本「星々たち」

テーマ:
星々たち


桜木紫乃 実業乃日本社 2014年6月

星々たち/桜木 紫乃
¥1,512
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奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。


■ひとりワルツ
つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。
中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。

■渚のひと
医大に通う息子が帰省する。
久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。
隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが……

■隠れ家
ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。
その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。

■月見坂
晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。
商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は……

■トリコロール
小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。
ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。

■逃げてきました
市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。
彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。

■冬向日葵
罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。
能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。

■案山子
東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす
元編集者・河野保徳の前に現れたのは……

■やや子
図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。
内心、彼と別れようと考えているやや子だったが……



塚本千春の母親、千春の仕事の先輩、千春の交際相手の母親、千春の通う詩作教室の講師等・・・・・・・・・・・

さまざまな人の視点で描かれているが、
塚本千春が、どのように関わっているのか、興味津々で読み進めた。

千春本人の気持ちは語られていないが、まわりの人から見た千春を描くことにより、千春の人物像が見えてくる。しかし、年代順に描かれているものの、空白の時間があるため、そこは、読者が想像するしかない。うまい技法だ。


北海道という土地柄もあいまって、ものがなしい。しかし、そんななかでも、生き抜いている姿がここに描かれている。



お気に入り度★★★★
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博士と彼女のセオリー


監督: ジェームズ・マーシュ
出演: エディ・レッドメイン, フェリシティ・ジョーンズ, チャーリー・コックス, エミリー・ワトソン, サイモン・マクバーニー
2014年

博士と彼女のセオリー [DVD]/エディ・レッドメイン,フェリシティ・ジョーンズ,チャーリー・コックス
¥1,543
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車椅子の天才物理学者・ホーキング博士の半生を描いたドラマ。筋萎縮性側索硬化症で余命2年と宣告されたホーキング博士と、夫を支え続ける妻・ジェーンの愛の物語を綴る。




ベネディクト・カンバーバッチ主演ホーキング」 はホーキング博士の物語だが、それに比べると、ジェーンとの結婚生活を重きに描かれた愛の物語のように思う。


ジェー ンは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の夫ホーキングを支えてきたからこそ、彼の研究も認められ名声も得ることができた。しかし、彼の病状は、よくなること はなく、介護と育児の毎日。そのような状況のとき、家族ぐるみで付き合いをしてきた聖歌隊指揮者ジョナサンのことをジェーンは頼もしく思ってしまうのも自 然な流れのような気がした。


ずっと、夫婦として、長く連れ添って、ほしいと思ったが、お互いが、相手を思いやる気持ちから、こういう愛の形になったのかもしれない。

ホーキング博士を演じるエディ・レッドメインの演技力、すごいなあ。


お気に入り度★★★★
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きっと、星のせいじゃない。

監督: ジョシュ・ブーン
出演: シャイリーン・ウッドリー, アンセル・エルゴート, ローラ・ダーン, サム・トラメル, ウィレム・デフォー
2014年

きっと、星のせいじゃない。 [Blu-ray]/シャイリーン・ウッドリー,アンセル・エルゴート,ローラ・ダーン
¥2,057
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<ストーリー>
17歳のヘイゼルは、末期のガン患者。今は薬のおかげで深刻な状態を免れているが、どこへ行くにも酸素ボンべが必要で 学校にも通えず、友人もできず、毎日同じ本ばかり読んでいる。両親を心配させないために出席した大嫌いなガン患者の集会で骨肉腫を克服したオーガスタス (ガス)と知り合う。18歳のガスはクールなヘイゼルに一瞬で恋に落ち、ユーモアのセンスが似ていた2人は間もなく惹かれあう。ある日、ガスから最高のサ プライズが贈られる。なんと彼女が敬愛する作家と会えることになったのだ。2人は作家に会おうとオランダへ旅行に出るが……。


ガンを患っている男女の恋。恋に落ちた二人とも、ガン患者というのは、珍しいのではないかな。

病気と隣り合わせにいるヘイゼルとガスだが、二人とも、暗くなくて明るいところに好感が持てた。
二人は、お互いを必要としていて、相手を思いやる優しさがある。

敬愛する作家に会いに行く場面では、ホットな出会いがあるのかと思いきや、予想外の展開!


死を前にしたふたりだが、生を感じる物語だった。


お気に入り度★★★★
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オムライス日和 BAR追分

伊吹有喜 角川春樹事務所 2016年2月



オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫)/伊吹有喜
¥562
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有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、 脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというねこみち横丁のBAR追分に顔を出した沙里だったが… (「オムライス日和」より)。昼はバールで夜はバー―二つの顔を持つBAR追分で繰り広げられる人間ドラマが温かく胸に沁みる人気シリーズ、書き下ろしで 贈る待望の第二弾。



BAR追分 の続編。前回に続き、ほっこり、温かいお話だった。



猫の恩返し

横丁で飼われている黒猫デビイが最近太ってきた。首に「餌を与えないで」というリボンをつけるが・・・・・・

猫の恩返しって、いったいどんなことなのか。
フッコさん、これをきっかけに、「BAR追分」に足を運んでくれるようになってよかった。


オムライス日和
宇藤は、大学のゼミ仲間と偶然出会う・・・・・・・

3種類のオムライス、どれも食べてみたい!一つだけを選ぶ宇藤は、、一つのことをじっくり見つめる人なのね。

ようこそ、餃子パーティーへ
「ねこみち感謝祭」にむけ、宇藤が原案を考えたポスター。猫の絵を見かねた伊藤が描いてくるが・・・・・

ねこみち商店街の発展のための企画。人が多く集まってきてよかった。
宇藤が手作りした餃子がおいしそう!


森の隠れ家

森野鍼灸院を継いだ久保田頼子だったが・・・・・・・

伊藤の過去が少しだけわかってきた。
宇藤、ものかきとして、少しづつ前に進んでいる様子。
桃子さんにも悩みがあるんだねえ。



宇藤は、人生をゆっくりと進んでいる人なのかもね。

続編に期待!あるよね。


お気に入り度★★★
マルガリータで乾杯を!

監督: ショナリ・ボース
出演: カルキ・ケクラン, レーヴァティ, サヤーニー・グプタ―, ウィリアム・モーズリー
2014年


マルガリータで乾杯を! [DVD]/TCエンタテインメント
¥4,104
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障害を持つ娘とその母親の成長を描いたヒューマンドラマ。大学生活を謳歌していた脳性麻痺の少女・ライラは、ある出来事をきっかけに塞ぎ込んでしまう。そんな中、ニューヨーク大学への留学を決意した彼女は、母親と共にアメリカへ移住するが…。


障がいを持つ19歳のライラの恋と成長の物語。インド映画

ライラは、障がいがあるので、生活に援助は必要。親の手助けを得て生活している。

しかし、ライラは、将来に夢を持ち、恋もしたいと思う普通の女の子なのだ。

ライラに理解のある母親は、ライラにニューヨーク大学への留学を勧める。
ライラはそこで、新しい生活をはじめ、友達を得るが・・・・・・


親からの自立、障がい者の性、同性愛、家族の難病と、詰め込みすぎ感はあるが、障がいのある少女を演じた主人公が、チャーミングで、障がい者ぶり(障がい者の演技)が見事だった。障がいがあっても、好奇心旺盛で明るく前向きな主人公がよかった。


お気に入り度★★★★

本「坂の途中の家」

テーマ:
坂の途中の家

角田光代 朝日新聞出版 2016年1月



坂の途中の家/朝日新聞出版
¥1,728
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刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇にみずからを重ねていくのだった―。社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と“家族”であることの心と闇に迫る心理サスペンス。



裁判員制度は知っているが、自分が選ばれるとは思っていない。里沙子は、小さい子供がいるからと、面接のときに話をするが、選べれてしまう。夫の両親に子供を預け、裁判所に向かう毎日が続く。


里沙子は、裁判のことをいろいろ考える。
自分の境遇と重ね合わせてしまう。
自分はアル中じゃないかと懸念しながら、ビールを手に取る。

自分は、果たして、文香を愛しているんだろうか?
文香を預かり、料理を持たせてくれる夫の両親に感謝しながらも、文香の接し方にがまんならない。
夫は、自分なしで義父たちと連絡を取り合っているのではないのか?という疑問。
補助なんだから、そんなに真剣に関わらなくてもいいのではないか、無理ならやめればいいという夫に反感を持つ・・・・・・・

里沙子の心理描写が細かく描かれていて、心痛が伝わってきた。

例えば・・・・・・
ぐずるわが子をおいて先に行き、様子を見る。そんな行為は母親なら、したことのある行為だと思う。もちろん、夜、行うことではないのはのはわかるが、夫が心配するような虐待では、決してない。ああ、こんあことで誤解されたくない、言い訳なんかしたくない・・・・・・・こんなところにも里沙子の心情がよくあらわされている。


事件が起きた背景にあるもの、そんな風になったいくには、原因があるのだ。
心理的に追い詰められていく。そのことを恐ろしく感じた。


事件と里沙子の家庭の様子がシンクロする。もやもやした感情が残る。それは、一般でも起こりうる事実に近い内容だからかもしれない。


お気に入り度★★★★★

本「悲素」

テーマ:

悲素


帚木 蓬生 新潮社 2015年7月

悲素/帚木 蓬生
¥2,160
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悲劇は、夏祭りから始まった―。多くの犠牲者を出した砒素中毒事件。地元刑事の要請を受け、ひとりの医師が、九州から和歌山 へと向かった。医師と刑事たちは地を這うように、真実へと近づいていくが―。現役医師の著者にしか描きえない、「鎮魂」と「怒り」に満ちた医学ミステリー の最高峰!




和歌山で起きた毒カレー事件。その毒が砒素とわかるまでの過程から、話は始まる。毒に詳しい医師がその犯人を追っていくのだが、この事件の解明の陰に潜む、昔の中毒事件や死亡した案件などの検証にもあたる。

医師の家に報道陣が押し寄せたりと困難なこともおきるが、地道に真実に近づいていく。

とても詳しく書かれているので、真実にたどり着くまでには、こんなにも大変なものかと思った。


挿入されているタリウム・サリンやといった他の毒薬の事件についての話も挿入されていて興味深い。
 
 
 
 
 
 
 
犯人の行ったこと、なんとおそろしい・・・・・・
 

 
お気に入り度★★★★★
ジャッジ 裁かれる判事


監督: デイビッド・ドブキン
出演: ロバート・ダウニー JR., ロバート・デュバル, ベラ・ファーミガ, ビンセント・ドノフリオ, ジェレミー・ストロング
2014年


ジャッジ 裁かれる判事 [DVD]/ロバート・ダウニー JR.,ロバート・デュバル,ベラ・ファーミガ
¥1,543
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ロバート・ダウニー・JR.とロバート・デュバル共演による法廷サスペンス。敏腕弁護士・ハンクは、殺人事件の容疑者として逮捕された絶縁状態の父である判事・パーマーの弁護を担当することになるが…


法廷サスペンスだが、親子の確執を描いている。


悪がきだったハンク。野球選手として有望だった兄はハンクのせいで道を絶たれる。
そんなこともあってか、ハンクと父の関係はうまくいってなくて、ハンクは家を出て弁護士をしている。

ハンクは、妻とは離婚寸前。娘を引き取りたいと思っている。

そんな時、母の訃報の知らせに故郷に戻る。
今でも、父との関係は不仲。けんか腰だ。

しかし、父が殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。父はひき逃げしたのか?意図的にひいたのか?何も覚えていないのか?
ハンクは、父の弁護に立つが・・・・・・・

ハンクの弁護士としての腕もさることながら、しだいにわかってくる父の心情に心揺さぶられる。


判事として判断を間違わない彼が、一人の人物に関して間違った判断をしていまった理由、その答えにほろってしてしまう。

今までの一番の弁護士は誰かと言う質問、ハンクの父の最後の言葉が最高!!



お気に入り度★★★★
おやすみなさいを言いたくて

監督: エーリク・ポッペ
出演: ジュリエット・ビノシュ, ニコライ・コスター=ワルドー, ローリン・キャニー, ラリー・マレン・ジュニア
2013年

おやすみなさいを言いたくて [DVD]/KADOKAWA / 角川書店
¥5,076
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元報道写真家の経歴を持つエーリク・ポッペ監督が、自らの体験を元に描く戦争ドラマ。世界の紛争地域を飛び回る報道写真家のレベッカ。事故に遭い帰国した彼女は、離れ離れの生活に疲れ果てた夫と娘たちの気持ちを知る。ジュリエット・ビノシュ主演。


真実を伝えるため、報道カメラマンとして、働くレベッカ。彼女の撮ったっ写真は、国連をも動かす力になっている。彼女は使命感に燃え、危険な場所で写真を撮り続けている。

それは、死と隣り合わせの仕事。いつも、命が危険にさらされている。


レベッカにとっては、大切な仕事だと思うが、家族にとっては、かけがいのない妻であり、母親なのだ。待っている毎日はつらいだろう。

仕事を選ぶのか、家族を選ぶのか。むつかいい問題。結論はでないのではないか。

ここで描かれている中東情勢が、厳しい現実を見せ付けていた。ラストは、言葉を失う・・・・・・



お気に入り度★★★★★