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何故ジャズギタリストに女性がいないのか?

Emili Remler

昔と比べると女性のジャズプレーヤーが多くなったと思う。
ピアノはもちろんの事サックス・ドラム・ペットそして特にベースプレーヤーに女性が目立つようになった。
ウッドベースは結構きついのではないかと思うが、聞いてみると当人はそれほどでもないらしい。 
ただある女性ベースプレーヤーは「無理な姿勢で弾く事があるので腰痛に注意している」ということを言っていた。
まあベースに限らないがどの楽器でも長時間通常の姿勢ではない状態が続く場合があり、体の歪みから来る不調のためか整骨院のお世話になっているミュージシャンは結構多い。

話がそれてしまったが「なぜジャズギターに女性プレーヤーがいないのか?」が今回のテーマである。
ギターという楽器はどちらかというと女性っぽい楽器だと個人的には思うのだが、他のジャンルでは女性ギタリストが数多くいるのに何故かジャズの世界では女性ギタリストが圧倒的に少ない。 というよりほとんどいない。

身近なところを見渡しても女性ジャズギタリストは見た事が無い。
「地味でプレイに花が無い」「難しい」。。。でもこれは男でも条件は同じである。 
「手が小さいくて複雑なコードが弾きにくい」。。。男だって手が小さいやつはいる。
「フルアコはでかい」。。。フォークだってギターはでかいしソリッドを使っても構わないはずだ。
「爪が伸ばせない」。。。ロックだってギター弾くのであれば同じ事。
「弦のゲージが太いくて指先が痛い」。。。女性のアコースティックの名手は結構いるしベースはどうなんんだ。

う~考えてもよく分からん。
このテーマを提示しておいてな~るほど、という答えを出せずに申し訳ないが、やはり女性に聞いてみるしかないか。
これ!というど真ん中の答えをお持ちの方は教えて頂きたい。

そこでテーマにからめて是非紹介したい女性ギタリストがいる。
「Emily Remler エミリー・レムラー」である。 1990年に32歳の若さで亡くなってしまったが素晴らしいギターを弾く正統派ジャズギタリストである。
男でも女でもサウンドが良ければ性別はどうでも良いので「女性ジャズギタリスト」というレッテルは無意味であるが、数少ない存在でありしかもメチャ上手いとなるとその意味でも注目されることが多かったと思う。

WESを好きだったそうでオクターブも上手いし、トレードマークのES-335で師匠である「ラリー・コリエル」を思わせる「ゴリ押しフレーズ」なんかを弾くスタイルは多少荒削りの部分も有るが実に共感を覚える。
こういう骨太の気合の入ったジャズギターは最近あまり聞かれなくなったのは寂しい。 
男性優位のジャズギター界、コンテンポラリーばかりに走らずもうちょっと頑張ってほしい。

「East to Wes」Wesへのトリビュート曲がタイトルのこのCDはスタンダードと彼女のオリジナルで構成されていてどの曲も素晴らしい!
Hank Jones/Buster Williams/Marvin Smithというコテコテの百戦錬磨の強者を相手に回して弾くまくっている。
クリフォードブラウンの「Daahoud」などを聞いてもビバップを消化した上で独自のフレーズ・スタイルを作り上げているのが分かる。
フレージング/テクニック/タイムどれも言う事は無い。 
彼女のジャズギタリストとしての真価を発揮したアルバムで私のフェイバリットの一枚である。

YOU TUBEでも結構動画があるので聞いたことが無い人は是非チェックしてほしい。
今更ながら夭逝した稀有な才能が惜しまれる。

Wes Montgomery 親指ピッキング



今回はWesのプレイスタイルの中の親指ピッキングを考えてみたいと思う。
先日待ち望んでいた発売されたばかりのWes Montgomery in the beginning early recordings from 1949-1958を入手して聞いてみた。
時期的にはThe incredible以前のインディアナポリスでまだ無名の頃の音源だがすさまじいプレイである。

この頃からアイデア、テクニック、リズムどれを取っても誰も到達できないレベルである。
中でも早いテンポのプレイはまさに「アンビリーバブル」である。
Wesは「ピックの方が早く弾けるが親指の音の方が好きだ」と言っているが、Pat Martino真っ青の早弾きをしている。
スライド、ハンマリング、プリングを多様しているとはいえ親指のみでこのプレイは通常考えて不可能である。 
これはWesが並外れた身体的能力を持っているとしか考えられない。
さらにどんなに早いパッセージを弾いても溢れ出るアイデアと共に強力ドライブしている事は驚くばかりである。

Wesが言うように音色の点で確かに親指で弾いた方が太く暖かく良い音がする。 
また感情をダイレクトに伝え、楽器をコントロールという点でやはり指で直接触れて弾く方が有利であると思う。
しかしプラスの反面テクニックの面で大きいハンディーがある。

親指でのピッキングはピックのようにアップ、ダウンが困難なためダウンが主体になるが、親指の動きはそれほど早い動きが出来ない。
Wesはこの点、前述のスライド、ハンマリング、プリングを使いながら見事にこのハンディーを克服している。
(動画を見ると時折アップでピッキングをしているようだが)
このあたり弾き方を工夫しながら徐々にスタイルを作り上げていったのだろう。

Wesは休憩中に親指に出来た「堅くなったタコ」のような部分をよく歯でかじっていた、という事を聞いたことがある。
弦と当たる親指の部分がほど良い硬さになっていて、弦とちょっと触れるだけでシャープでしかも暖かい音を得ることが出来るのではないだろうか。

Wesの親指ピッキングの秘密はいろいろ有りそうだが、それが分かったとしても誰も真似できない事は確かである。

Sacha Distel



Sacha Distel「サッシャディスティル」このフランス人のギタリストの名前を聞くと昔John Lewisとのアルバム「Afternoon in Paris」のレコードをよく聞いたのを思い出す。
タイトル曲の「Afternoon in Paris」はいかにもJohn Lewisらしい、というか始めの6小節がⅡ-Ⅴで降りて行くコード進行が面白くて今でもたまに演奏する。

Sachaはジミーレイニーに影響を受けたようだが、なかなか趣味の良いギターを弾く。
彼を有名にしたアルバムはJohn Lewisと競演したこのアルバムだが、今回ピックアップしたアルバムはいくつものセッションを集めた「Jazz Guitarist 」というもので、ジャズギタリストとして真価を発揮している。

このアルバムを手にしたのは結構前だがその時ジャケットを見て思わず買ってしまった。 
というのもギターを持つ若いSachaのなんとなく不良っほくて不健康な顔つきが妙に気になったからである。 
まあ演奏とは関係ないことだがジャケ買いなんんてそんなもんだろう。 

その後シャンソン歌手として有名になりギターはほとんど弾かなくなったようだが、YOUTUBEでおっさんになった彼がギターをちょろっと弾いている姿を見て嬉しくなってしまった。

そんなにテクニックがあるわけでもないし、やる気あるの?と感じてしまうこともあるのだが、私の中ではやはり忘れられないギタリストの一人だ。
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