ARIA The ANIMATION:牧野由依「ウンディーネ」
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【このコンテンツは批評目的による牧野由依氏、河井英里氏、窪田ミナ氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合このページに限り、いかなる修正・削除要請にも応じますので、ご教授ください】 天野こずえ原作、毎週水曜日深夜1:30よりテレビ東京系ほかで放映開始した「ARIA The ANIMATION」。2301年、”水の惑星”と化した火星の観光地ネオ・ヴェネツィアを舞台に、ゴンドラ(舟)で水路を移動して観光客を案内する職業=ウンディーネ(水先案内人)の日常を”まったり”と描くいい雰囲気の作品だ。 牧野由依嬢が歌うオープニング曲「ウンディーネ」も作品を象徴するようないい曲だ。ゆったりとした6/8拍子、キーCメジャーの曲で、最近のキャピキャピ(?)したアニメ曲、ドラマチックすぎるアニメ曲と一線を画す、上品で優雅でまったりした仕上がり。コード進行を検証してみよう。 作詞:河井英里 作曲、編曲:窪田ミナ
弦楽器の音色がとても気持ちよい。マンドリンだろうか? クラッシック・ギターかな。とにかく中世的な響きがよい。1~4小節のコード進行は、 ⅣM7-Ⅴ6-Ⅵm7-Ⅲm7 サブドミナント(ⅣM7)→ドミナント(Ⅴ6)→トニック(Ⅵm7 or Ⅲm7 or ⅠM7)というコード進行で、5~12小節もそのバリエーションだ。ドミナントの部分はⅤ7だと透明感が損なわれると思うので、Eを共通音としたV6(=G6)が妥当のようだ。G7 13でも良いかもしれない。 原作、アニメーション共に原色をギラギラと使うよりも、淡い中間色を効果的に用いているが、音楽的にもそれに相当するコード、メジャーセブンスコードが効果的に使われ、作品世界の演出に貢献している。素晴らしい。 【B】
ブリッジ。1~4小節は、
Ⅵm7-Ⅰ-Ⅱ7 の繰り返し。トニック→サブドミナントヴァンプ(参照 )だ。ベースラインがA→G→F#と下降する。5~8小節は ⅣM7-Ⅲm7-Ⅱm7-Ⅴ6 Ⅵm7が省略されているが、「短二度下降ののち完全四度上昇を繰り返す」定番パターン(参照 )だ。 【C-1】
サビ。ベースが下降していく。 ⅠM7-Ⅴ6-Ⅵm7-Ⅴ6-Ⅳ-Ⅲm7-Ⅱm7-Ⅲm7-Ⅳ-Ⅴ7 パッヘルベルのカノン と同パターンの進行だ。7~8小節は、Ⅱm7-Ⅴ7だけでも通用するところに、スケールに従ったダイアトニックコードを挿入している。 【C-2】
サビを繰り返して、トニックで解決する。 とにかく水と夕焼けの色が綺麗で、ゆったりと見ることができ、癒される。いいアニメだ。アリア(Aria)とはイタリア語(?)で「空気(=Air)」の意であるが、まさしくピッタリくる題名だし、G線上のアリアをBGMとして使ってくれたら、いいだろうなぁ。ほのぼのとした人情話がたまらなくよい。自分はアリシアが好き。エンディングテーマも良い。近日解析。
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