<艶が~る、二次小説>
私なりの沖田さん花エンド後も、7話目になりました
※沖田さんを攻略されていない方や、花エンドを攻略されていない方には、ネタバレになりますので、ご注意ください!
現代版ですし、私の勝手な妄想ではありますが…よかったらまた読んでやってください
【沖田総司~花end後~】第7話
裕香との楽しくも波瀾めいたランチを終えた私は、その後すぐに帰宅し、いつものように家族で夕食を済ませ、早めのお風呂も済ませた後、自分の部屋のベッドの上で携帯と格闘していた。
「うーん、何て書こうかな…」
書いては消し、書いては消しの繰り返し。手紙だったら、もう何枚の紙を丸めていたことだろうか。
「まずは、“こんばんは”かな…それとも、お帰りなさいかな…」
ただ、こちらの連絡先を書いて一言添えるだけで良いと思いつつ、あれこれ考えてしまうのだった。
ふと見やった時刻はもう20時半を回っている。
「早く完成させて送信しないと…」
私は、それからまたいろいろ考えてようやく完成させた文面を何度も読み返し、思いきって送信する。
(はぁ、メール送っちゃった…)
あとは、沖田さんからの返信を待つばかりになった私は、携帯を握りしめたままドキドキと飛び跳ねる胸を抑えるように息をついた。
「……もう、なんでこんなにドキドキするんだろう」
それから、ただひたすら待つこと30分。
~♪
「わっ…」
携帯の着信音が鳴り響いて、思わず震える手で躊躇いながら応答部分に触れた。
「…も、もしもし」
【もしもし、夜分にすみません。今、帰って来て、貴女からのメールを読んですぐに掛けてしまいました。声が聴きたくて…】
「……っ…」
【メールにしておけば良かったかな…】
「いえ、あの…私も沖田さんの声が聴けて嬉しいです」
【良かった……】
穏やかな声に耳を擽られながら、「お帰りなさい」と、呟くと、沖田さんは少し微笑むような息を零し、【ただいま…】と、ぎこちなく答えてくれる。
その何気ない会話に胸が熱くなると同時に、あの頃を思い出して。
「沖田さん…」
【何ですか?】
「本当に、あの沖田さんなんですよね」
【ええ…貴女だけを愛し続けた…】
あの柔和な笑顔が脳裏に甦る。
新選組隊士として青い隊服に身を包んだ彼の勇姿も、互いに想い合った穏やかな時間の全てが。
【いや、あの頃以上に貴女を想っている…】
「沖田…さん」
【それと、今更なのですが…】
彼は、少し躊躇いながらそう言うと、ふぅ~と小さく息をついて囁いた。
――僕の彼女になって頂けませんか?
突然の告白に一瞬、言葉を失い。
「……………」
【……あの、返事は…】
「え、あっ…はいっ!」
私は、慌てて返事をしながらも、あまりに突然の言葉に唖然とする中。沖田さんはいつものように微笑むような声を漏らし、【言えなかったからなぁ。肝心な事が…】と、照れくさそうに呟いた。
確かに、お別れの時まで告白して貰ったことは無かった。
最期の時を迎えるまでは……。
でもこれからは、会いたい時に会い。愛を交わし合いたい時はどんな時でも想いを伝え合えるんだ。
【それと、これからは名前で呼んで貰えたらと…】
「名前で?」
【出来れば……】
「……あっ…」
(今まで、「沖田さん」と呼んでいたから、いきなりその癖を直せるかどうかは分からないけれど、確かに同い年の彼に沖田さんと呼ぶのはおかしい…)
私は、小声で呟いてすぐ、「じゃあ…」と、切り出した。
「…私のことも、○○と呼んでくれますか?」
【えっ……】
受話器の向こうから、躊躇いの息が漏れてすぐ。
【……○○…】
私の名前を呟く声を耳にして、思わず心臓がトクンッと跳ねた。
(お、沖田さんが…私を…)
【やはり、照れますね…】
「ふふ…」
お互いに微笑んで。
ほんの少しの勇気を出して…
「……総司…くん」
【……はい】
小さな声で呟くと、彼の穏やかな声が私の胸を擽った。
沖田さん、と、声を掛けると、はいと、答えてくれていたあの頃を思い出しながらも、新たに出逢った総司くんとの今を再確認するかのように囁き合う。
「あ、そうだ。沖田さ…じゃなかった、総司…くん」
【ぷっ……】
今度はこちらから掛け直すことを伝えようとして言い直す私に、総司くんの吹き出すような笑い声が聞こえた。
「あ、ごめんなさい…」
【いや、言い直さなくても良いのにって思って…】
「そ、そうですよね…」
(やっぱ、慣れないとダメだなぁ…。でも、沖田さんの笑い声を聞いたの久しぶり…)
【やっぱりいいなぁ…】
「何がですか?」
【○○さんと話していると、本当に癒される…】
お互いに言い慣れた呼び方で会話していることに気付き、再び笑みが零れる。
その結果、自然に呼び合える時が来るまでそのままでいようという事になったのだった。
それから、今度はこちらから掛け直し。お互いに記憶を辿って行きながら、あの頃はこうだったとか、あんなことがあったなどと幕末時代の思い出話をする中。
気が付けば、1時間が過ぎようとしていた…。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうものだけれど、沖田さんとの時間は特に早く感じる。それは、今も昔も変わらない…。
【もっと話していたいのですが…】
名残惜しげな声がして、私も調子に乗って話し込んでしまったことに気付く。
「すみません。楽しくてつい、長話を…」
(修学旅行から帰って来たばかりの沖田さんは疲れているに決まっているのに…)
少し落ち込んでいると、すぐに明るい声で来週の土曜日にどこかへ行かないか?と、誘われた。
【どこか、行きたい場所とかありますか?】
「沖田さんと一緒なら、どこでも…」
【いえ、○○さんの好きなところで…】
(…譲り合うのも懐かしい……)
私は、少し戸惑いながらも行きたい場所があることを告げた。それは、沖田さんが近藤さんや土方さん達と出会った場所…。
【土方さん達と出会った場所ですか…】
「いつだったか、お座敷で話してくれたことがありましたよね。確か…」
【日野宿本陣…ですね】
日野宿本陣は、近藤さんを始め土方さん達が出会った場所であり、厳しい稽古に明け暮れた場所だと聞いていて、いつか、沖田さんと行ってみたいと思っていた場所の一つだった。
【貴女がそういうのなら、案内しましょう】
「…はい!お願します」
【今度の土曜日が楽しみだ…】
こうして私達は、今度の土曜日に二人きりでデートするという約束を交わし合い、名残惜しげに電話を切った。
あの頃は叶えられなかった二人きりのデート。それに、これからは好きな時に好きなだけメールや電話で話すことが出来る…。
(…総司くん、かぁ。いつか、自然と呼べる日が来るかな…あ、そうだ…)
さっきまでの余韻に浸りながらも、私は早速PCを開いて日野宿本陣のことを調べ始めた。そして、HPを見つけてすぐ、ある記事に目を奪われる。
「日野宿本陣にて、『月を愛でる会』開催??」
それは、18時~20時まで。旧暦九月十三日(十三夜の名月)にあたる日に、地唄舞、尺八、三味線などを聴きながら、日野宿本陣でお月見をするというものだった。
(これだ!!)
出来たらこのお月見に参加しないかと、いうことをメールすると、すぐに返信メールが返ってきて。
「…さすが、沖田さん」
その返信メールには、今同じことをメールしようとしていたと、書かれていた。
「20時までなら…なんとか門限に間に合うし」
そう呟いて、またすぐにHPを見やる。
沖田さんが剣術の稽古に励んでいた場所であり、壬生浪士組となってからも、出稽古に訪れていた場所…。
そして、綻ぶ顔を思いっきり解放しながら…
――二人だけの月見。本当に楽しみです…
そう返信して間もなく、
――同じく。でも、今夜の月も綺麗ですよ。
彼からの返信メールを受信して、すぐに窓辺から夜空を見上げた。
「うわぁ…綺麗な満月…」
宵闇の中に浮かぶ真ん丸お月様が、金色に輝いて見える。
(沖田さんも見上げている月…)
――今、見上げています。本当に綺麗ですね…
綴って送信すると、すぐにまた返信されて来る。
そうやって、何度かメール交換をした後、さっき言い忘れていた言葉を伝え合った。
――おやすみなさい、総司くん。
――おやすみ、○○。
(書いちゃったぁぁ……そして、書いてもらっちゃったぁ…)
私は、カーテンを全開にしてベッドに横になると、深い眠りに誘われるまで月の動きを見続けていた。
やがてやってくる土曜日を心待ちにしながら…。
~あとがき~
お粗末さまでした
ようやく、誰にも遠慮しないでイチャイチャさせることが出来ました(笑)
そして、土曜日は日野宿本陣にてお月見!!「月を愛でる会」じつは、これ…今度の10月27日(土)の18時~20時まで。ほんまに行われるんです!!
それに参加しようかと、今考慮中沖田さん達が昼寝したという畳の部屋もあるとか
パパは仕事だから無理だけど僕ちん連れて行きたいわぁ
いや、行く方向で!(笑い)
(↑クリックして下さい)
とりあえず、辛い記憶ばかりを思い出してしまっていた総司くん主人公ちゃんに癒されてほしい。とりあえず、次回からは彼氏彼女として幸せな時間を過ごして貰いたいです
今回も、遊びに来て下さってありがとうでした!