※この記事は過去記事の再構成です
諸君、ご壮健かな。
機動戦士ガンダムの中で、異彩の輝きを放つ。
サディスティックな少女。
セイラ・マス。
ご存じ、シャア・アズナブル の妹だが、イメージはなんとなく攻撃的。
それを決定づけたカイ・シデン へのビンタを検証してみた。
場所は、セイラ・マス を始め、アムロ・レイ やフラウ・ボウ も住む、サイド7のコロニー。
そこで地球連邦軍は極秘にガンダムを開発していたわけだが、それを嗅ぎつけたジオン公国の、シャア・アズナブルの部下たちが潜入してきた。
士官候補生、リュウ・ホセイが怪我人を運んでくる。
そう。
モビルスーツ「ザクⅡ」で襲いかかったため。
住民に多くの怪我人が出たのだ。
その搬送を手伝う、セイラ・マスとフラウ・ボウ。
その後ろを駆け抜ける一つの影。
そう。コロニーに住む青年。
カイ・シデン。
彼は、搬送を手伝いもせず。
避難口のエレベーターに乗る。
「逃げてきたんだ。君らも乗るかい」
この一言に、セイラが切れる!
フルスイング。
しかも、確実にダメージを与える耳にヒット。
すごい殺傷力だ。
そして。
ここで注目してほしいのは、カイ・シデンの吹っ飛び具合。
体が揺らぐくらい、初対面の相手をはたく。
極限状態とはいえ、これはかなり凶悪である。
その証拠として、以下の写真をみてほしい。
そう。
ご存じ、アントニオ猪木氏のビンタである。
カメラがぶれるほどの激しい一撃であるが、相手の体は揺らぐほどではない。
この少なくとも倍は吹っ飛ばしていること。殴られている相手の体格はカイ・シデンと同等であること。
この事より、力学上で行くと。
殴打力×2倍 ⇒ 移動距離×(2倍-空気抵抗)
※適当
なんと、炎のファイターの2倍弱の力で殴りつけているのだ!
これは決して感情的な攻撃ではなく、より効率的に、手のひらに圧力を集中させたことを証明することである。
さらに、この。
はたくシーン。
「軟弱者!」
と叫んでいる。
「軟弱」を辞書で調べてみる。
なん‐じゃく 【軟弱】 [名・形動]
1 質がやわらかく弱いこと。また、そのさま。「―な地盤」
2 意志・態度などがしっかりしていないこと。
相手の言いなりになりやすいこと。また、そのさま。「―な態度」
(デジタル大辞泉より)
意思・態度などがしっかりしていない、という意味。どうも「いいなりになりやすい」ということらしい。
しかし、このときのカイは
「手伝わねえよ」
と明確な意思を示しており
「いいなりにならない」状態であった。
この矛盾は、セイラ・マスの勘違いであろうか?
答えはその後の展開に隠されている。
その要件は2つ。
①セイラは直後に「それでも男ですか?」と発している
②このあとカイはセイラに恋をするが告白はできない
これらから、以下の仮説が成り立つのではないか。
カイはセイラにビンタされて恋をする。それはほんの一瞬の出来事。
ニュータイプの素質があり、先を読めるセイラにはそれがわかっていた。
だから、恋心を持っているのにはっきりしない未来のカイに、激しい気通りを感じて、ビンタする。
そして「軟弱者!」といい、「それでも男ですか!」と叫ぶ。
つまりセイラの目は、視聴者の目よりもはるかに向こうを見据えている。
その様に、惚れるカイ。
男女の仲は、果てしないメビウスなのだ!
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