21日(日)
13:30-16:00
西宮市男女共学参画センター・ウェーブ411学習室
(阪急西宮北口)
※連絡先は、「現代を問う会」折口氏へ
(0798-52-9157)
〇 <名古屋> 11月25日(日)
13:30-16:00
愛知県芸術文化センター12F
(栄駅)
※連絡先は
「住基ネット反対運動を進める会・東海」さんへ
(052-759-4980)
※ いずれの会場でも、
関連書籍の割引販売も行われるようです。
※ ショウさんの情報提供コメントを転載させていただきました。
”重要な署名等の案件ばかりで
場違いかもしれませんができましたら
コメント欄の隅にでも置かせてください。
人権侵害救済法案の廃案を訴える
日本国民の会 公式WEBサイト
この度、当会は人権救済法案の反対を訴える為、
請願署名活動を開始します。
衆議院議員・城内実先生を筆頭に、
法案反対の先生方に紹介議員になって頂き、
今秋の臨時国会冒頭に請願書と
みなさまからの署名を国会に提出致します。
つきましては、みなさまからの署名のご協力、是非ともお願い申し上げます。
平成24年 9月21日(金)~
平成24年10月31日(月)(締切日を延長しました)
http://jinkenhouanhaianproject.web.fc2.com/
衆議院及び参議院のそれぞれの請願書の用紙や閣僚の連絡先等、サイトで記載されていますが長くなりますので省略します。
※転載者コメント:「人権擁護法案」や「人権侵害救済法案」には反対だが、しかし「共謀罪」や
「<公の秩序(国の方針)>の下では言論や集会・結社の自由を奪うことが出来る『自民党憲法改正草案』」、
「TPP」に賛成・積極的って、
どういう思考回路をしているのだろうか?
個人的には、人気稼ぎにしか映らない
<安倍晋三>一派
。