ガダルカナル戦書籍一覧


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作文 従軍慰安婦・慶子
十九~二十日の 西山日誌
十四日以降の 若林日誌絶筆後の第十中隊の記録 完
十六日以降の 亀岡日誌 完
ギフ高地予備陣地からの脱出記録 → こちら
ギフ高地主力陣地からの脱出記録 → こちら
岡部隊の撤退記録 → こちら
十五日~六日の 堺台第一拠点の記録
堺台第二拠点 歩228連隊12中隊のガ島戦
十八日~二十二日の 矢野大隊の記録 
二十二日の アウステン山・独山10連隊の記録

22日の独山10連隊の記録→ こちら

独立山砲兵第十聯隊第三中隊 横山一三少尉の記録(概略)
一月二十三日
ボネギ川手前河畔(ママラ川河畔?)
米軍の監視が厳しく日中の移動が適わずボネギ川手前河畔で待機する独山十連隊。
手持ち無沙汰の横山少尉は草野大隊長を訪ねている。
草野大隊長は白米飯と味噌汁をご馳走してやろうと炊さんを始め出来上がりを待っているところで米軍の艦砲射撃を受け、慌て近くの小さな縦穴壕へ飛び込む草野大隊長。
周囲の様子が判らぬ横山少尉も止む無しと草野大隊長の上から飛び込むが背中も尻も地上に出てしまっている。
艦砲射撃をやり過ごし壕から出るとコプラの火で炊いていた白米と味噌汁の飯盒はひっくり返っていた。

この艦砲射撃では一名の負傷者も出さずに済んでいるが夕方再度不意の艦砲射撃に一緒に露営していた梶部隊から二名の負傷者が出ている。

当時の西部海岸上空写真
Bunina Point手前に舳先を上げる輸送船らしき姿が認められるが船名は確定出来ておりません。

ガダルカナル Guadalcanal
横山少尉は「夜間移動のため正確な位置は判らないが」と前置きをされて位置関係を説明されている。
陽が落ち丸い月が上がった頃、露営地を出発、ボネギ川を渡り白砂が続きタサファロングの浜辺を過ぎてタサファロングの岬を越えた浜辺の陰に大きな輸送船が舳先を天に突き上げていた。
海岸に黒々と浮かぶ輸送船はマストが折れ煙突も吹き飛んでしまった姿は「凄惨な最後を彷彿とさせる痛ましさ」と回想されている。
後に伝聞より少尉がラバウルよりエレベンタ泊地まで乗せてもらった九州丸の姿らしかった。

爆撃を受け炎上する輸送船
米国資料では上が鬼怒川丸で下は宏川丸となっています。
ガダルカナル Guadalcanal
この記事を編集中に前掲「上空写真」に写る輸送船と思われる姿がこの写真にも写っている事に気づきました。
この船は・・・また一つ課題が増えてしまったようです。
ガ島へ乗り上げた輸送船の船名・位置の特定を引き続き精査して行きたいと思います。
などと入力している内に前掲「上空写真」に写る輸送船は米国資料により 九州丸という事が判明致しました。 


昼間は凄惨な艦砲射撃に曝される椰子の並木道も夜の帳で覆い隠され清らかな月の光が美しい。
然し、到る所で死臭が漂い小休止の際、椰子の実拾いに藪に入れば息も詰まる屍の臭に生ある我身の奇跡を実感されている。

道は左に大きく折れて海辺から遠ざかり牧場だったのか木柵に囲われた大きな草原となる。
緩い上り下りの泥道と変わり進むにつれ泥道は酷くなり、泥水を足で漕ぐような所が随所に見られるようになった所で牽引車に曳かれた重砲が一門置き去りとなっていた。
ガ島の密林に眠る重砲牽引車 2012年2月撮影
ガダルカナル Guadalcanal

長い泥道が終わり小高い丘を越えたところら綺麗な川の流れに出た。
セギロウの川らしい。
空が少し明るんで夜明けが近づき、川の流れで泥を落とす一行。
此処で疲れ果てた体を横たえたいところではあったが先行した草野大隊長の姿は無くさらに歩を進め陽が大分高くなったところで小さな若椰子林に入った。
海岸から離れ爆撃跡も少ないが此処でも死臭はあった。
風もなく猛烈に蒸し暑い所ではあったが三々五々椰子の木陰を見つけ倒れるように寝入る一行の耳には敵機の煩い音も気にならなくなっている。


独立山砲兵第十聯隊撤退経路予想図
アルファベット表記は現地で購入した地図より確定いたしました。
日本軍は当時ウマサニ川をセギロウ川と呼んでいた記述が多いようです。
前掲米国資料「西部海岸上空写真」ではMvao Riverがウマサニ川となっておりMoanina PointがBunina Pointとなっています。
ガダルカナル Guadalcanal
白丸で囲った位置をグーグルアースで接近すると現在四角く整備された湿地のように見えますがあくまで「ではないか」という事をご了承ください。
また、横山少尉の見た舳先をあげた輸送船が九州丸だとすると・・・根本的に↑経路は間違っていることになります。
日米の資料を比較してもなお場所の特定には難しいものがあります。

つづく

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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉  長谷川榮作さまのホームページ
ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
お立ち寄り戴けましたら幸いです。



新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト
ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
石坂准尉の八年戦争さまと相互リンクさせて戴きました。

平成24年8月18日(土)より9月1日(土) 日本青年遺骨収集団さま主催による ガダルカナル島「丸山道」自主派遣隊 の皆様がガ島御遺骨収集をされ7柱の御遺骨をお迎えされたそうです。
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