医療本のカラクリ | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

巷にあふれている医療本。


色々な特集記事があり
たくさんの病院やクリニック、
ドクターなどが
掲載されていたりします。


それを参考に病院選び
医師選びをする人も多いでしょう。


でも

その医療本が
どんな風に作られているか
知っている人は少ないでしょう。


広告料さえ払えば
どんなクリニックでも
ドクターでも掲載される

 

ってことは
ご存知でしょうか?


例えば今回送られてきたのはこれ↓

 

 

「良医の視点 ドクターズファイル
肛門疾患治療特集」


広告の大きさによって
掲載料も大きく違います。

 


一番小さい枠だと10万円

 

10万円もするの?!うひゃあー

 

って驚くなかれ。


枠が大きくなるにつれて
20万40万と高くなっていき

極めつけはこれ↓

 

 


1ページ100万円!!

2ページになると180万円!!


初めてこの手の広告を見たとき

 

ゼロが一つ
間違ってるんじゃないの?

 

って自分の目を疑いましたよ苦笑

 

今度、こんな医療本を
作るんですけど
先生、広告出しませんか?

 

っていうお誘いなんですよ。

 


郵送で送られてきた後
必ず電話で勧誘があります。


そこで

 

「広告料高いし、うち、
そんなお金払う余裕ないわ〜
それに、本見て来る患者さん
そんなにおらんし、
うちはええわ〜」

って断ると

 

「先生!そんなことないですよ!
患者さんたちから厚い信頼を
得ている本ですし、
○○先生も掲載されますよ!」

 

と他の先生やクリニックを
持ち出してきて、

 

こちらの不安と焦りを誘おうとしますニヤ


昔、若い頃は
周りの先生方が掲載するのであれば・・・
と一番小さくて安い枠に
広告を載せていたのですが、

最近はすべてお断りしています。


理由は2つ。


専門外の先生が掲載されることが多く、
掲載するとかえって
信頼を損ねるから


そして

 

そのような本を見て
受診される患者さんは
私たちがやっていることに
価値を感じて受診するわけではないから

 

 

この医療本に掲載する基準は
全く何もありません。


お金さえ払えば
誰でも掲載されます。

 


全く肛門を専門にしてなくても・・・です。

 


せっかく読者のためを思って
このような医療本を作るのであれば

 

専門の医療機関やドクターだけに限る
など
明確な基準を設ければいいのに・・・

って思いますね。


専門かどうかなんて
ちょっと調べれば分かります。

 

学会に聞くなどの方法もあります。

 

そのような徹底した取材をせずに
なんの基準も設けず、
ただ「広告載せませんか」呼びかけで
それに応じて
お金を払った所を掲載する


それって

読者に対する裏切りじゃないか?!

って思いますね。


きっと書店で手に取る人は
「確かな信頼できる情報だ」
と信じて買われると思うんです。


実績のある専門家が掲載されている

と思うでしょう。


実際、そう思っていたと
多くの患者さんが言われています。

 


だから
本の出版に携わる人たちは
もっとちゃんと下調べするなどして、

 

自分たちが発信する情報が
どれだけの影響を及ぼすのか

 

ちゃんと自覚し考えて
行動してほしいものです。

 


でもね

最近はネット社会で
ネットで調べれば

どんな人でも

無料で

色々な情報が手に入ります。


患者さんも賢くなってきましたね。

 

この点においては
とても良いことだと思います。

 


ただネットで調べても
本当に肛門を専門にしているかどうかは
分かりにくいです。


以前にも専門性の話について
書いてます↓

 

「肛門科専門医の探し方」

「何が専門?」

「本業か副業か」

「女医さんはもうこりごりです(;。;)」

「ちゃんと肛門科の先生に診てもらってる?」

「専門じゃないって書いてて欲しかった!」

 

またFacebookなどの
SNSの普及によって

 

同業の先生方の動向が
分かるようになったので

 

電話口で

「○○先生も出してますよ」

とささやかれても、

「え?出さないって言ってましたよ。」

と自信を持って返せます苦笑い

 

それにね

そのような医療本には
私たちの思いや治療方針は
書けません。


一番大切な部分が
何も伝わらない。


だから

その本を鵜呑みにして
名医だと思って来られる患者さんは

 

私たちの医療に
価値を感じておられないので

来られても

幸せに出来ないんです。泣


分かって選んで来て欲しいので
医療本じゃないな・・・

って思っています。


だから

医療本には掲載しません。


医療本のカラクリが分かれば
本を見る目も

変わるかもしれませんね。


これからの時代

どの情報を選んで信じるか
という情報リテラシーが必要ですね。


これは何も
医療に限った話じゃないですけどね汗

 

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