おはようございます
12日のことですが、以下のようなニュース がありました。Yahooニュースからの引用です。
「民主党の「難病・脳脊髄液減少症を考える議員連盟」(川内博史会長)の会合が4月12日に開かれ、脳脊髄液減少症の治療方法である「ブラッドパッチ」などの保険適用を求める10万5088筆の署名を、患者団体が長妻昭厚生労働相に提出した。
長妻厚労相は、ブラッドパッチの次期診療報酬改定での保険適用に前向きな姿勢を示した。また、検査を全国一律に保険適用できるよう、周知徹底する考えを表明した。
脳脊髄液減少症は、交通事故などによる強い衝撃で脳脊髄液が漏れて減少することで、頭痛や目まいなどの症状を引き起こす。ブラッドパッチは保険適用ではなく、検査も地域によっては保険適用になっていない。
厚労省では、2010年度厚生科学研究として「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究」(研究代表者=嘉山孝正・山形大医学部長)を立ち上げ、診療のガイドライン策定を目指している。
長妻厚労相はブラッドパッチの保険適用について、「診断のガイドラインをまとめていただいた上で、次回の診療報酬改定の中で検討していきたい」と述べた。また、検査が保険適用となることを全国の医療機関に周知徹底する考えを表明した。
これを受けて、同省保険局の佐藤敏信医療課長は、検査が全国一律で保険適用となるよう、週内にも課長通知を出す方針を示した。」
この脳脊髄液減少症、どんな症状が出るか?というと、とても多彩。
‐痛み … 頭痛、顔面痛、歯痛、頚部痛、背部痛、腰痛、手足の痛み
‐耳 … 耳鳴り、聴覚過敏、めまい、ふらつき
‐目 … ピントが合わない、光がまぶしい、視野に黒点や光が飛ぶ、視力が急に低下、物が2重に見える
‐鼻 … 嗅覚異常
‐口・のど … 味覚異常、顎関節症、嚥下障害、声が出にくい
‐顔面 … しびれ、能面のように無表情になる、顔面けいれん、唾液や涙が出にくい
‐微熱、体温調整障害
‐動悸
‐呼吸困難
‐胃腸障害(吐き気、胃食道逆流症、頑固な便秘など)
‐頻尿
‐記憶障害、思考力・集中力の極度な低下、うつ、無気力
‐極度の倦怠感、易疲労感
‐睡眠障害
‐免疫機能異常
‐アトピーの悪化
‐内分泌機能異常として性欲低下、月経異常、子宮内膜症の悪化
特徴として、
‐雨の前や台風が近づいているときなど、気圧が低下すると頭痛やめまい、吐き気、だるさなどが悪化する
‐からだを起した状態を続けると症状が悪化する
‐水分摂取が少ないと症状が悪化する
こんな症状および特徴がありますので、タイトルに入れたうつ病、心身症、自律神経失調症のほかにも、メニエール病、特発性難聴、慢性疲労症候群、線維筋痛症、年齢によっては更年期障害などと、誤診されることもあるようです。何しろ、ガイドライン が形あるものとなったのが2007年ですから。
頭痛や腹痛、だるさを訴えて学校へ行けない子どもたちで、心身症による不登校と診断された中に、もしかしたらこの脳脊髄液減少症の子どもがかなりいるんじゃないか?とも言われています。
脳脊髄液が減ってしまう理由としてもっとも多いのは、外傷による脳脊髄液の漏れ。クモ膜が傷ついた原因は、交通事故、スポーツ、転倒、転落による外傷や出産などと考えられていますが、まったくわからないケースもあるらしい。
引用したニュースからもわかるように、現在では検査から治療まで、健康保険が適用されていません。ずっと原因不明と言われ続けた後で、ようやく脳脊髄液減少症と診断されても、働けるようなからだの状態じゃないのに、金銭的な負担が大きい。「ブラッド・パッチ」という治療法、30~40万円かかるようです。しかも1回で治るとは限らない。大変です。早く認定されるといいですね。
そんな脳脊髄液、常時150~180mlくらい満たされ、1日当たり500mlほどつくられるようなので、1日に3~4回入れ替わっていることになります。ほんのちょっと漏れ出ただけで、これだけの症状を引き起こす脳脊髄液。いったいどこをどんなふうに循環しているんでしょう?どんな役割があるんでしょう?もしかしたら、鍼灸マッサージの治療効果にも関係してるかもしれないんです。この話はまた後日。
今回参考にしたのは、国際医療福祉大学熱海病院HP 、脳脊髄液減少症・子ども支援チームHP 、Yahooヘルスケア 、Wikipedia 、『解剖学の抜け穴』(橋本一成著・フリープレス)でした。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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