花ざかりを待たず

乾ルカ 光文社 2023年4月







 

 

末期がんが判明した椎名利夫の余命は一年。予期せぬ宣告に家族や周囲の人々は戸惑いを隠せなかった。利夫のために何をすべきか焦燥は募るばかり。妻は夫に四十路の娘の晴れ姿を見せるために結婚を求め、娘は自分の思いを曲げようとはしない。すれ違いながらも、それぞれの脳裏によぎるのは利夫との思い出の数々。だが、想像を絶するスピードで彼の体調は崩れ始め……。別れの日を前にした人々の思いが胸を打つ、感動の傑作。




俊夫はガンで余命一年と診断される。

その時、妻、ふたりの娘に何ができるのか?


俊夫に花嫁姿を見せてほしいと躍起になる慶子。


親は、娘の花嫁姿をみたい。安心したいという気持ちはわかる。

でも、圧力かけすぎ。


結婚しない、由紀子のような生き方もある。

本人がそれで幸せなら、それもあり。

これも、多様性。


この由紀子と結婚して子どもふたりいる真理子の姉妹の関係、いいなと思った。



俊夫は病院から、定時に毎日かけてくる電話。

家族に心配かけまいとする俊夫のことを思うと苦しくなる。



病が進んでいく後半は、つらかった。


俊夫は、慶子に、普段、子どもたちのこと、育て方が悪いと悪態ついていたけど、最後の言葉に救われる。




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