本「本バスめぐりん」

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本バスめぐりん

 

大崎梢 2016年11月

 

3000冊の本を載せて種川市を走る移動図書館、愛称めぐりん。乗り込むのは、65歳の新人運転手テルさんと図書館司書のウメちゃんだ。2人と1台を待ち受けるのは利用者とふしぎな謎の数々で?!本でつながる想いをのせて、移動図書館は今日も走る!

 

 

今はなくなってしまったけれど、以前、移動図書館を利用したことがあるので、懐かしく感じた。図書館のようにいっぱい図書があるわけではないけれど、棚を端から眺めていくと、思ってもいなかった本と出合うこともあり、移動図書館、好きだったなあ。

 

予約の入るような人気の図書は持ってこれなくても、関連のあるものや、利用者の好みに合わせたものを選んだりと、司書さんは、気を使っていたんだな。

 

新前の65歳の運転手、テルさんは、一歩控えめだけど、まじめで優しくて、司書のウメちゃんは、どんどん前に進むタイプで明るくて、この二人のコンビがよかったな。

 

 

 

日常の謎を解いていく形で物語は進むが、本によって交流が生まれたり、同じ移動図書を利用している人たちが助け合ったり・・・・・・・・・・・・・・

 

ただ、保育園と住民の反対問題は息苦しかったし、悪意のあるはがきが届くなど、暗い部分はあったけれど、最後には、うまくまとまりそうで、ほっこりする話だった。

 

 

お気に入り度★★★★

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本「アカガミ」

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アカガミ

 

窪美澄 河出書房新社  2016年4月

アカガミ アカガミ
 
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渋谷で出会った謎の女性・ロダに勧められ、ミツキは国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した。しかし、これまで異性と話すことすらなかった彼女にとって、“国”が教える恋愛や家族は異様なもので、パートナーに選ばれたサツキとの団地生活も不安と驚きの連続だった。それでもシステムに手厚く護られた二人は、次第に恋愛やセックスを知り、「新しい家族」を得るのだが…。生きることの痛みと選択、そして輝きを見つめる衝撃作!

 

 

近未来、結婚しない人も多く、若者の自殺者が増える。  

国は、見合いシステム「アカガミ」を設立する。

 

恋愛経験のないミツキとサツキ。お見合いシステムにより、カップルになる。

誰でもよかった相手が、一緒に暮らすうちに、なくてはならない存在になっていく。

その過程は面白く読んだ。

 

発想が面白いと思う。

 

しかし、この見合いシステムの名前がいけない。

やはり、赤紙を想像してしまうので、不穏な雰囲気が・・・・・・・・・・・・

 

おそろしい・・・・・・

こんなことがあってはならない。


 

 

お気に入り度★★★★

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本「月の満ち欠け」

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月の満ち欠け

 

佐藤正午 岩波書店 2017年4月

月の満ち欠け 月の満ち欠け
 
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新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

 

 

 

先ほど、直木賞を受賞したタイミングで読み終えた。

作者の作品を読むのは久しぶり。

 

 

瑠璃子という名前の少女。

彼女は、何度も生まれ代わりを繰り返す。

 

いくつかの物語が交錯し、不思議な体験をしたような感じがする。

ありえない話でありながら、現実味を感じてしまう。

 

瑠璃子が生まれ代わりを繰り返し、たどりついた先には・・・・・・

 最後に驚きと感動を味わうことになる。

 

よくできた構成だと思った。

 

 

お気に入り度★★★★★

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デトロイト美術館奇跡

 

原田マハ 新潮社 2016年9月

 

 

 

ゴッホ、セザンヌ、マティス。綺羅星のようなコレクションを誇る美術館が、市の財政難から存続の危機にさらされる。市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきか?全米を巻き込んだ論争は、ある男の切なる思いによって変わっていく―。アメリカの美術館で本当に起こった感動の物語。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の系譜を継ぐ珠玉のアート小説。

 

 

 

 

デトロイト市の財政破たんの危機に、デトロイト美術館がコレクションを売却するという話が持ち上がる。絵画はいったいどうなってしまうのか?

 

それ程絵が詳しくなかった男が、妻と一緒に美術館へ行くようになり、妻が亡くなってからも、何度も美術館を訪れている。

ある人にとっては、美術館に飾られている一枚の絵が、心の糧になっている。

そういったことがあるのだなあ。絵の偉大さを感じる。

 

アートに魅せられた人たちの力が美術品を守ったという暖かい話だ。

 

 

お気に入り度★★★

本「希望荘」

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希望荘

 

宮部みゆき 小学館 2016年6月

希望荘 希望荘
 
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家族と仕事を失った杉村三郎は、東京都北区に私立探偵事務所を開業する。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年発生した女性殺害事件を解決するカギが隠されていた!?(表題作「希望荘」)。「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」…私立探偵・杉村三郎が4つの難事件に挑む!!

 

 

 

「誰か」「名もなき毒 」「 ペテロの葬列 」に続く第4弾。

 

家族と仕事を失った杉村三郎が、どうしているのかと心配していたが、探偵事務所を開業したようだ。

 

「砂男」で、杉村三郎が、探偵事務所を開業するまでの経緯が描かれていて、こんな出来事があたのかと・・・・・・

 

奥さんと別れて、娘と離れ離れの生活は、寂しいだろうけれど、逆玉の肩身の狭い生活より、探偵の方が、のびのびと仕事ができるかも!?

 

 

探偵業としての杉村三郎は親切かつ丁寧。依頼者の気持ちに沿って事件を解決していく。

 

震災にかこつけての悪行が描かれていたが、これは許せないことだと思った。

 

 

お気に入り度★★★★

本「ひとり吹奏楽部」

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ひとり吹奏楽部

 

初野晴 角川文庫 2017年2月

 

 

マレンと成島の夢は、穂村と上条の夢を叶えることだ―。部を引退した片桐元部長から告げられ、来年のコンクールへの決意を新たにする芹澤直子。ギクシャクした関係を続けるカイユと後藤朱里。部の垣根を越えてある事件を解決するマレンと名越。そして部のまとめ役の成島美代子…。清水南高校吹奏楽部に運命的に集まった個性的なメンバー。その知られざる青春と日常の謎を描く、大人気シリーズ書き下ろし番外篇!

 

 

退出ゲーム 初恋ソムリエ 空想オルガン 千年ジュリエット 惑星カロン

<ハルチカ>シリーズは多くの書籍があるが、今回は番外篇。

上条ハルタ 、穂村チカではない吹奏楽部に関係した面々が主人公の短編集。

謎解きは控えめで、それぞれの青春を描いたという感じだ。

 

ハルタやチカではに人たちの視線でえがかれているので、新鮮。

ちょっとした悩みがあったりするけど、なんとか乗り越えていけそう!?

短編集とはいえ、つながりがあって、その後、どうなったのかを確認できる。

 

 

「ポチ犯科帳」カイユ×後藤朱里

捨て犬の引受先は見つかるのか?

 

「風変わりな再会の集い」芹澤直子×片桐圭介

駄菓子屋でおつりの両替に行ったおばあさんが返ってこない。

そんな状況でなかったなら、芹澤と片桐のこんなトークなかったかも?

 

「巡るピクトグラム」マレン・セイ×名越俊也

吹奏楽部ではアルバイト禁止。そんな中でのアルバイトとは?

 

「ひとり吹奏楽部」成島美代子

副部長になった成島は、かつての吹奏楽部の活動記録をたどり・・・・・・

 

 

それぞれの部員たちの心情をちょっと踏み込んで感じることができた。

お気に入り度★★★★

グランドフィナーレ

 

監督: パオロ・ソレンティーノ

出演: マイケル・ケイン, ハーヴェイ・カイテル, レイチェル・ワイズ, ポール・ダノ, ジェーン・フォンダ

2015年

 

 

イタリアの奇才、パオロ・ソレンティーノ監督による人間ドラマ。80歳を迎え現役を退いた英国人音楽家・フレッドは、親友の映画監督・ミックと共に高級ホテルで優雅な日々を送っていた。そんな中、英国女王からフレッドにある依頼が舞い込み…。

 

 

 

高級ホテルですごす元有名だった人々・・・・・・・・・

 

世界のサッカー選手はサインは求められるが、体は肥満体。

過去の栄光に酔っている感じ。

 

映画監督ミックは、新しい映画を製作するために若手たちと奮闘中。

音楽家フレッドには、英国女王から依頼が舞い込むが断る。

 

ミックとフレッドは今も親友であるが、

あくまでも現役を目指すミックと引退を決めたフレッドが対照的だ。

 

なぜ、フレッドは依頼を断ったのか、娘の愛情問題を絡めて話は進んでいく。

 

もっと音楽が前に出た作品かと思ったが、そうではなかった。人生の辛苦、心の奥を描いている。

 

老いはいつかはやってくるもの。その時どう向き合うのかを問いかけるような映画。

 

お気に入り度★★★★

 

桜風堂ものがたり

 

村山早紀  PHP研究所  2016年9月

 

万引き事件がきっかけで、長年勤めた書店を辞めることになった青年。しかしある町で訪れた書店で、彼に思いがけない出会いが…。田舎町の書店の心温まる奇跡。

 

 

 

(引き続き本と猫が登場する作品だが、全然違う話です。、ってあたりまえか。)

 

本屋の店員さんが、本を売るためにどんなに努力をしているのか、どのような仕事をしているのかを垣間見ることができた。

 

万引き少年を追いかけたことで、書店員の月原一整店が銀河堂書店を辞めざるを得なくなるとは!世間のうわさって、こわい。

 

そのことが原因で、書店を辞めなければならなかったのは、つらい出来事だっただろうけれど、一整は、一歩を踏み出すことができた。それが桜風堂を訪れるきっかけとなり、いい出会いがあり、自分を見直し、自分の道を見つけることができたことはよかったと思う。

 

月原一整が、書店にいたとき、売りだそうとしていた本を元同僚やデパートの人までもが、協力し合う。理不尽な理由で仕事場を去ることになった青年のために、みんなが力を合わせる。みんなのその気持ちをうれしく思う。

 

猫、オウム、桜風堂にいる少年・・・・・・・

愛情をもって守ってあげたい存在がいる・・・・・・・・

そして、なくしてはならない本屋がある・・・・・・

 

 

 

お気に入り度★★★★★

 

本を守ろうとする猫の話

 

夏木草介 小学館 2017年1月

 

 

高校生の夏木林太郎は、祖父を突然亡くした。祖父が営んでいた古書店『夏木書店』をたたみ、叔母に引き取られることになった林太郎の前に、人間の言葉を話すトラネコが現れる。21世紀版『銀河鉄道の夜』!

 

 

「神様のカルテ」では医者が主人公だったが、これは本の話。

作者も本が好きなんだなと感じた。

 

人間の言葉を話すトラネコが主人公に本を助け出してほしいと言う内容で、これだけでは、ファンタジーの冒険ものと思うかもしれないが、内容は濃く、本を読むことの意味や本とどのように向き合うのかといった本とのかかわり方を問う話だ。

 

 

 

 

一か月に100冊本を読み読み終えた本を並べて保管している男。

本を読む時間がない人のために本を切り刻み要約している男。

本が売れることを重視し、ノウハウ本や要約本を売る男。

 

主人公がこれらの男と対峙する。

 

多くの本が出版される現在、どの本を読めばいいのか、わからないことも多い。

同じ本をじっくり時間をかけて読む。そういった時間は現代にはないのか?

それは寂しい気がするな。

 

 

 

主人公は祖父を亡くし、叔母に引きとられることになっている高校生の夏木林太郎。引きこもりの彼を心配して本屋に来てくれる同級生との交流や彼の成長も読みどころだった。

 

 

お気に入り度★★★★

君がくれたグッドライフ

 

監督: クリスチャン・ジュベール

 出演: フロリアン・ダーヴィト・フィッツ, ユリア・コーシッツ, ユルゲン・フォーゲル, ミリアム・シュタイン, フォルカー・ブルッフ

2014年

 

年に1度、6人の仲間たちで行く自転車旅でベルギーを目指すこととなる。スタート翌日、ハンネスの実家に寄った仲間たちに衝撃が襲う。

 

 

自転車旅行を楽しむ仲間。

彼らは、隣に座った人に課題を出す。旅行中にその課題に挑戦しながら、和気あいあいと旅行を楽しむ。

しかし、ハンネスの母宅に立ち寄った時、ある秘密をハンネスは仲間に打ち明ける。

 

 

ハンネスの決断、こんな大切なことを一人で決めていいものか?

妻や家族や友達の気持ちは、置き去りなのか?

いや、自分の人生だから、自分が決めることなのか?

 

いろいろなことを考えさせられる。

 

ハンネスの決断がよいのか悪いのか、私にはわからない。

それでも、最後は、ハンネスの決断を受け入れ、彼に寄り添うまわりの人たちの気持ちは暖かく感じた。

 

そして、旅行中の課題をこなしていくうち、仲間たちの生活に変化が起きる予感がした。

 

お気に入り度★★★